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【仙台】ベジフルツアーin山形~1日目レポート~

美味しい山形アル(ケッ)チァ(‐ノ)!~山形まるごと教えてもら・チャーノ~

2008年6月20日(金)午後2時、北は北海道、南は沖縄から集まった26人の熱い思いを
乗せて、ベジフルツアーのバスは鶴岡駅前を出発。

アル・ケッチァーノの奥田シェフと行く産地訪問
続いてイル・ケッチァーノで奥田シェフの庄内の美味しいお話、
そしてアル・ケッチァーノでの夕食という豪華な内容でした。
(夕食後、福井理事長との交流会という特典もありました。)

■産地訪問
産地訪問の内容は、最終案内での行程表はもちろん、当日になっても、
案内役の工藤さん(協会・スタッフ)、高橋さん(農協観光)にも知らされておらず、
工藤さんによると、
「産地訪問先は、当日の天候で奥田シェフが決められます。同じく夕食も・・ 
ちょっとしたミステリーツアーの気分をお楽しみください。」とのこと。

期待に胸を躍らせながら、アル・ケッチァーノで奥田シェフと合流し
「まずはキュウリへ」と、第一目的地が告げられたのでした・・・。

★外内島(トノジマ)きゅうり
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鶴岡市の外内島地区の在来種で、果実の頭の部分は緑色で苦く、
お尻の部分は白く出甘い。
みそ漬けやピクルスに加工されますが、
果肉のみずみずしさやサクッとした歯ごたえはそのまま楽しめるとのこと。

現在2戸になった外内島きゅうりの栽培農家・上野さんの畑を訪問しました。
「食べてみてください」と上野さんが蔓からもいで手渡してくださったキュウリは
20cmほどの大きさでしたが、1本のキュウリの頭とお尻の部分でこんなに味が違うのを
食べたのは初めて。
この苦さこそは、ベジフルのテキストに出ていたキュウリ苦み成分
ククルビタシンなのか!?などと記憶がよみがえってきました。
キュウリって、もともとこんなに主張のある野菜だったのだなあと感じました。

「昔このあたりでキュウリといえば外内島きゅうりだったが、一般のキュウリに比べて
収穫期間が短く、果実の色が白いために収穫後の変色が目立ち、
作っても採算が取れなくなった。外内島きゅうりの栽培農家は一軒だけになって、
自分もやめてしまおうかと思ったが、奥田シェフが評価して
アル・ケッチァーノの料理に使ったり、テレビなどで庄内の野菜をPRしてくれる
し、やっぱり頑張って作ろうと思う。」と上野さん。

もう一軒の栽培農家にお邪魔し、外内島きゅうりの酢漬けをふるまっていただきましたが、歯ごたえを残して苦みは消え、
姿は素朴ながら洗練された漬物になっていました。
冬が長いこの地域の暮らしが加工品の知恵と技術を高め、それにみあった野菜が
在来種として発達したのかと、食文化の形成と継承の背景までも学ばせていただいた
ように思いました。 Photo_2
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※写真右 漬物をご提供してくださった上野さんです。



★井上農場
次に、奥田シェフが厚い信頼を寄せる生産者の一人、
井上さんが家族で経営する井上農場を訪れました。
井上農場では、無抗生物質の有機肥料を使い農薬もできる限り減らして、
米、トマト、小松菜、枝豆、ジャガイモなどを年間通して栽培しています。

井上さんはかつてこの地域で農協の役員を務めていましたが、
米を農協に出すためには、必要でなくても一定の農薬を使わなければならない。

といった農業の在り方や栽培の方法を変えたいという思いから、
米の栽培から販売までを独自に行うことを決断したとのこと。
自分自身がリスクを負う厳しい環境の中で栽培技術を高めた結果、
米の全国食味コンクールで2年連続特別優秀賞、2006お米日本一優良賞に
選ばれるなど全国的にも高く評価されています。

井上さんは、自然の恵みと人の工夫で、野菜が持つ力を最大限に引き出す栽培を
めざしておられるようでした。

この日ハウスの中まで見学させていただいたのは、アル・ケッチァーノで、
井上さんの「樹熟トマト」と「スーパー小松菜」として紹介されている2つの野菜ハウス。

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トマトの品種は麗夏(大玉)とハニーエンジェル(中玉)ですが、
いずれもシーズンにはまだ早く、
「できるだけ赤くなったのを見つけて、ひとり一個ずつ食べてみてください。」とのこと。

ハウスの中で、非常に真剣に赤いトマトを探し、お言葉に甘えて一個ずついただきました。
トマトトーンなどはもちろん使われておらず、まだ若いながら、味の濃さが印象に残るトマトでした。
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そして、高さ25cmばかり、そろそろ収穫の時期となった小松菜が整然と並ぶ様は、
何となく愛らしい。
汗が噴き出すハウスの中で、井上さんから小松菜の話をお聞きしました。

小松菜はアクガが少なく虫が食べやすいため、小松菜の葉にごく小さな虫食いの穴があるのは無農薬の証。
まったく穴のない小松菜があったとしたら、かなりの農薬を使っているとのこと。
農薬で病害虫を防ぐより、小松菜の体力を強くすることが大事だと考える井上さんは、
有機肥料だけでなく、小松菜に蜂蜜水を散布するのだそうです。
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それほど大切に育てられた小松菜ってどんな味がするんだろうと思っていると、
「そのまま茎を折って食べてみてください。」と井上さんの声。

茎をかんだ途端にみずみずしさがあふれ、インパクトのある辛味が舌の上に広がる。
旨味と、甘味が続き、そして鼻腔に清々しい香りが抜けて行く。
つかの間、汗の滴りを忘れるほどの清冽な味わいでした
(私の稚拙な文筆力で表現しきれないのが残念です)。
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小松菜は“わかみ”という品種。茎のみずみずしさが秀逸なので、
他の品種を作る気にならないのだそうです。
ハウスの外に出ると水の流れる音がして、流れの方に目を向けると、

奥田シェフが「井上農場には、月山の雪解け水が引かれています。」と。

バスの中、奥田シェフが語った
「良い水の流れる土地には良い野菜が育つ」という法則がここにも在るのを感じました。

★ 羽黒丸山牧場

バスの車窓から羽黒丸山牧場を見学しました。
アル・ケッチァーノでの夕食に供された子羊と庄内牛は、この牧場で育てられたものでした・・・。
(↓おいしくいただきました)Photo_6

“庄内牛”とは、登録農場で肥育されたホルスタイン去勢牛のこと。
遺伝子組み換えしていないトウモロコシを主体に大麦や大豆粕を飼料として与えられ、
ホルモン剤の投与抗生物質、抗菌剤の飼料添加を行わない。
霜降りが少なく赤肉主体ながらしっかりした旨みを持つのが特徴です。
バスの車窓から眺めた牧場の風景は、波打つ草原の上に広がる空と、
ゆっくり動いていく雲、草を食む牛たちという、のどかな美しさに満ちたものでした。

ちなみに、奥田シェフの、いわばマスコミへのメジャーデビューとなった「情熱大陸」という
テレビの番組の中で、奥田シェフが羊を追いかけていたのがここ羽黒丸山牧場だそうな。


★羽黒あねちゃの店
Photo_7  Photo_8







“羽黒あねちゃの店”は、羽黒町周辺の農家が作る新鮮野菜を販売する直売所です。
初めて目にする山菜や野菜に興奮を隠せず、時間を忘れて買い物をしてしまいました。
ここで、店頭に出されたばかりの月山筍を発見。
これはおいしいに違いない!

★アル・ケッチァーノの畑
アル・ケッチァーノの畑は小ぶりながら、ナスやズッキーニなどの季節の野菜が
丁寧に世話されていました。
奥田シェフが自らもいで手渡してくださったズッキーニをそのままかじると、
何と甘いこと!!Photo_9










奥田シェフは、毎朝一番に魚屋さんに行ってその日のメニューの構想を立て、
この畑で食べごろの野菜を収穫し、足りないものを直売所で補うというのがPhoto_10
定番のコースなのだそうですことです。
畑の端に立てられた小さな看板には、
この畑を管理している人の名前も記されていました。






■奥田シェフによるアカデミック・レストラン

昨年、アル・ケッチァーノの隣にオープンした隣のイル・ケッチァーノにて
奥田シェフから、庄内平野の気候風土や多彩な食材と関わりなどについて
お話がありました。 25

奥田シェフは、大きな庄内平野の地図を示しながら、
「庄内平野は“食の都庄内”として注目を集めていますが、その背景には、海から鳥海山や月山など2000m級の山々までの距離が日本で最も短く、
また、8月の日照時間が日本一長く、季節の変化が最もはっきりしている。

この地の自然条件があります。多様な海の幸、山の幸に恵まれていることはもちろん人々は、長い歴史の中で自然と寄り添いながら庄内ならではの野菜や果物などを育ててきたのです。 こうした豊かな食文化を活かして庄内を元気にしたいと思っています。」

移動中のバスでの中でも、奥田シェフは絶え間なく自然条件とその地に育つ食材、
その地に暮らす人の食に関する知恵と技についてたくさんのお話をしてくださいました。
その一部を紹介すると、
「良い野菜を探して車を走らせるとき、また、
日本中のいろいろなまちに招かれてその地の食材と向き合うとき、

風の吹き方や湿度、雲、山の姿や草木の緑、川の流れや石の大きさなどを見ます。
良い風が吹いて緑が目に飛び込んでくる土地では良い野菜が育つ。

適度の湿度がある土地の野菜は香が豊かで、
雷雲が発生する場所の果物はおいしい。
地形や気候風土を見ることでその土地の産物の味をイメージすることができます。
その土地の自然条件に合ったものを栽培しているのか、
施設や技術でおいしくなっているのかによって料理の方法も変わってきます
等々・・・。

限られた時間の中でも、語られた事柄は幅広く深いもので、
私自身、ベジフルマイスターの役割(野菜・果物の魅力を発見し伝えること、
生産から食にいたるまでの総合的視点をもって、生産者と生活者の架け橋になること)を
もっと大きな視点から見つめなおし、深く掘り下げて、自分自身の暮らす地域に根差した活動をしていきたいと思いました。


■アル・ケッチァーノでの夕食

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アル・ケッチァーノはこの日、ベジフルツアーの貸し切りとなりました。
6月20日のメニューは次のとおりです。

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ベジフルツアーin山形様 20.6.20<アルケッチァーノ>

○月山筍の生ハム巻きフェンネルの衣のフリット
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○庄内浜の岩ガキと焼いた石鯛
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○ヤギの自家製リコッタチーズと畑のグリーントマト フルーツトマトの冷たいスパゲティ

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(↑これが大人気!!)


○口細ガレイと外内島きゅうり
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○羽黒丸山さんの仔羊と畑のそら豆のストラッチ 焼いたそら豆の葉
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○井上農場の小松菜とサザエのミネラルスープ

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○庄内町のマッシュルームとはえぬきリゾットPhoto_17






○庄内牛のグリルタリアータ 畑の人参葉 Photo_6







○Dolce“モッチェリージェ”モッツァレラチーズの軽いムースとさくらんぼPhoto_18






○タケダワイナリーのワインwine
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アル・ケッチァーノに心ひかれて今回のべジフルツアーに参加した人が多かったが、
私もそのひとり。

お料理はどれも素晴らしいものでしたが、今、何が印象に残っているか?と聞かれたら小松菜のスープと答えます。

井上農場で食べた小松菜のすべての要素が抽出され、
より人の身体に取り入れられやすい形になって凝縮されている。
その液体は、6月の庄内の緑を思わせる美しさ。
おいしいだけでなく、幸せなだけでなく、癒されると同時に鼓舞されるような、
一つの体験といってもよいものでした。

ノンストップで全力投球した1日目が終わりました。
自分が納得できるものを作ることに真摯に取り組む人たちと出会うことができたことが
幸せでした。
お世話になった方々に心からの敬意と感謝を伝えたいと思います。

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加藤寛子  
ベジタブル&フルーツマイスター

面白くて優しい・・・。癒し系のマイスター。

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