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2008年8月

【東京】ワークショップ ブルーベリー

タイトル   : ワークショップ ブルーベリー
活動日時 : 2008年7月30日(火)19:00~21:00
会場       : 協会本部 渋谷第三教室
講師       : 園芸研究家 小池洋男氏

今回のワークショップは

20世紀生まれのフルーツ“ブルーベリー”

講師には、

園芸研究家の小池洋男先生をお迎えしました。

0807301

こんな種類見たことない

なんと、ブルーベリー15種類です





ブルーベリーの品種の多さに驚き!

はじめに驚いたのは、ブルーベリーに実に多くの品種があったということ。
小池先生によると、世界中に200種以上の品種が存在し、
日本にも60~70品種の苗木が入ってきているということでした。
では、ブルーベリーの品種はどのように増えていったのでしょうか。
まず、品種改良の歴史について触れてみたいと思います。

ブルーベリーの品種改良の歴史

ブルーベリー研究の先駆者ともいわれるアメリカ農務省の研究者F.V.Coville博士は、
1906年に野生種の栽培実験を開始しました。最初の4年間で、
ブルーベリーは根毛をもたない根のため、排水性、通気性がよく、
適度の土壌水分を保っている酸性土壌を好むこと、
さらに、結実には受粉が必要で栄養的繁殖(さし木や取り木)が
可能ということを解明しました。
1908年から野生種の選抜を始め、1911年にBrooks×Russellの最初の交配に成功。
1920年に世界初のハイブッシュ品種「Pioneer」、「Cabot」、「Katherine」を発表。
Coville博士は亡くなるまでの35年間に、10万以上の実生を育て、
結実した68,000の交雑実生から15品種が育成、没後もさらに15品種が発表されました。
その後育種研究は国家的規模に展開し、
アメリカ農務省の研究者はもちろん各州の多くの
研究者が関わり発展を遂げました。そして、その関心は世界へと広まったそうです。

ブルーベリーと有機栽培

アメリカ国内のブルーベリーの有機栽培への取り組み面積は、
実に1%以下であるといわれているそうです。
その理由は、深刻な害虫や病害Blueberry maggot(ブルーベリー マゴット)と
Mummy berry(マーミーベリー)の存在のため。アメリカの主栽培地域では、
1906年に栽培化が始まる以前の数千年もの間、野生のブルーベリーが存在し、
特定の害虫や病菌がそれに頼って進化してきたことが原因ということです。
それがなければブルーベリーは、容易に有機栽培できる植物の一つだそうです。
では日本国内ではどうでしょう?この前述した害虫は、
日本国内には棲息していませんが、
代わりにショウジョウバエの発生があるといいます。しかし、ショウジョウバエは、
園地の環境整備、適期収穫、落果の整理などの
耕種的管理を行えば克服できるといいます。
そもそも有機栽培の基準が厳しい国内では、有機栽培にこだわらず、
安全性のアピールを生産者側から行うことを工夫しているということです。

ブルーベリーの熟成特性

ブルーベリーの果実は房状に結実しますが、個々に成熟が異なり、
均一に成熟することはないそうです。未熟果実はピンク色の部位が残り、
熟した果実は全面青色。青くなっても果実に水分が送り込まれ続け35%も肥大するので、
2~3日後の食味が最高になったところを収穫します。ブルーベリーには、
ひと粒に最大で65個の種が入っているそうです。糖度は一般的に12%ほどで、
晴天が続くと15%になることもあるそうです。
ちなみに、収穫後に、後熟することはありません。

ブルーベリーの収穫方法

ブルーベリーは収穫期の見極めがとても難しく、
経験を要するそうです。果実全面が青色になって1から3日ほどが収穫適期。
乾いている状態での収穫がよく、雨中は避けます。
株ごとに成熟した果実のみを5~7日に1回の間隔で収穫します。
その際に、表面についているブルーム(果粉)を擦り落とさないよう、
果実をつぶさないよう、丁寧に扱います。
収穫期の衛生管理にはかなり細かく気を配っているので、
ブルーベリーは洗わずに食べても大丈夫。
手で触る回数が多くなるほど品質が落ちるため、
直接出荷用パックに詰める方式も検討しているようです。
ブルームが落ちていないかどうか、
美味しいブルーベリーを選ぶポイントになりそうですね。

ブルーベリーの品種食べ比べ

ツツジ科(Ericaceae)、スノキ属(Vaccinium)、シアノコカス節(Cyanococcus)に
分類されるブルーベリー。今日は15種類の品種を食べ比べましたが、
いずれも小池先生が長野で栽培されたものを提供してくださいました。
ちなみに日本で一番ブルーベリーが栽培されているのは長野県で、
続いて群馬県、埼玉県、岩手県、青森県の順だそうです。
15種類ものブルーベリーを一度に見るのも食べるのも初めてでした。
見ために大きな違いがないだけに、
混同しないよう容器につけられている品種の名前を
しっかり見ながら食べ比べ、カルテに記入していきました。
同じ品種でも、香りがよく美味しいと感じたものもあれば、
酸味が強く食味がいまいちと感じたものもあり、
収穫したタイミングで味に違いが出ることを実感しました。
以下に食べ比べた品種を紹介します。いずれもハイブッシュ系です。

1:Duke
株が強健で収量が多い品種として人気。やや大きめの粒で、ジャム向きの品種。
2:Sierra
耐凍性に劣るとされていたが強いことが判明。粒はやや大きめで高品質。
3:Blueray
耐寒性、耐暑性とも強い。Bluecropの兄弟品種。
4:Harbert
樹勢、開張性、豊産性とも強い。実がかなり軟らかかった。
5:Dixi
果実は丸みを帯びた偏円形。やや角張っていた。
香りもよく、種の食感がしっかりあった
6:Jersey
果実は明青色、酸味と甘みのバランスがよかった。
7:Blueheaven
果実は大きく、皮がしっかりして、酸味が強かった。
8:E-170
酸味と甘みのバランスがよく、味がしっかりしていた。
9:Bluecrop
樹勢、直立性、豊産性とも強い。アメリカや世界では標準種。
果実は丸みを帯びた偏円形で、口当たりが良かった。
10:Bluechip
完熟果の食味は優れるが完熟前は酸味が強い。
11:Darrow
果形は偏円形で大粒。果皮は柔らかい。
12:Nelson
果実は締まりが良く、輸送性にも富む。酸味と苦味を感じた。
13:Chandler
最大粒品種で、大きいものは500円玉大。皮がしっかりしている。
14:Harrison
果色は暗青色。果肉の締まり、香り共に良い。
15:Star
香りと甘みが優れていて美味しく感じた。

最後は、小池先生の奥様お手製の、ブルーベリーをブレンドしたジャムの登場。
お砂糖を20~25%程度に抑えて作られたそうです。
甘さがちょうどよく、ふんわりと酸味もあって、
ブルーベリーの粒がフレッシュでとても美味しかったです。

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もちろん完全無農薬栽培のジャムです。
デリシャス


 ま と め 

今回のワークショップでは、
他にも枝の剪定(ハイブッシュ種やラビットアイ種)や剪定の代わりに
区画を決めて定期的に枝を焼くこと(ローブッシュ種)、
そして受粉や、ブルーベリーの花や紅葉の紹介、
などなど、内容は盛りだくさんでした。
時間があれば、まだまだブルーベリーについて、
私たちに伝えたいことがおありのようでした。
また、先生が準備された資料も大変参考になりました。
小池先生ありがとうございました、またよろしくお願いします!

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あっという間の2時間
お疲れ様でした








 牛原 琴愛 
(ベジタブル&フルーツマイスター)

2004年にジュニアマイスターを取得し、
働きながら自宅で旬の野菜果物をテーマにしたお料理教室を主宰
2008年にマイスターの資格を取得。
料理すること、食べることが大好きで、野菜ソムリエになりました。
野菜果物については今後もずっと勉強していきたいと思います。

【名古屋】トウモロコシを見つめ直す~食料・飼料・燃料~

日時:2008年8月6日(水)18:30~20:30Photo
講師:藤掛 進先生
場所:協会本部名古屋教室

「トウモロコシ」はまさに今が旬。
最近はバイオエネルギーとしても着目され、別の意味でも注目度が高くなってます。
「ワークショップ」だけではなく、昨今の食糧事情に絡めた壮大なテーマについて開催されました。

まずは、ワークショップです。 Photo_8

今回、食べ比べをしたトウモロコシは、7つ。
・味来(ミライ)
・ピュアホワイト・・・その名の通り、“白色”でした
・ゴールドラッシュ
・サニーショコラ・・・生でも食べれるスイートコーン。
           チョコレート(ショコラ)のように甘いということから
           名付けられたそうです
・ゆめのコーン
・ミエルコーン…“ミエル”というのは、
          フランス語で「はちみつのような甘さ」という意味
・ピーターコーン

Photo_2 Photo_3 Photo_4

Photo_5 Photo_6
番外編として「圧ぺんトウモロコシ(牛の飼料用)」がありました。

食べ比べの後は、藤掛先生からまずはトウモロコシの種類についてのお話がありました。

今、私たちが食している「スイートコーン」という品種は第二次世界大戦後から出回った品種で、現在は「スーパースイートコーン」など進化していて、毎年沢山の品種が出ているそうです。
トウモロコシは「湯を沸かしてから畑に採りに行け」というくらい、鮮度が命の野菜。収穫されると含まれている糖分のデンプン化が始まってしまい、甘味が減ってしまうからです。「朝採りトウモロコシ」は、夜中の1~2時に農家さんが収穫をして、6~7時に農協へ運び出荷されるそうです。それくらい鮮度が重要ということですね。
ちなみに、収穫は「種をまいてから経過した日数」で行われ、1つ1つ実を見ることはしないそうです。

トウモロコシの系統は、黄色、白色、ブッチ(黄色と白色とのミックス)の3つに分かれます。また、国内では、食用の「スイートコーン」と飼料用の「デントコーン」が作られています。
食用の「スイートコーン」は、もちろんのことですが“如何に美味しく食べれるか”をポイントにされて作られています。トウモロコシの美味しさは、「皮の堅さ」と「ジューシーさ」が決め手だそうです。
一方で、飼料用の「デントコーン」は効率・コスト重視で作られるので、食用の1.5~2倍の大きさのトウモロコシが主流だそうです。

そして引き続き、現在起こっている食糧事情についてのお話がありました。Photo_10

今世界で起こっている食糧事情についての問題は、「エネルギー問題」「食料問題」「環境問題」の3つに分けられ、そこにお金や儲けを優先する市場原理主義が働いて、相互に関連・連動・変動しているそうです。特に、トウモロコシを主な穀物としている国はアフリカなどの貧しい国が大半で、この3つの問題が原因でその人たちの食料であるトウモロコシを先進国が奪ってしまっているのが現状です。

1.エネルギー問題(燃料の高騰)
あと50年位でなくなるといわれている「石油」に代わるエネルギー源として、トウモロコシやパーム、サトウキビなどを原料にしたバイオ燃料が注目されています。またグローバル経済の影響も加わり石油の需要が高騰しているのに、供給が追い付かず、また石油の安定供給や代替えエネルギーが確保されないために世界で起こっている問題です。
しかしながら、何十年も前から「石油は無くなる」と言われていますが、未だに石油はなくなってません。本来はエネルギーの使用量を減らすことが重要で、石油の代替えとしてバイオ燃料を使用することは、エネルギーの使用量をスライドしているだけで、本質的な問題ではないという話がありました。

2.食料問題(食料/穀物の高騰)
生産量がほぼ限界に来ているにもかかわらず、人口が増加しています。それにもかかわらず、食用作物としての農地は、燃料用作物の農地として転換されつつあります。(エネルギー源にスライドされてしまっているということ)
それから驚くべきことは、畜産物の生産には多くの穀物が必要ということ。たとえば、牛肉を1kg作るにはトウモロコシは11kgが必要で、トウモロコシを1本300g、平均的な牛を700kgとすると・・・計算しなくても考えるだけで、物凄い量のトウモロコシが必要なのが容易に想像できます。

3.環境問題(バイオエネルギーへの転換)
地球の温暖化による異常気象、ウオータークライシス(深刻な水不足とそれによる水の争奪戦)、塩類集積や砂漠化、生物多様性などの観点から、地球にやさしいと考えられているバイオエネルギーへの転換が進められています。地球温暖化の原因といわれているCO2(二酸化炭素)が排出されないからです。
しかも、トウモロコシは成長の段階で二酸化炭素を排出しますが、二酸化炭素を吸収するので、排出分は排出量にカウントされないそうです。
これらの現状と問題を踏まえて、では私たち個人でできることについてみんなで話し合いました。

Photo_9・廃棄する食料を減らそう。必要なものだけ購入し、余分なものを買わないようにしよう。
・健康という面だけでなく、畜産物を作られるのに使われる穀物のことを考えて、肉を食べる量を減らし、野菜を中心にした食事にしよう
・国内の農地を守るためにも、国産の農産物を購入しよう

などの意見がでました。

今後私たちは、「食料自給率の向上」と「エネルギー転換」をバランス良く行っていかなくてはなりません。そういった中で、生産→販売までを縮めること、どんな形の農産物でも食べようとする「地産地消」の取り組みは大切なことだと思いました。また、もともとの生活の知恵を学び直す「食育」の実践や、余計なものを買わない、など身近にできることから始めていくことが必要だと感じたワークショップでした。

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【レポート作成者】
ベジタブル&フルーツマイスター 佐藤 久美子
野菜・果物が大好きな私は、旦那様のメタボ防止のために勉強を始めたのがきっかけです。 野菜や果物を知れば知るほど魅力にはまり、珍しい野菜をつけるためお店を散策するのが楽しみです。ホテル・レストランを運営する会社で企画職についていますので、今後は資格も活かして、野菜や果物の魅力をプラスした提案ができるように頑張りたいと思います。

【名古屋】野菜・果物の持つ力を薬膳から学ぶ ~夏バテ防止 薬膳のチカラ~

日時:2008年8月1日(金)14:00~16:00
講師:名古屋調理師専門学校 サーヴィス・福祉調理教授
     国際薬膳調理師 鈴木 良武先生
場所:協会本部名古屋教室

Photo_7 春に引き続き、第2回目の薬膳講座です。今回のテーマは、夏真っ盛りの今にピッタリの夏バテ防止です。夏は意外に体が冷えやすい時期という事で、教室のクーラーも弱めの設定。体に優しい環境の中で始まりました。講師は、前回に引き続き、名古屋調理師専門学校の鈴木先生です。癒し系で、疲れた体にも優しく響く話し方が心地よい先生です。

第1回目に参加していない方のために、薬膳の基礎知識からスタートです。
まずは、薬膳とは何でしょう?? の質問。 
中国料理。 
       なんだか体に良さそう。 
       でも味はどうなの? 
       匂いがきつそう・・・ 
       想像できない特別な物が入っている!?
というイメージがありますが、それは料理店の薬膳のお話。一般の方のイメージに合わせた薬膳料理を提供するお店もあるそうですが、私たちがお勉強するのは、『食材の持ってる効能をどう取り合せるか。』という事です。薬膳は、中国の伝統医学に基づいて作られた食事です。と言っても、生薬を取り入れた病気の治療食ではなく、手に入りやすい野菜・果物を効果的に取り入れる事が薬膳の基本です。
そこでベースとなるのが、「陰陽五行哲学」です。哲学・・・何だか難しそうですが、
体の部分や季節、味、色、感情などを5つのタイプ(木・火・土・金・水)に分けて、それぞれが良いバランスを保つ事が大事だという考えが基本になっています。 木・火・土・金・水(“もっかどごんすい”と読みます)は、木が燃えると火になり、燃え尽きると土に帰る。土の中では金(金属)が生まれ、また土から水が湧き出て、木を育てる。という一連の自然の流れから来ているそうです。鈴木先生が木・火・土・金・水について丁寧に説明してくださいました。と、ここで、あることに気付きました! これはまさに、五味五色なのです。
五味とは5つの味・・・酸っぱい(木)、苦い(火)、甘い(土)、辛い(金)、塩からい(水)
五色とは5つの色・・・青(緑の事、木)、赤(火)、黄(土)、白(金)、黒(水)
この五味五色を食事の中に取り入れましょうという考え方は、まさに、陰陽五行哲学に基づいたものだったのですね。食の偏りがバランスを崩し、そこから病気を引き起こすことも考えられますよね。そこで、色々な味や沢山の色を取り入れることで、栄養のバランスが良くなる。これこそが健康への第一歩となる。納得ですね。

Photo_8 では、今回のテーマ『夏バテ』です。
今年の夏も暑いですね。暑いからといってクーラーの効いた場所にいると、体は、汗をかき難い状態になりますが、外出すれば容赦なく太陽が照りつけて暑い・・・結果冷たい物を飲む・・・水分補給はしているけど汗をかかないので、体内に水がたまる。これがむくみの原因なんですね。汗をかくとお化粧が崩れるし、汗臭くなりそうで、女性の敵!と思いがちですが、体にとっては必要な事だったのですね。また、体が冷えると新陳代謝も悪くなるので、お肌にも悪影響です。
そこで、夏の薬膳では、体にこもった熱を冷まし、水分を適度に補給、代謝を良くし、さらにエネルギー補給する事が大切です。そこで鈴木先生が紹介してくださった薬膳レシピは3品です。

①桃のスープ・・・桃とヨーグルトをミキサーにかけて
           軽く塩で味を調整するだけの簡単レシピ。
           でも味は・・・絶品です。
           桃は体を温める食材と考えられています。
           クーラーで冷えた体にも優しい一品です。

②エリンギのグリーンソース・・・オリーブオイルで焼いたエリンギに
                   キュウリとセロリをすりおろした
                   ソースをかけていただきます。
                   キュウリ・セロリは体を冷やす食材です。
                   体にこもった熱を冷ますのに最適です。
                   キレイな緑のソースは他のお料理にも
                   応用できそうですね。

③緑豆春雨入り冬瓜の煮物・・・冬瓜と春雨のスープ。
                    簡単だけど体に染み渡るような
                    深い味わいがあります。
                    冬瓜は夏の薬膳の王様と言われている食材。
                    水分を補給し、体を冷やす働きがあります。

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薬膳というと、何か特別なイメージがありましたが、実はとても身近な存在なんだと実感しました。食べ物が溢れている環境で暮らしていると、ついつい料理をする機会が減るかもしれませんが、今日食べた物が明日の体を作ると言います。更に夏バテ予防にも効果的!となれば、体に優しい食材でゆったりお家ご飯するのが楽しくなりますね。暑いなかでも簡単に作れるレシピを教えていただき、有意義な時間を過ごす事ができました。

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【レポート作成者】
ベジタブル&フルーツマイスター 横山 美紀
野菜・果物を食べると、とても元気になれます。そんな気持ちを伝えられたらステキですよね。
栄養のこと、品種のこと、味、色、健康などなど。野菜は奥が深いので、次々と新しいテーマが沸きあがってきますが、沢山の方に野菜・果物に触れる幸せに気が付いていただけるようなマイスターを目指しています。

【大阪】紀州「南高梅」大研究!!

紀州「南高梅」大研究!!
日時:2008.07.27(日)
講師:垣淵ひろ子先生
   (ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター)

今月は、和歌山県みなべの「梅農家」の垣淵ひろ子さんを講師にお迎えし、多数の出席者の中、盛大に開催されました

Img_2855_2 Img_ 

まず最初のセミナーでは、梅の産地ならではの梅の食べ方や保存方法、梅の効用、梅の食べ合わせ、
梅の歴史まで幅広くお話をしていただきました。
参加者の皆さんも、次々に出てくる梅の魅力にすっかり聞きいってました。Img_2858                                Img_2859_2

続いて、3種類の塩分の違う梅干しの食べ比べをしました

が、どれも酸っぱい~

皆さん梅干し本来の酸っぱさを味わい、日頃いかに甘い食生活を送っているのかを実感しました 

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その後、垣淵先生によるデモンストレーションを行いました。

【梅みそ】と【梅びしお】の作り方を教えていただきました

梅みそや梅びしおを普段の料理に取り入れ、夏の暑さを梅パワーで吹き飛ばそう

次に、お待ちかねの調理実習です。
みなさん、ワイワイ楽しくお料理中です。Img_2876   Img_2875

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完成!美味しそうに盛り付けましょう!Img_2889 Img_2892_2

本日は梅農家ならではの4品の料理を紹介していただきました。
【オクラとモヤシの豚バラ巻きとナスの梅とろろ田楽】

先ほど先生が紹介してくれた、梅みそと梅びしおを使った料理です。

梅の酸っぱさがアクセントになってます
 
【夏野菜の梅ご飯】

梅干をいれてスイッチを押すだけ!簡単に梅ご飯の出来上がり~

【梅チーズ入り枝豆まんじゅう】

梅酒の梅を使ったおいしいデザートです。

垣淵先生イチオシの絶品スイーツです

【梅シロップ入り豆乳ドリンク】

豆乳が苦手な方でも、美味しくいただけるドリンクです

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どれもがたっぷり入って美味しそう

先生から、梅シロップが各テーブルに配られました。Img_2895 Img_2897

その他、梅の種など希望者にはお持ち帰りのプレゼントもありました

☆参加者からのアンケート 抜粋☆

・梅の知識(冷凍させて使う事など)が増え、気軽に作れる調理実習もありとても良かったです。

・先生のお話がとても楽しく、梅に今まで以上に興味が持てました。今後の食生活に梅をどんどん取り入れていきたいです。

などなど、多数のご意見をいただきました。

次回(来年6月頃を予定)は垣淵先生に梅本来の味を生かした【梅干し】の漬け方を伝授していただきます

皆様、お楽しみに~

【東京】「有機農産物を知る」

活動日時 : 2008年7月17日(木) 19:00~21:00
講    師 : NPO・日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)
         株式会社 農水産ID(AAID)  藤井 淳生 先生
会   場 : 協会本部第三教室

「有機野菜」「有機農産物」・・・最近よく耳にします。

その響きには「体によい」「美味しい」「安全」な食品というイメージがあります。

では、果たして本当にそうでしようか?

そして何をもって「有機」
というのでしょう?

また私達は、野菜ソムリエとして、有機をどう捉え、どう人々に伝えるのでしょう?

そんな有機農産物についての疑問、様々な角度からの「有機」について、

その世界を知り尽くした藤井先生が、笑いの交えた熱弁で紐解いてくれました

<有機農産物の定義>

農薬や化学肥料は原則として使用しないこと。
種まきまたは植え付けの時点からさかのぼり2年以上
(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)、
禁止されている農薬や化学肥料を使用していない水田や畑で栽培されていること。
有機農作物の生産者は、以上の要件を満たし、
生産から出荷までの生産工程管理・格付数量等の記録を作成していること。

<有機農産物の歴史>

もともと農業は全て「有機」であった。
20世紀初に科学や化学肥料の発達により、
「清浄野菜」と呼ばれるキレイな野菜が生まれ、生産は増大するが、
公害や環境汚染が問題となる。
1970から80年代に入り、有機農業が見直され、
「産直」・「有機野菜の宅配」などが発達し、表示制度が制定される。

<有機JASと諸外国の意識>

1999年有機JAS規格が様々な有機を統一するために制定される。
当時は様々な認識の「有機」が存在し、有機JAS規格は、市場の混乱を避けるため、
また消費者の選択に資するために制定をされた。
諸外国には、代表的なものとして
Organic(アメリカ)、Bio(ドイツ)、Eco(フランス)という有機がある。
諸外国では「国土・環境の保全」「持続可能な農業」という
「将来の人類のための有機」という意識が強く、
有機農産物の市場も大きい(10%前後)。
しかし日本では、個人・家族へ意識が帰属することにより、
有機市場は小さい(0.2%弱)のが現状である。

<有機栽培・特別栽培・慣行栽培の違い>

・有機栽培・・・定義の通り。次世代に配慮した安全性のある栽培(環境回復)。
・特別栽培・・・栽培期間中、農薬・化学肥料を5割以上減らした栽培(環境保全)。
・慣行栽培・・・農薬取締法・食品衛生法等、法律や基準を遵守した栽培(環境配慮)。
栽培物1品1品については、どの栽培法も安全性は変わらない。
しかしながら有機栽培は、環境全体を配慮した栽培法であり、
次世代の環境までも配慮した高次元な安全性を持っている栽培法である。

<有機JAS・検査のポイント>

有機農産物についての検査(それが確かに有機農産物か?という検査)は、
サンプル調査(農産物をサンプリングして中味を調べる検査)をするのではなく、
生産者へのヒアリングや圃場の実地調査である。
生産者へ適切な管理をしているかのヒアリング、
適切な汚染防止対策を取っているか等の実地調査により、
そこで育った農産物が有機農産物として認められる。

<有機農産物に対する疑問例>

ここでは有機農産物に対する、よくある疑問を挙げる。

●有機食品って「美味しい」?

   結論から言うと、「個人の感覚」である。
   有機栽培は、有機栽培をしやすい品種を選ぶことが多く、
   比較的原種に近い品種が多い。
   そのため味が濃かったり、酸味が強かったり、えぐみがあったりと、
    F1品種のように画一的な食べやすい味ではないことが多い。
   その味を「美味しい」と感じるか、また安心できることで
   「美味しい」と感じるか、「美味しさ」は個人の感覚である。
   但し、有機栽培は非常に手のかかる栽培法なため、
   「作り手の想い」がかなり入る。
   それが生活者に伝わることを生産者は望んでいる。

●有機食品って「安全」?

   一般の生活者が考える「安全」は残留農薬にあると思うが、
    その安全性は、有機栽培も特別栽培も慣行栽培もほぼ変わらない。
    しかも一般に流通している食品の安全性は、法や基準によりかなり高い。
    しかしながら「ゼロリスク」という食品もなく、
    大事なことは「安全性」の根拠を知ることである。
    有機栽培の優位性は「安全性」ではないのである。

●有機って環境に優しい?   

   環境に優しい側面、そうでない側面、両面があり、
    一概に「優しい」とは言えない。
    例えば有機栽培の肥料である堆肥の原料には輸入飼料があり、
    それには外国の窒素入っている。
    そのため、化学肥料を使っても土中の硝酸濃度は上がるが、
    堆肥を使用しても上がるのである。
    しかしながら、有機栽培は化学合成農薬などによる汚染物質の軽減を図り、
    化成肥料による水質・土壌汚染を防ぐなど、
    「環境保全型農業」として次世代への環境へと貢献している。
    今の世代の「環境」だけでなく、次世代の「環境」までも考慮した栽培法である。

<農畜産物の環境/安全性/食育などの指標あれこれ>

日本の「食」を取り巻く環境には、
低い自給率、フードマイレージ、バーチャルウォーター・・・
様々な問題や指標や手法がある。
その中で、藤井先生の希望としては下記を挙げている。

●「利己的」から「利他的」へのシフト
●「仲間」=「世間」から「個人」=「社会」へのシフト
●「環境」の範囲の拡大 「里山」→「地球環境」へ
●「将来」へ残すもの

自分の安全性だけでなく、社会や世界へ広がる安全性、次世代へ引き継ぐ安全性、
ここに「有機」の奥深い意義を定義付けていきたい。

<受講後の感想>

ヘルシーさが売りであるレストランへ行くと、
「有機野菜のグリル」「有機野菜のサラダ」・・・
「有機」を使ったメニューによく出会う。
それに対する私たちのイメージは大方こうではないか。
「有機は美味しい」「有機は体に優しい」
私もずっとそう思っていた。

そして、この講座に参加することにより、
「有機」の真実、「有機」の奥深い意義を知ることができた。

「有機」とは、
単に「美味しい」とか「体に優しい」とか目の前の一元的な要素だけでなく、
世界規模の環境保護という空間的広がり、
ひいては次世代まで続く時間的広がりを見せる
多元的な要素をもって捉えなければならないもののようだ。
さて、ではこの奥深い「有機」の意義を、私たちは野菜ソムリエとして、

一般の生活者へどう伝えていくのか?

これは個人的な意見になるが、
最初のもとい「有機は美味しい」「有機は体に優しい」というわかりやすいイメージを、
広げていってもよいのではないかと思った。
まだまだ世の中には、自分が食べる「食」に興味のない人も多く、
作り手と生活者の間に「温度差」があるのが実情である。
まずは生活者「個人」に「有機」のわかりやすい良いイメージを持ってもらうこと、
それが大事なのではないかと思った。

最後に、私達は「野菜ソムリエ」である以上、
この「有機」についての真実を、きちんと知っておかなければならない。
恥ずかしながら単純に「有機は美味しい」「体に優しい」と思っていた私も、
この講座でやっと真実を知った次第である。
この真実を踏まえたうえで、一般の生活者に「有機」のよいイメージを浸透させる、
わかりやすい「きっかけ」を作る。それが私達「野菜ソムリエ」の役目ではないかと今思う。

講師である藤井先生、
このようなきっかけを下さった協会ご担当の方々に感謝いたします。
ありがとうございました。

プロフィール

趣味が高じて、
ベジタブル&フルーツマイスターの資格を取った会社員です。
家族や会社あってのマイスターであることを忘れずに、
まずは自分の大切な人々のマイスターになることを心がけています。



ベジタブル&フルーツマイスター
ベジフルビューティーセルフアドバイザー
フードコーディネーター

田中由子

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