【4/10大阪レポート】~キャベツのあれこれ七変化!!~
4/10岡山野菜教室レポート
~キャベツのあれこれ七変化!!~
講師 野菜ソムリエ 伊丹ゆかりさん
先生の自己紹介
岡山中央卸市場の仲卸をされていらっしゃる為、今何が取引されているのか、
どういう状況なのかを把握されており、
生産者と消費者両方の立場を理解されている野菜・果物のエキスパートです。
地元新聞の季刊誌に旬の野菜果物の特徴、選び方、食べ方を紹介するコラムを担当されています。
いつも笑顔で、野菜果物を愛する、気さくな人柄の先生です。
講義内容
① 野菜とは何か
② 果物とは何か
③ どのくらい摂ったらいいのか
④ テーマ食材 キャベツ のミニ知識
⑤ 野菜ソムリエおススメの試食
① 野菜とは何か
緑黄色野菜と淡色野菜の違い、可食部の違いによって緑黄色に入る野菜、
例えばカブの葉やダイコンの葉があること。
文部科学省の見解では、可食部100gあたりのカロテンの量が600㎍以上含まれている
野菜を緑黄色野菜と呼びますが、トマト・ピーマン(600㎍に満たない野菜)がなぜ含まれるのか、
などソムリエならではのお話をして下さいました。
② 果物とは何か
野菜よりも摂取量が少ないのが果物であるという現状。
枇杷はカロテンの量も多く体に良い果物でありますが、敬遠される果物のひとつです。
その理由は、種が大きく可食部が少ないことと、ナイフフォークでは食べづらいことだそうです。
選ぶポイントは、色・かたち・重さ・香り・見た目で食べごろをみわけますが、さらに形のよいもの、
見た目のきれいなものが一番おいしいとは限らないという事を知っておくことも教えて下さいました。
③ どのくらい摂ったらいいのか
昨日の食事を書き込むシートが配られ、朝・昼・夕と間食、其々の食材の種類とその量を書き込む。
そしてほかの参加者と比べてみる、作業がありました。
席のレイアウトが、6人のグループに分けお互いに意見を交換できるようにしてあり、
自己紹介の後、お互いが話をし易い流れをつくっていらっしゃいました。
各テーブルに食事一回に使うであろう量の野菜
(ニンジン・トマト・かぼちゃ・小松菜・ピーマン・ジャガイモ・玉ねぎ)とスケールが置かれ、
自由に手に取ったりその重さを量ったりすることできました。
先生も各テーブルをまわり会話が弾むように心配りをしていらっしゃいました。
野菜果物はやはりあまり摂取されていないという現状や計量してみて
分かる量を確認できる有意義なコーナーでした。
④ テーマ食材のキャベツミニ知識
分類 アブラナ科
原産地
ヨーロッパ地中海
由 来
ケールが原種 改良、分化が進みブロッコリー カリフラワー コールラビ 芽キャベツ そして キャベツに。
日本には江戸時代にオランダから長崎に伝えられ、当時は観賞用とされ、これあから葉ボタンが生まれました。
現在のキャベツが日本に来たのは江戸時代末期。
当時日本では野菜を生で食べる習慣が一般的ではなく明治中期にとんかつにキャベツの千切りが大評判になり
キャベツの生食が普及しました。キャベツの消費は戦後の洋食化した食生活から急速に増大しました。
日本での主な種類
冬系(冬玉)春系(春玉)グリーンボール 紫キャベツ 芽キャベツ
栄養
ビタミンU(別名キャベジン)胃腸の粘膜を正常に保つ効果があり、胃腸薬にも含まれる成分です。
その他、ビタミンC、食物繊維
少量ですがほとんどのビタミン、ミネラル(カルシウム、リン、鉄、カリウム、マグネシウムなどを含みます。
機能性成分のイソチオシアネートなどの成分が、がん予防に効果があるといわれ、
機能性野菜として注目を集めています。
保存法
キャベツは収穫後の呼吸作用が少なく、結球野菜の中では比較的保存性が高い野菜です。
しかし高温下では呼吸作用が活発になり、味、栄養価がおち、呼吸熱が内部にこもると傷んでしまいます。
低温下での保存が必要です。
保存適正温度が0℃前後なので冷蔵庫(野菜室)に入れましょう。
芯をくりぬいて、水を含ませたペーパーなどを詰め、ラップでくるめば万全。
今年の気候にふれ、季節外れの雪が降るなど寒い日が想定外にくるなどで、
キャベツが結球しない状況があり、また端境期に当たるため価格の高騰が起こっていること。
食べ比べの春キャベツ(岡山産 みはる 298円)春キャベツ(愛知産 298円)
紫キャベツ(岡山産 158円)を各テーブルに廻され、直にその重みを感じることができました。
⑤ 野菜ソムリエおススメの試食
~紫キャベツのキッシュ~
焼きたてのキッシュが振る舞われました。
生での食べ比べのものとは違う調理された紫キャベツを味わう事が出来ました。
紫キャベツのその色の美しさを生かす為、サラダや酢漬けといった、酸性とあわせる
調理法が多いのですが、肉厚の部分などはやはり火を通すことで、その色は多少黒っ
ぽくなってしまいますが、素材そのものの甘味を感じさせるレシピも、今後提案出き
れば良いなと思いました。
講義に飽きさせない、先生のはきはきした声と仕事上裏付けられたお話に、
信頼のある情報が得られるよい機会であり、参加者の皆さんも納得の雰囲気でした。
ソムリエになって初めて岡山での野菜教室に参加しました。岡山市街地から少し離れた会場でしたが、
広島の福山からや岡山県北からと遠い所からも参加して下っていました。
野菜・果物に興味を持って下さっている人たちが沢山いることはとても嬉しいことでした。
【レポート作成】
二宮幸子(野菜ソムリエ)