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【5/13大阪レポート】ずばり!うすいえんどうって何??

ずばり!うすいえんどうって何??

2010年5月13日   野菜ソムリエ 垣淵 浩子先生
会場 日本野菜ソムリエ協会 協会本部大阪教室 

うすいえんどう?
グリーンピースとどう違うのかしらん?
という素朴な疑問と、豆好きということもあり、今回この講座に参加させていただきました。

Kaki  
まずは講師の垣淵浩子先生の自己紹介。
梅の生産量No.1を誇る和歌山県はみなべの梅農家に嫁がれ
「梅のことに関しては誰にも負けません!!」と自負されており、
梅について語らせるとどんなけでもしゃべるわよ!!と梅に対する熱い想いを披露していただきました。
ですが、今回の講座は“うすいえんどう”について。

なぜ?
「梅についてはたくさんお話できますが(さりげなく梅をアピールされます(笑))、うすいえんどうに関しては素人です。
ただ、うすいえんどうについてもっと知ってもらいたくて、うすいえんどうを宣伝しに、今回この野菜教室を開催しました。」
とおっしゃっていました。

 農協の関係もあるのでしょうが、うすいえんどうを多くの方に宣伝したいと思う気持ちはあっても、
梅農家の垣淵先生はうすいえんどうを紹介する機会がないそうです。
今回、この料理教室で少しでも多くの人にうすいえんどうを紹介したい、という想いが伝わってきました。
栽培するものは違えど、農家の方々を応援する気持ちは人一倍持たれている垣淵先生です。

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 うすいえんどう以外にも、サンプルでスナップエンドウ、ツタンカーメンのえんどう、
オランダさや、グリーンピース、モロッコインゲンを見せていただきました。
全て和歌山県でご購入されたとのこと。
和歌山県でたくさんの種類の豆を生産されていることを初めて知りました。
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 豆は緑黄色野菜か、淡色野菜か?という質問からスタートです。
『緑黄色野菜というのは、野菜の色ではなく「含まれているカロテンの量」で分類されます。』
では、うすいえんどうはどっち?実は、うすいえんどうは淡色野菜。グリーンピースも淡色野菜なのです。

これは意外でした。

どうしても色で判断しがちなのですが、実はそうではないのです。

でも、さやいんげんは緑黄色野菜。

ちょっと不可思議な話ですが、豆によって緑黄色なのか、淡色野菜なのか違ってくるのです。

ちなみにキャベツは淡色野菜。芽キャベツは緑黄色野菜となります。

健康のために、毎日350gの野菜(緑黄色野菜120g、淡色野菜230g)と200gの果物を食べましょう、と国からも推奨されています。
しかし、350gの野菜摂取というのは意外と大変なのでは?と思ってしまいます。

垣淵先生の提案は"調理法を変える"というものでした。
①おひたし
②あえもの
③いためもの
この3種の調理法だけでも、レパートリーが増え、多くの野菜を摂取することができます。
頭の中で考えすぎず、いろいろな食材を使ってチャレンジすること。

例えばセロリ。
セロリはサラダにして食べることが多いですが、今回はセロリのおひたしを教えていただきました。
セロリとおひたし、意外な組み合わせです。

そして何よりも
"簡単に作ることを心がける"
料理時間がかかると長続きしません。
めんつゆを使って味付けすれば、昆布やしいたけ、かつお節などからだしをとる必要もありません。

前述のセロリのおひたしも、セロリをゆで、おだしに漬けるだけ。

簡単にできておいしいのですから、言うことなしです。

 新しい食材、新しい調理法、いろいろ挑戦すると素材についても知ることができます。
同じ素材でも調理法が変われば、味も変わります。素材にあった調理法が見つかります。
もちろん、調理法を変えると栄養価も変わります。味だけでなく、栄養価についても意識したいものです。

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新しい食材といえば、ツタンカーメンのえんどう。
さやが赤茶色のような、紫がかった色とでも言うのでしょうか。ちょっと異色のえんどうです。
古代エジプトのツタンカーメン王の王陵を発掘したとき、副葬品の中から発見された、と伝えられているそうです。
さやを開け、まめを見ると、普通に緑色でした。
本来はもう少し茶色いようです。
この珍しい色のさやを活用したい!!という場合、まめを取り除いた後、さやを煮出します。
さやからはだしが出、同時にこの色特有のポリフェノールも出ます。
この煮汁でご飯を炊くと、ほんのりピンク色に色がつくそうです。
さやもふんわりとご飯のうえにのせ、炊くとよいそうです。おいしい風味と栄養が丸ごととれます。
 
知らなかった食材の新たな活用法を伝授していただきました。
ツタンカーメンのえんどうは少し硬いため、食べにくいのですが、栄養価は高いということ。
ぜひ、ツタンカーメンのえんどうを使ってまめご飯を炊いてみたいと思います。
そのほかにもグリーンピースについて、面白い分析結果をご紹介していただきました。

調理法により、栄養価に違いが現れるというものです。
グリーンピースは生のものより、ゆでたものの方が、カロテン量が増すというのです。
それを冷凍させるとさらにカロテン量が増すということ。
ただ、缶詰などにある水煮のものは、生と比べるとカロテン量が半減するという分析結果です。
生で食べる方が栄養価が高く思われがちですが、生ものだけが良いわけではなく、
調理法により、栄養価も変わってくるということを改めて認識しました。
旬の時期(栄養価が高く、価格の安いため)に多めに購入し、少し硬めにゆで、冷凍保存するとよいですね、
との提案をしていただきました。

最近では、まめをサラダ感覚で食べる機会が多くなりました。
サラダ以外にも、スープにしたり、パンに入れたり、いわゆる煮て食べるまめというものから、多くの食べ方、調理法が紹介されています。
多様な方法での食べ方があれば、その食べ方に挑戦してみよう、と思う生活者がいるはずです。
その食材を購入し、消費することにより、農家の方、生産者はその食材を一生懸命作ろうとされます。
栽培したものを、購入し食べてもらわないことには、農家の方々の生活は成り立ちません。

農業は決して楽な仕事ではない、ということを垣淵先生は何度もおっしゃっていました。

屋外での仕事なので、過酷です。
なかなか農業をしよう!と思う人が増えない、ということもおっしゃっていました。
屋外の仕事だけでなく、そのほかの仕事も農家の人はたくさん抱えていらっしゃいます。
一生懸命育てた野菜・果物を生活者である我々が摂取しなくなれば、農家は破綻します。
ですから、たくさん食べてください。
そして、農家の方々に感謝の気持ちを忘れないでください、
とおっしゃっていた垣淵先生の言葉は心に残りました。

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お忙しい時間の中、うすいえんどうを使ったチーズスフレを焼いてくださり、
自家製の梅ジュースを持ってきてくださりました。大変おいしくいただきました。

JAの方からもお土産にうすいえんどうをいただきました。ありがとうございました。

レポート 野菜ソムリエ 小関 祐子

野菜ソムリエの講座を受け、農業、農政に関心を持つようになりました。
当たり前のように食している野菜果物は農家の方々の大変な苦労があり存在していることを認識し、
感謝しながら、野菜果物を食しています。