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【東京】理事長講演会「農産物におけるブランディング」

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日時:2007年12月6日(木)19:00~20:30
講師:福井栄治
会場:協会本部渋谷第三教室

師走に入り道玄坂の街路樹にイルミネーションが輝いている。
月に一回程度はワークショップに参加しているが、今回は少し間が開いたことといつものように食べ比べや試食ができたりするようなものではないことに、やや緊張して会場に向かった。
受講するのは理事長セミナーで、テーマは「農産物におけるブランディング」である。

ブランディングとは?マーケティングとは?何のためにするのか。
昔、といってもほんの2~30年前まで、農産物は作れば売れる時代が長い間続いていた。
しかし現在、高度に資本主義が発達し競争を勝ち抜くための手法としてブランディングが必要となってきた。ブランディングは、利益を最大化するためのマーケティングの商品政策のひとつである。

ネーミングとブランディング
ネーミングは、文字通り「名前」のこと。単なる識別の手段のことであり、ブランディングとは、識別機能はごく一部で、ユーザーが価値と感じることを約束することである。
あくまでユーザーの価値、食品であれば食べ手が価値と感じること。
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あらゆる消費財マーケットは3つのカテゴリーに分かれる
カテゴリーとは、「ラグジュアリー」「スペシャリティー」「コモデティー」の3つ。
商品が属するカテゴリーによってマーケティング手法はちがってくるので、まず、自分たちのカテゴリーはどこかを考える。しかし、自分たちの考えていることと、ユーザーの認識とにギャップがあることがある。

と、ここまでは、一般的なマーケティングの手法をわかりやすくおさらい。
ここから、理事長が日本全国を飛び回り、探し出し、経験した実体験に基づいた青果物のブランディングの具体例をもとに講義が進められた。

例えば会津地方の「青首大根」。収穫した大根を雪の下にわざわざ保管し糖度を上げて出荷されることに価値をみつけ、「会津地野菜」の「雪中大根」として販売したこと。そして、このネーミングでお店に並べただけでは売れなかったこと。糖度を上げるために雪の下に保管したという情報をお客様に伝えなければ売れないのである。ハードに情報を付加することによって「新たな価値」を生み出したのである。

青果物は1%のラグジュアリーと99%のコモデティーから成る。
本来はスペシャリティーに入る商材もコモデティーに混ざっている!スペシャリティーとして販売するとそこは1兆円マーケットになる!!

コモデティーの商品の中にユーザーが価値と感じることを見つけ出し、作り手ができることを約束してブランディングする。新しいイメージ、新しい価値、新しいコンセプトをブランディングで作り出す。

何度も繰り返された言葉は「ユーザーが価値と感じること」。売り手(作り手)が価値だと思うこととユーザーの認識とにギャップがあることがある。そして売り手がその価値を訴えることはプロモーションにすぎない!ということ。

野菜ソムリエの役割
作り手(生産者)は魅力のあるコンテンツを持っていても、昔から日常的に行ってきた農業の中にある価値を認識できない場合がある。
生活者が望んでいることをここから見出してあげるのも野菜ソムリエの役割である。

エルメスがもしジャスコに売っていたら?みんながロレックスの時計をしていたら?など分かりやすい例えで、自分の商品のカテゴリーを明確にすることと、その商品が持つ機能以外の価値の重要性を学びました。

農産物のブランディングについて、理事長がご自身で発見し体験して見出してきたものをとても分かりやすく伝えてくれます。こんなチャンスはめったにないと思われます。私は、理事長の貴重な講義を一字一句聞き逃してはいけないと必死にメモを取りましたが、ちゃんと理解できるまでにはもう少し時間がかかりそうです。

理事長の日本の農業を活性化し次世代へ継承するという熱い思いも、講義の端々に感じました。参加者からの質問も相次ぎ、30分以上も時間をオーバーしながらも名残惜しく充実した講義内容でした。


レポート:天野道子(ベジタブル&フルーツマイスター)

農業団体に勤務していますが、青果物の流通には携わった経験がないので只今勉強中です。おいしく楽しく食べるだけだった野菜や果物ですが、その魅力を人に伝えたり、さらには販売にまで関わろうとすると、野菜&果物の世界の奥深さに驚くばかりです。