【東京】ワークショップ トマト
平成20年4月30日 ワークショップ トマト
講師:中村敏樹先生
中村先生はトマト栽培に30年ちかく携わって
いらっしゃるということで、
今日も楽しいお話が沢山聞けそうです。
●トマトの昔と今
昔は仕分けの事を考えて、
トマト部会等で決められた品種しか作ってはいけない等の縛りがあったらしいのですが、
現在トマトは売れ筋の商品であるため、差別化をはかる為に、
多くの品種が作られています。
最近までは一本の木からトマトをなるべく多く収穫することを考えていたのですが、
現在「高級野菜」のイメージもあり、多く収穫することよりも品質重視に
なってきているそうです。
10a(約300坪)で8t~10tのトマトが収穫できるのが通常のトマトだとすると、
フルーツトマトや高糖度トマトは1.5t程だそうです。
●日本のトマトの特徴
世界 のトマトの9割が「赤系」トマトですが、
私たち日本人の食べているほとんどのトマトは「ピンク系」でたったの1割です。
ピンク系トマトは生で食べる習慣のある日本人や韓国人に好まれています。
昭和初期にアメリカから「ポンテローザ」とうトマトが導入されたことから
ピンク系の品種改良が始まりました。
そして昭和58年にタキイ種苗が完熟しても日持ちのする「桃太郎」を発表し、
急速に生産量が増えました。
●トマト栽培
中村先生は「美味しいトマトを作るのは種(=ハード)ではなく、
作り方(=ソフト)です」とおっしゃっています。
同じ「桃太郎」でも、育て方によってフルーツトマトにする生産者もいるのです。
(桃太郎でも現在マーケットの主流となっているもので8種類あります)
トマトの積算温度は1000℃と言われています。
トマトは花が咲いてから、この1000℃に達するまでの時間を長くすると、
おいしいトマトができるそうです。1ヶ月で急速に成長したものより、
3ヶ月かけてじっくりと育てた物の方がおいしいということです。
そのためにはわざと水をあげなかったり,
温度を上げない為にハウスの換気を調節したりするそうです。
積算温度:その植物が生育できる最低温度以上を
有効温度(トマトの場合は8℃以上)として、
その植物が熟すまでの1日の平均気温の積算)
●トマトの旬
露地栽培トマトの旬は確かに7月〜9月だそうです。
しかし日本では商業ベースのトマトでの露地栽培はなく、
ハウス栽培が一般的なのです。
トマトの原産地であるペルーの気候を考えてみますと、
1)標高が高いため太陽の光が非常に強い
2)比較的冷涼で昼と夜の温度差が大きい
3)湿度が低い ということが上げられます。
このため日本では冬場はハウス内で加温栽培され、
冬場は東北や北海道で雨よけ栽培が行われているそうです。
トマトは一年中産地リレーでおいしいものが、
そして多くの種類が手に入りやすくなっているので、
こうなると日本での「トマトの旬」はいつになるのだろう?と分からなくなってしまいます。
私は自分が「おいしい」と思った時期が自分のトマトの旬だと考えています。
1年間常にトマトを食べてみて、その時期を見つけていようと思ってます。
●日本のマーケットは買い手が中心
トマトは、大きい順に、「3L・2L・L・M・S・2S・3S」と7段階の規格に分けられます。
さらに、形状や傷の有無などで、「秀・優・良・外」と4段階に分類されます。
これは外見だけの規格であって、味とは全く関係ありません。
このような規格があるのは、
例えば「Lだけ欲しい」といった、レストランなどの注文に答えるため。
もちろん規格外のものも出来てしまうわけで、
生産者の方は規格を合わせるのに大変な思いをしているのです。
●規格外品「鬼花トマト」
一番最初に咲いた花にできるトマトのことです。
受粉して多くの花を咲かせるので、すごい形をしています。
もちろん規格外のため、スーパーにはならびませんが,直売所では手に入るそうです。
中村先生もおすすめの、とてもおいしいトマトだそうなので、
見つけた時は是非買ってみてください。
●お待ちかねの食べ比べ
今回のトマトは
・マイクロ(直径1センチの極小トマト)
・ブラウンベリー(茶色がかったミニトマト)
・グリーングレープ(生食用緑色のトマト)
・グリーンゼブラ(ゼブラ柄の緑色のトマト)
・ピッコラルージュ
・ピッコラカナリア(オレンジ色のミニトマト)
・シシリアンルージュ(調理用のミニトマト)
・チェリートマト(アメリカ原産のプラムのようなトマト)
・イエローミミ
・アイコ
・フルティカ
・桃太郎、
・アメーラルビンズ
・塩トマト
の14種類です。
グリーンゼブラは完熟すると本当は黄色くなり、おいしくなるそうですが、
やはり食べるととても酸っぱく、トマトとは思えない程硬いので、
主にピクルスやフリッターに使用するトマトです。
ピッコラルージュ、ピッコラカナリアはバランスの良い味でとてもおいしかったです。
カナリアの方は香りも特によかったです。
でもどうしても「オレンジ」という外観で食べるのをためらってしまうのは、
普段いかに目で食べてるかだな、と感じます。
シシリアンルージュは調理用ですが、生でも想像していたよりおいしかったです。
ただ、塾度のせいもあるのでしょうか、皮があまり張ってなくて、
プチトマト独特の皮の弾ける食感が欠けていました。
チェリートマトは名前の通り,味も形も食感もサクランボのようでした。
とくに食感にはびっくりしました。
アメーラルビンズは今回の中で糖度が12度と、一番高かったです。
大きさも親指の指先くらいで、
おいしさがぎゅっと詰まっていて果物のようにおいしかったです。
塩トマトは甘みの中に塩味がして、その相乗効果で甘さが引き立っていました。
トマトに塩をかけて食べるのと同じような感じです。
トマトは野菜の中で数少ない消費の増えている野菜です。
そのため、消費者のニーズも多種多様で、生産者もそれに答えようと、
様々なトマトが出回っています。
是非みなさんもスーパーへ行ったらトマト売り場の前でふと立ち止まり、
どんな種類が置いてあるかチェックしてみてください。
ベジタブル&フルーツマイスター 真田 祥子さん
去年の11月にマイスターを取得しました。
現在カルチャーセンターで「野菜ソムリエ入門」の講師をしています。
初めてのことばかりで、失敗や反省も多いですが、
何事も前向きに考えていきたいと思っています。新しい世界に入って日々勉強です。




