VMC レポート
ここが知りたいっ! 徳島野菜の魅力
~生産・流通を知っとく!なっとく!~
全国出荷量NO.1を誇る、みなさんお馴染の「すだち」・「生しいたけ」・「カリフラワー」
をはじめとして、他にも「阿波尾鶏」・「鳴門わかめ」など、
温暖な気候、豊かな自然と美しい水で育まれている、徳島県の農林水産物。
特に徳島県産野菜は、半数以上が、大阪、関西へ出荷されています。
色鮮やかな「なると金時」や、真っ白な「れんこん」も、特に関西圏のみなさま、
一度は、いえ、何度も食され、その見た目と美味しさに魅了されたはず。
この恵まれた環境の中で、特定期間だけではなく、年間を通じて、
様々な品目が出荷されています。特に吉野川流域のミネラルたっぷり、
肥沃な粘土質土壌などで、たくさんの農産物が栽培されています。
☆日時 : 2011.3.2(水) 13:30~15:30
☆場所 : 日本野菜ソムリエ協会 協会本部大阪教室
☆企画・講師 : 石井 郁子 先生(野菜ソムリエ)
☆講師 : 梅田 晶子 先生(野菜ソムリエ)
本日は、「なっ! とくしまソムリエ」の石井郁子先生と梅田晶子先生が、
日々 『とくしまブランド』を栽培されている農家の方々を取材された、
貴重な現地レポートと共に、生産、流通まで、『とくしまブランド』野菜の魅力を
ご紹介いただきます。知らないで食べるよりも、知って食べましょう!
◆『とくしまブランド』と「なっ! とくしまソムリエ」とは
徳島県では、『とくしま安2(あんあん=安心・安全)農産物』認証制度が設けられており、
農産物の生産・品質管理体制に一定の基準を設け、合格、認定された農産物が
『とくしまブランド』として、流通されてきました。
京阪神地域をはじめ、主要市場において既に高い評価を得ている
この安心・安全に裏付けされた『とくしまブランド』を、
日本のトップブランドとして確立しようと、数年前から戦略が展開されている中で、
平成22年9月、「なっ! とくしまソムリエ」が誕生。
全国の野菜ソムリエの中から30名が、選出されました。
徳島県産農林水産物の魅力と美味しさを、広く県外に発信、認知度及び出荷量UPを
目指すべく、「なっ! とくしまソムリエ」のみなさんが、それぞれ各方面で、
『とくしまブランド』を活用した料理メニューの提案をはじめ、
料理教室、メディアや雑誌、ブログ等による積極的なPR活動をされています。
1、2月には、東京と大阪で、徳島県主催の『とくしまブランドSHOW』が開催され、
盛り立て役としてサポートされました。
この日出席された市場流通関係や業者の方々、仕入れ担当者、飲食店のシェフのみなさんに、その品質と素材の美味しさでお墨付きをいただいた徳島野菜を、本日は何品か選抜して、
まずは梅田晶子先生から、ご紹介いただきます。
◆『とくしまブランド』野菜のご紹介
●まずは、『にんじん』のお話から
「にんじん」のおいしい旬は春と秋。
徳島県の出荷量は全国3位。この時期の「春にんじん」は、生産量トップです。
「春にんじん」は、温室育ちにより、甘くて柔らかいのが特徴です。
雨に当たらない環境の中で、じっくり甘みを蓄えます。
そして、地下水まで水を求めて伸びる大きいひげ根も特徴です。
ハウスよりも小さいトンネルハウス栽培をされています。
育つ適温が20~30℃。 時にはトンネルハウスに穴を開けて、
温度調整をしています。このトンネルハウスにより、にんじん特有の
菌核病を防除することが可能となりました。
収穫は、手で抜かれる農家もいらっしゃいますが、ほとんどが機械で抜き、
選別機にかけて箱詰めへと進むことによって、コスト削減にも。
温暖化によって、他県でのにんじんの出荷が早まるなど、徳島県のシェアも年々減少。
このままではいけない、と、新作品種を増やして、徳島県の新顔野菜で
シェアUPにも臨んでいます。
例えば、核家族に向けたミニチンゲン菜、ミニブロッコリーや、紫大根、
おむすび大根などが登場。
また、水耕栽培も増やして、サラダ野菜をパックで販売したり、
地元スーパーやレストランも協力して、食卓を彩り豊かにする試みがされています。
スクリーンで、現地取材された農家の方々の実際の作業や
トンネルハウスの写真など、たくさん見せていただき、生産から収穫、出荷されるまで
の流れがよくわかりました。
こちらの農家の方は、有機栽培をされており、自ら、量販店や学校給食などで
拡販されているそうです。
●次は、レンコン大使でもある石井郁子先生から、
「れんこん」にとって大切な呼吸の通り道でもある、お馴染のハスを片手に、
『れんこん』のご紹介です。
「れんこん」とひとくくりにするなかれ。産地によって明確な違いがあります。
徳島県「れんこん」の特徴は、断面の細長い形と、その白さ!です。
白さのヒミツの前に、その形から。そもそも断面の形は、土質によって決まるそうです。
味のうまさとは関係ありません。他県のように、水田で地下の深い所で育った
「れんこん」は丸くなり、徳島県の粘土質で育ったものは、断面が細長くなります。
そして、その輝くような白さですが、以前、漂白疑惑まであったとのこと。
全くの間違いです! 潔白です!!
蓮根農家の方にも密着取材されて、解明していただきました。
白さのヒミツは、徳島の粘土質と収穫前の作業に密接な関係があります。
ハスの地下茎として、土の中で育つ「れんこん」。徳島県独特の粘土質の土壌は、
密度が高く、空気がとても薄い状態。地上に伸びた葉柄から空気を取り込んでいます。
よって、この葉柄の断面の穴はそれぞれの「れんこん」の穴と同じだそうです。
「れんこん」が大きく成長すると、農家の方が一本一本この葉柄を倒し、空気を遮断。
すると、「れんこん」に含まれる鉄分が酸化して、白く変化していくそうです。
もしスーパーや市場などで、『この白さは漂白してるからだわ・・・』とブツブツ言う方を
見つけられましたら、手間をかけて作り上げた白さを、ぜひ説明してあげてくださいね。
「れんこん」の掘り方にも特徴があります。
パワーシャベルで上の土を機械で取り除いた後、一本一本、手で掘られます。
まさに泥まみれの作業です。
目印である芽が、土の上からひょっこり顔を出しているそうですが、
一般者の目で、どれだけ目を凝らしても、なかなか見つからないそうです。
掘るだけでなく、芽を見つけるのも熟練の技が光ります。
また、徳島では、魚がすむれんこん畑として、自然環境を守りながらの栽培の取り組みも
されています。自然の水路とれんこん畑をつなぐ『魚道』を作り、田んぼの中でも魚が
すむことにより、ミミズや余分な草を食べてくれるので、農薬や除草剤なども不要。
収穫量がアップしたという実例もあるそうです。
そして、「れんこん」独特の食感。
農家の方は『ホクホク』と表現されることが多いそうで、オススメされているのが
れんこんステーキ! また、レンジよりも蒸した方が、甘さが引き出されるそうです。
切り方でも食感が色々楽しめます。うす切りでもシャキシャキ感は健在。
よく見かける輪切りよりも、縦に細長くカットした方が、糸を引きやすく、
また違った美味しさが楽しめるそうで・・・・・、グッドタイミングで嬉しい試食タイム♪
ご説明通りの美味しさを実感できました。
●バトンタッチされて、梅田晶子先生から『ブロッコリー』と『カリフラワー』の
ご紹介です。
まずは、『ブロッコリー』から。
今回取材されたところは、土壌を積極的に研究されている農家です。
まず、苗床をハウス内で育てられます。寒い時期にゆっくり育つことにより、
苗が固くなり、害虫に強くなるそうです。
その後、畑で定植。カモ除けネットなどを張り巡らせます。
収穫時期は、温かい時期で、2~3ヶ月後。寒い時期は約5カ月後となります。
連作障害を防ぐために、ブロッコリー収穫後は、ほうれん草などを栽培されます。
次に、全国出荷量NO.1の『カリフラワー』のお話です。
ブロッコリーを改良してできたもので、蕾と茎を食すブロッコリーと違い、
蕾を食す花野菜。生まれたのはブロッコリーが先ですが、日本に普及された
のは、カリフラワーが先だったこと、みなさん覚えてらっしゃいますか?
徳島の「カリフラワー」の特徴は、堅く締まった芯と、その色白さです。
人が日焼けをすると小麦色になる様に、「カリフラワー」も同じく、日焼けを
すると黄色くなったりして品質が下がります。そこで、「カリフラワー」の
色白美人を守るべく、日焼けをしないように、農家の方々がひとつひとつ、
外葉を折って隠してくださっているのです。
「カリフラワー」同じ仲間で、見た目が芸術的なイタリアの伝統品種「ロマネスコ」
とブロッコリーを試食させていただきました。
食感や甘さ、味の違いを実感。見た目も楽しい食べ比べでした。
●徳島のTOPブランドである『さつま芋 ~なると金時~』のご紹介を
石井郁子先生から。
「なると金時」は、ホクホクとした食感と上品な自然の甘みが特長です。
おいしい理由は、徳島県の温暖な気候、少ない雨量と豊かな恵みに溢れた吉野川流域
の良質の砂地にあります。砂地畑は、水はけが良く、適度な排出と保湿、そして
海の砂でミネラルも豊富だそうです。
徳島県では、生産地域での特色を生かすために、それぞれブランド化されました。
鳴門市の「里娘」・松茂町の「松茂美人」・徳島市川内町の「甘姫」などがあります。
取材された農家では、機械で掘り起こす1ヶ月ほど前に、手で掘る「探り掘り」をし、
下の方の成長を助けて、収穫量を上げる工夫をされています。
夏に収穫して、しばらく貯蔵してから出荷されます。
でんぷんが糖化して美味しくなる貯蔵期間中の保管にもこだわりが。
水分コントロールが出来るということで、「リンゴ箱」を利用されています。
やはり低温でゆっくり加熱する蒸し焼きが美味しく、オススメとのこと。
石井郁子先生のレシピ『さつま芋の芋名月(黒蜜きな粉)』の試食タイムです♪
素材の上品な甘さと黒蜜の相乗効果で、ほっこりお茶をすすりたくなる様な
美味しい&幸せなひとときでした。
そしてラストを飾るのが、全国生産量NO.1、お馴染の・・・
●『生しいたけ』
こちらの菌床生しいたけは、取材先の農家の方からいただいたもので、
なんと、石井郁子先生が浴室で栽培されたそうです。うまく育つかな・・・と
当初は心配されていたそうですが、とても立派に育ちました。
徳島県では、平成元年頃から全国に先立ち、この菌床栽培に取り組み、
周年栽培が可能となりました。現在ではほとんどが菌床栽培で生産されています。
一年中、いつでも手に入るようになったのは、菌床栽培のお蔭だっだんですね。
菌床部分は、いろいろな木の粉砕にチップなどの栄養が混ぜ合わされています。
農薬を使わない、原木の代わりとも言えます。
無菌室に入れて培養し、菌床をゆっくり時間をかけて固めます。
おいしい「しいたけ」を作るには、菌床の温度と湿度が重要とのこと。
ある温度以下だと活動が休止したり、ある温度以上だと、菌が死滅します。
また温度の高低によっても成長に影響が出て、お馴染の肉厚のこんもりとした
カサが平たくなったりするそうです。ベストの温度や湿度を保つ様、細心の注意を
払っていらっしゃいます。
もちろん、みなさんのお手元に届くまでもベストな状態を保つべく、
収穫されてから集荷、選別、出荷まで、ある低温の温度をキープ。
朝収穫されたものが、午後には集荷場へと、作業もスピーディです。
「しいたけ」そのものの美味しさを味わうオススメ調理はとても簡単です。
トースターでそのまま焼いて、するめの様に手でさくと、ふっくら美味しく
いただけます。焼く時にカサを上に向けると、風味が残るそうです。
みなさんもぜひ試してみてくださいね。
●とくしまブランド戦略課より
徳島県大阪事務所の谷口安孝様より、『とくしまブランド』についての
宣伝がありました。
徳島県は、吉野川流域の肥沃な土壌の恵みで、昔からお米や、藍染などの産業が
支えとなっていました。衰退した藍染産業の代わりに、農林水産物の生産を
拡大させて、今日に至ります。
四国地方の中でも徳島県は、昔から、木材や薪などで関西と交流があったこともあり、
農林水産物のほとんどが大阪を中心に、関西に出荷されています。
先にもご紹介した『とくしま安2(あんあん=安心・安全)農産物』認証制度を元に
これからも、『とくしまブランド』の農林水産物が日本のトップブランドとして
世界へと発展していくために、今後も、『なっ! とくしまソムリエ』の積極的な
PR活動にも、大いに期待されています。
よろしければ、『新鮮なっ! とくしま通信』のHPもご覧ください。
http://our.pref.tokushima.jp/nattoku/
普段は、当たり前のように頂いていた肉厚の生しいたけ、真っ白に美しいカリフラワー
やれんこん等々、ひとつひとつ農家の方々のご尽力のお蔭様であることを
石井郁子先生と梅田晶子先生の現地レポートとたくさんの写真から、あらためて
実感でき感謝の気持ちでいっぱいです。貴重なひとときを有難うございました。
レポート作成者 : 溝渕 潤子
野菜ソムリエ
ベジフルビューティー・セルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター