【東京】ワークショップ ブルーベリー
■タイトル : ワークショップ ブルーベリー
■活動日時 : 2008年7月30日(火)19:00~21:00
■会場 : 協会本部 渋谷第三教室
■講師 : 園芸研究家 小池洋男氏
今回のワークショップは、
20世紀生まれのフルーツ“ブルーベリー”
講師には、
園芸研究家の小池洋男先生をお迎えしました。
ブルーベリーの品種の多さに驚き!![]()
はじめに驚いたのは、ブルーベリーに実に多くの品種があったということ。
小池先生によると、世界中に200種以上の品種が存在し、
日本にも60~70品種の苗木が入ってきているということでした。
では、ブルーベリーの品種はどのように増えていったのでしょうか。
まず、品種改良の歴史について触れてみたいと思います。
ブルーベリーの品種改良の歴史![]()
ブルーベリー研究の先駆者ともいわれるアメリカ農務省の研究者F.V.Coville博士は、
1906年に野生種の栽培実験を開始しました。最初の4年間で、
ブルーベリーは根毛をもたない根のため、排水性、通気性がよく、
適度の土壌水分を保っている酸性土壌を好むこと、
さらに、結実には受粉が必要で栄養的繁殖(さし木や取り木)が
可能ということを解明しました。
1908年から野生種の選抜を始め、1911年にBrooks×Russellの最初の交配に成功。
1920年に世界初のハイブッシュ品種「Pioneer」、「Cabot」、「Katherine」を発表。
Coville博士は亡くなるまでの35年間に、10万以上の実生を育て、
結実した68,000の交雑実生から15品種が育成、没後もさらに15品種が発表されました。
その後育種研究は国家的規模に展開し、
アメリカ農務省の研究者はもちろん各州の多くの
研究者が関わり発展を遂げました。そして、その関心は世界へと広まったそうです。
ブルーベリーと有機栽培![]()
アメリカ国内のブルーベリーの有機栽培への取り組み面積は、
実に1%以下であるといわれているそうです。
その理由は、深刻な害虫や病害Blueberry maggot(ブルーベリー マゴット)と
Mummy berry(マーミーベリー)の存在のため。アメリカの主栽培地域では、
1906年に栽培化が始まる以前の数千年もの間、野生のブルーベリーが存在し、
特定の害虫や病菌がそれに頼って進化してきたことが原因ということです。
それがなければブルーベリーは、容易に有機栽培できる植物の一つだそうです。
では日本国内ではどうでしょう?この前述した害虫は、
日本国内には棲息していませんが、
代わりにショウジョウバエの発生があるといいます。しかし、ショウジョウバエは、
園地の環境整備、適期収穫、落果の整理などの
耕種的管理を行えば克服できるといいます。
そもそも有機栽培の基準が厳しい国内では、有機栽培にこだわらず、
安全性のアピールを生産者側から行うことを工夫しているということです。
ブルーベリーの熟成特性![]()
ブルーベリーの果実は房状に結実しますが、個々に成熟が異なり、
均一に成熟することはないそうです。未熟果実はピンク色の部位が残り、
熟した果実は全面青色。青くなっても果実に水分が送り込まれ続け35%も肥大するので、
2~3日後の食味が最高になったところを収穫します。ブルーベリーには、
ひと粒に最大で65個の種が入っているそうです。糖度は一般的に12%ほどで、
晴天が続くと15%になることもあるそうです。
ちなみに、収穫後に、後熟することはありません。
ブルーベリーの収穫方法![]()
ブルーベリーは収穫期の見極めがとても難しく、
経験を要するそうです。果実全面が青色になって1から3日ほどが収穫適期。
乾いている状態での収穫がよく、雨中は避けます。
株ごとに成熟した果実のみを5~7日に1回の間隔で収穫します。
その際に、表面についているブルーム(果粉)を擦り落とさないよう、
果実をつぶさないよう、丁寧に扱います。
収穫期の衛生管理にはかなり細かく気を配っているので、
ブルーベリーは洗わずに食べても大丈夫。
手で触る回数が多くなるほど品質が落ちるため、
直接出荷用パックに詰める方式も検討しているようです。
ブルームが落ちていないかどうか、
美味しいブルーベリーを選ぶポイントになりそうですね。
ブルーベリーの品種食べ比べ![]()
ツツジ科(Ericaceae)、スノキ属(Vaccinium)、シアノコカス節(Cyanococcus)に
分類されるブルーベリー。今日は15種類の品種を食べ比べましたが、
いずれも小池先生が長野で栽培されたものを提供してくださいました。
ちなみに日本で一番ブルーベリーが栽培されているのは長野県で、
続いて群馬県、埼玉県、岩手県、青森県の順だそうです。
15種類ものブルーベリーを一度に見るのも食べるのも初めてでした。
見ために大きな違いがないだけに、
混同しないよう容器につけられている品種の名前を
しっかり見ながら食べ比べ、カルテに記入していきました。
同じ品種でも、香りがよく美味しいと感じたものもあれば、
酸味が強く食味がいまいちと感じたものもあり、
収穫したタイミングで味に違いが出ることを実感しました。
以下に食べ比べた品種を紹介します。いずれもハイブッシュ系です。
1:Duke
株が強健で収量が多い品種として人気。やや大きめの粒で、ジャム向きの品種。
2:Sierra
耐凍性に劣るとされていたが強いことが判明。粒はやや大きめで高品質。
3:Blueray
耐寒性、耐暑性とも強い。Bluecropの兄弟品種。
4:Harbert
樹勢、開張性、豊産性とも強い。実がかなり軟らかかった。
5:Dixi
果実は丸みを帯びた偏円形。やや角張っていた。
香りもよく、種の食感がしっかりあった
6:Jersey
果実は明青色、酸味と甘みのバランスがよかった。
7:Blueheaven
果実は大きく、皮がしっかりして、酸味が強かった。
8:E-170
酸味と甘みのバランスがよく、味がしっかりしていた。
9:Bluecrop
樹勢、直立性、豊産性とも強い。アメリカや世界では標準種。
果実は丸みを帯びた偏円形で、口当たりが良かった。
10:Bluechip
完熟果の食味は優れるが完熟前は酸味が強い。
11:Darrow
果形は偏円形で大粒。果皮は柔らかい。
12:Nelson
果実は締まりが良く、輸送性にも富む。酸味と苦味を感じた。
13:Chandler
最大粒品種で、大きいものは500円玉大。皮がしっかりしている。
14:Harrison
果色は暗青色。果肉の締まり、香り共に良い。
15:Star
香りと甘みが優れていて美味しく感じた。
最後は、小池先生の奥様お手製の、ブルーベリーをブレンドしたジャムの登場。
お砂糖を20~25%程度に抑えて作られたそうです。
甘さがちょうどよく、ふんわりと酸味もあって、
ブルーベリーの粒がフレッシュでとても美味しかったです。
ま と め ![]()
今回のワークショップでは、
他にも枝の剪定(ハイブッシュ種やラビットアイ種)や剪定の代わりに
区画を決めて定期的に枝を焼くこと(ローブッシュ種)、
そして受粉や、ブルーベリーの花や紅葉の紹介、
などなど、内容は盛りだくさんでした。
時間があれば、まだまだブルーベリーについて、
私たちに伝えたいことがおありのようでした。
また、先生が準備された資料も大変参考になりました。
小池先生ありがとうございました、またよろしくお願いします!
あっという間の2時間![]()
お疲れ様でした![]()
牛原 琴愛 ![]()
(ベジタブル&フルーツマイスター)
2004年にジュニアマイスターを取得し、
働きながら自宅で旬の野菜果物をテーマにしたお料理教室を主宰![]()
2008年にマイスターの資格を取得。
料理すること、食べることが大好きで、野菜ソムリエになりました。
野菜果物については今後もずっと勉強していきたいと思います。





