VMCレポート
◆野菜教室 : テーマ『朝フルーツで体シャキッ!!』
◆日 時 : 2009.9.11(金)10:30~12:30
◆講 師 : ベジタブル&フルーツマイスター 野口 知恵さん
《Contents》
① 野菜ってなに?
② 果物ってなに?
③ 野菜と果物、どれくらい摂ったらいいの?
④ 朝食パワー
⑤ テーマ果物「バナナ」のミニ知識
⑥ 「手作りジュース」作り
⑦ まとめ
① 野菜ってなに?
・野菜は簡単にいうと、食用に育てた植物、つまり「食べられる食物」のこと。
基本的に草や土の中から収穫されるものが野菜。木から収穫されるものが果物。
例外として、イチゴ、スイカなど、フルーツとして食べるもの⇒果実的野菜
ユズ、スダチ、レモン、アボカドなど野菜料理や香味として料理によく使われる
もの⇒野菜的果実
・日本国内で出回る野菜のうち、特に消費量の多いもの ⇒ 指定野菜 という
「日本の指定野菜 14種」・・・ハクサイ・キャベツ・ダイコン・ホウレンソウ・
サトイモ・タマネギ・ネギ・レタス・キュウリ・
ナス・ピーマン・トマト・ニンジン・ジャガイモ
・今回は以下4つの分類をレクチャー:緑黄色野菜・淡色野菜・いも類・まめ類
「緑黄色野菜」・・・*野菜の色ではなく「含まれているカロテンの量」で分類。
可食部100gあたりのカロテン量⇒600μg(マイクログラム)
以上含まれている野菜。
*ただし、トマト、ピーマンなどの野菜はカロテン含有量が
600μg未満だが、摂取量や頻度など勘案の上、緑黄色野菜
に含まれる。
*特徴として→・野菜の中心部まで色がついている。
・カロテン、ミネラル、食物繊維が豊富。
・不足しがちになる原因のひとつとして、
調理に手間がかかる。その反面、栄養価が高い点は見逃せない。
*代表的な緑黄色野菜・・・オクラ・カブの葉・カボチャ・チンゲンサイ・
グリーンアスパラ・ツルムラサキ・サヤインゲン・
サラダナ・大葉・シュンギク・ダイコンの葉・コマツナ・
トマト・ニラ・ニンジン・パセリ・ピーマン・
ブロッコリー・ホウレンソウ・ワケギなど
★Point : 緑黄色野菜は、加熱し、油と一緒に調理することで
カロテンの吸収率が高くなります。
(生や茹でたのよりも3~4倍もUP)
「淡色野菜」・・・*緑黄色野菜に含まれない、その他の野菜のこと。
*免疫機能を調整するという重要な働きをしている。
*簡単に見分けるポイントは、中まで色がついているかどうか。
ナスやスイートコーンも一見、緑黄色野菜に見えるが、
表面に色が付いていても中が白いものは、淡色野菜に含まれる。
*特徴として→・緑黄色野菜と比べてカロテンは少ないが、
ビタミンC、ミネラル、食物繊維が豊富。
*代表的な淡色野菜・・・ハクサイ・モヤシ・キュウリ・ダイコン・タマネギ・
レンコン・ゴボウ・キャベツ・ナス・レタス・カブ・
ナガネギ など
★Point : 淡色野菜には「簡単に食べられる」「一度に食べられる量が多い」
「クセがなく調理しやすい」という食べ物としての基本的で重要な
要素があり、食物繊維も豊富。
「いも類」・・・*植物の根、または根茎に貯蔵栄養素を豊富に含むもの。
*根が肥大したもの→サツマイモやヤマイモなど
*茎が肥大したもの→ジャガイモ、サトイモなど
*穀類と同様に炭水化物を主成分とする。
*食物繊維が豊富で穀物より低エネルギーのため、満腹感を
得られるわりには、摂取エネルギーを抑えることができる。
「まめ類」・・・*マメ科植物の種子。乾燥した種子を利用する場合と、
若い未熟なさやや種子、その両方を食用とするもの(エダマメ、
サヤエンドウ、サヤインゲン、ソラマメ)がある。
*主成分はタンパク質と炭水化物で、ダイズを除くと脂質が少ない
*食物繊維やカリウム、リンが多く、炭水化物をエネルギーに変える
働きを持つビタミンB1、脂質をエネルギーに変えるビタミンB2も
含んでいる。
② 果物ってなに?
・主に木本性植物から収穫されるもの。(イチゴやスイカなどは草本性植物から
収穫されるが、食習慣上、果物として扱われる。
・果物の成分のほとんどは水分であるが、炭水化物(果糖・ショ糖・ブドウ糖)、
ビタミンC、カロテン、カリウム、食物繊維なども多く含んでいる。
栄養の効果として、疲労回復に効果的な果糖や有機酸(クエン酸・リンゴ酸など)や、
万病の元となる活性酸素を打ち消すビタミンC、E、ポリフェノールがある。
★Point : 果物を選ぶときのポイントとして、形の良いもの、見た目のきれいな
ものが一番おいしいとは限らない。色、かたさ、重さ、香り、見た目、
この5つのポイントを参考にして、食べごろを見分ける。
③ 野菜と果物、どれくらい摂ったらいいの?
健康のために、毎日350gの野菜と200gの果物を食べましょう
・この数字は、厚生労働省が疾病一次予防に重点を置いた健康づくり運動である
「健康日本21」の中で、野菜の摂取目標量を1日「野菜350g」と決め、
また果物のある食生活推進全国協議会が、果物の1日の摂取量「果物200g」と決めた。
・日本人の1人1日の野菜・果物の平均摂取量は、厚生労働省が発表した国民健康・
栄養調査(平成15年)によると、野菜277.5g、果物が115.1g。目標値を
大きく下回っている。
・健康な生活を送るには食事は重要な生活習慣。年々低年齢化している生活習慣病の
予防対策として不可欠なビタミン、ミネラル、食物繊維などを補給するのが
野菜と果物。摂取目標を把握し、健康管理ができるように意識して、毎日摂取する
ように心がけよう。
★摂取量の目安 → 握りこぶし(ひと回り小)=70g(加熱後)
・毎日の食生活をチェック!
前日の食事内容を表にそれぞれ書き込み、グループでお互いチェック。
表作成の前に、目標摂取量に自信のあった人が、いざ、グラム数など書き込んで
みると、意外に足りていなかったことが判明。朝抜きの人もいたり、家での食事と
比べると、外食だと、野菜・果物の摂取量がグンと減っていたり。より意識して
摂取を心がける必要を感じた。
・実際に、野菜350g、果物200gを計量器で計ってみよう!
用意された野菜が、オクラ、キュウリ、ゴーヤ、タマネギ、トマト、ナス、
ニンジン、パプリカ、レタス。
テレビCMや本などで、カゴに山盛りに盛られている見た目の量と、実際図って
見ると、ニンジン1本、タマネギ1/4個、パプリカ1個で合計350gに達成!
意外に「これだけでいいの?」と少し安堵感。これなら無理なく続けられそう。
無理なく続けられる様に、もし今日、目標摂取量に足りなかったら、明日、または
明後日、多めに摂るようにすれば良いとのこと。さらに安堵感。
④ 朝食パワー
脳にエネルギーを補給してくれる
脳のエネルギー源がブドウ糖。夜の寝ている間に、脳はブドウ糖を使い果たして
しまうため、目覚めるためにも必要。抜くと、思考回路低下、ぼんやりする。
体温を上昇させ、身体活動を活発に
朝食→噛むことで→胃が働く→内臓が動く→血流が良くなる→体温上昇
生活習慣病の予防に効果大
欠食すると、身体が蓄えようと働く→摂取した食事の消化率Down。
結果、新陳代謝もDown。生活習慣病につながりやすい。
体温が1℃上がると、新陳代謝が12%アップする。
新陳代謝率は、朝が一番高く、昼→夜に向けて下降。
排便を促す
朝から体調が良いリズムとなる
*糖質 : 脳のエネルギーとなるブドウ糖を作る。糖質はすぐに吸収され
体のエネルギーとなり利用される。
ゆっくりと消化されるので、長い時間エネルギーを供給し続けられ、
腹もちがよくなる。
*主な食べ物は、ご飯、パン、麺類、イモ類、フルーツなど
(余談ですが・・・)炭水化物の食べ過ぎは良くないが、全く摂らないと
脳が筋肉からブドウ糖などの栄養を摂ろうとする
ため、結果、筋力低下、病気になりやすくなる。
*たんぱく質 : 体温を上昇させる効果がある。
*主な食べ物は、牛乳、卵、大豆製品(豆腐・納豆)、肉、魚など
*ビタミン・ミネラル・食物繊維
: ビタミンやミネラルは体の調子を整えることと、栄養素を体の中に
取り込むのに必要となる。また、食物繊維は胃腸の働きを良くする。
*主な食べ物は、野菜、果物、海藻など
「朝食と果物の関係」は、
*手軽に食べることができる
*目覚めに必要な糖質をしっかり採ることができる
*エネルギーに変えるビタミン・ミネラルが豊富に含まれる
まさに、「朝食パワー」と言える
⑤ テーマ果物「バナナ」のミニ知識
・バショウ科で、原産地は熱帯アジア。
・沖縄産の島バナナもあるが、大半はフィリピンや台湾からの輸入物。
・消化吸収が良く、速効性と持続性のあるエネルギーを持つため、
競技前のスポーツ選手には欠かせない補給食。
・イモ類に匹敵するほど炭水化物を多く含む。また、免疫力を高める成分も
含み、生活習慣病などに効果が期待される。買ったばかりのものより、
黒い斑点が出ている熟したものが食べごろ。
・種類は、フィリピンバナナ、台湾バナナ、モラードバナナ、モンキーバナナ、
島バナナ
・今回登場したモンキーバナナは、皮が赤みがかったオレンジ色で別名レッドバナナ。
果肉は黄白色で、もっちりとした食感。スッキリとした甘さ。
⑥ 「手作りジュース」作り
◆手作りジュースのポイント
*旬の野菜や果物を使う (より栄養価が高い)
*素材の味や特徴を知る (苦味や香り、色なども)
*使う道具にあった大きさに切る (同じ大きさに切る。セロリなどスジを取る。
切り方が大きいと、ジューサーが回らなくなる場合がある)
*好みの温度にする (凍らせた果物のそのままミキサーにかけると
スムージーになる)
◆おいしいジュースを作るポイント
*ベースとなる素材を考え、好みの素材をプラスする
*飲みにくい素材を使用するときは、バナナやリンゴ、柑橘系を使用すると
クセのある野菜(セロリ、ゴーヤなど)と一緒に混ぜても、まろやかになる。
*マイルドな味は乳製品で(牛乳やヨーグルト、豆乳など)
*濃くなりすぎたら、炭酸水や水で薄める (最後に加える!)
*くさみを感じた時はレモン果汁を加えてみる
*カボチャやイモは、一度加熱してから使用すると、甘さやコクが出る。
*ジュースの色は、同色系でまとめると、色目も良い。
◆グループ別で、テーマを決めて、オリジナルジュースを作ってみよう!
用意していただいた野菜・果物、牛乳、水、ハチミツを使用して、
それぞれ試行錯誤。ミキサーで回しても、ジュースではなく、ドロっとした
スープになってしまったり、頭で考えていた味と違っていたり、
想像以上に良い色目になったり、とワイワイ楽しいひととき。
3つのグループ発表は以下の通り。
(分量は、3~4人分。1人約200cc)
グループ1 ・・・ 《美肌ジュース》
材料 セロリ 10g
パイナップル 25g
キウイ 20g
ナシ 65g
牛乳 50g
*試飲感想:黄緑色で色目も爽やかで味もスッキリ。とても美味しかった。
グループ2 ・・・ 《朝からデトックスジュース》
材料 ナシ 100g
キウイ 70g
レタス 30g
水 少々
ハチミツ 少々
*試飲感想:キレイな黄緑色。ナシの食感がノド越しよく、食物繊維を
感じられ、こちらも美味しかった。
グループ3 ・・・ 《目覚めのHappyジュース》
材料 モラードバナナ 1本
パイナップル 100g
プチトマト 85g
牛乳 240g
ハチミツ 大さじ1
*試飲感想:赤系の色で、元気が出る。パイナップルのクエン酸で前日の疲れ
を取りつつ、バナナの栄養補給で今日もガンバルぞ!と思えた。
☆野口先生レシピ 《パッチリてもみジュース》 材料1人分。159カロリー
トマト 1/4個、バナナ 1/2本、牛乳100cc、さとう 小さじ1(or ハチミツ)
*ビニール袋に材料を全部入れて手でもみもみ→コップに入れてできあがり♪
⑦ まとめ
*手作りジュースを飲んでみて気づいたことは、皮や果肉の食感も楽しめ、
市販の野菜・果物ジュースとの違いを感じた。市販のジュースは
水分が多く、食物繊維や皮をこしているため、栄養価が生と比べて低い。
やはり自分で作った方が、より新鮮で、栄養価も高く、創意工夫が楽しい♪
*旬にあったものを食べると栄養価が高い。
*朝食抜きで、食べる回数が減るよりも、1日3回、特に朝食になるべく野菜や
果物を取り入れると、目標摂取量(野菜350g、果物200g)に達成しやすい。
*果物特有の香りや色を楽しむことによって、元気がでる。エネルギーが湧く。
以上となります。
レポート作成者:溝渕潤子(旧姓 中川)
商社OL歴約20年を経て、昨年結婚。今年7月から念願の専業主婦に。連日残業はもう懲り懲り。旦那が腎臓を少し痛めており、昨年からせっせと食事療法を開始。野菜・果物に多く含まれるカリウムの摂取制限があることから、特に多く含まれるものは?減らす調理法は?と本来とは別の観点でベジフルの知識が大活躍。また、夫婦でトライアスリート(短距離)のため、毎日のトレーニングで、野菜、果物の必要性を身体で実感しています~!