【ワークショップ 鳥取県のナシ】
日時 : 平成20年9月3日(水) 14:00~16:00
会場 : 協会本部第二教室
秋分の日も近づき、
深い色合いに変化してきた青果売り場からも
本格的な秋の到来が感じられます![]()
今回のテーマも秋の味覚の代表格の一つである『 ナ シ 』。
鳥取県農林総合研究所技術普及室、
農業専門技術員の吉田亮様を講師にお迎えして行われました。
【 鳥取県のナシ―『二十世紀』 】
鳥取県はナシの代表的な産地の一つで、
その栽培面積は全国3位。
その鳥取で最も多く作られている品種が『二十世紀』です。
そして、本来の旬である9月より早い時期にも
本来の品質を発揮できるよう育成された新品種、
それが『なつひめ』と『新甘泉』です!
【 『なつひめ』と『新甘泉』 】
新しい2品種はともに
『筑水』と『おさ二十世紀』の交配から生まれ、
以下のような特徴を持っています。
・ 『なつひめ』…平成19年3月に品種登録された青ナシ。
重さ350g、糖度は12度。
・ 『新甘泉』 …平成20年2月に品種登録された赤ナシ。
重さは400g、糖度は14度。
『二十世紀』の糖度は普通11度くらいということで、
それだけで新品種の甘さが想像できます。
新品種の育成には、なんと約20年もの歳月がかけられたのだそうです!
平成元年に交配作業が始まり、実った果実から取り出した種が2万粒。
そこから病気への耐性や品質、生産者の方々による試作や
消費者の試食による評価を経て誕生したのが2品種。
また、新品種の育成もさることながら、
年間を通したナシ栽培のさまざまな作業についてのお話も伺い、
私たちは本当に豊かな「実り」の部分を頂いているのだと感じました。
【 食べ比べ 】
今回は新品種を含んだなんと9品種が並びます。
①『二十世紀』
②『涼月』
③『なつひめ』
なめらかな表面が特徴的な『涼月』は繊細な食感。
内側から外側まで均一の歯ざわりでした。
そして期待の新星『なつひめ』は、酸味が少なく、
さわやかな甘みが口に残りました。
④『新雪』
⑤『幸水』
⑥『新甘泉』
大玉で保存がきく『新雪』は、貯蔵してあったもののため
水気が少なくざらざらした歯ざわりでした。
そのあと『幸水』を食べてみると、
なじみの品種ながら果汁の多さに改めて気付かされます。
そして『新甘泉』。切った感触はやや固めですが、
食感は非常にジューシーです。
そして何と言っても驚くのはその甘さ!
果物というよりナシの甘みを凝縮させた新しいスイーツのようでもありました。
⑦『長寿』
⑧『赤穂』
⑨『やまなし』
明治時代に「あかっぽ」として親しまれた『赤穂』は渋みがあり、硬い食感。
『やまなし』は宮沢賢治の作品にも登場します。
物語に描かれたのはイワテヤマナシという品種だそうですが、
あの物語の幻想的な雰囲気は他の果物では生まれない、と納得させられる、
リキュールのような甘い香りが印象的でした。
食感はガリガリとしていましたが、味わい深い品種でした。
【 まとめ 】
今回の食べ比べを通して、
新しい品種ほど甘みが強く、また果汁も多いことを感じました。
そこには日本人の果物に対して求めるものの変化が現れていて、
それに沿って新品種が研究されているということを感じます。
こうして様々な品種を手にすることは現状では難しいのですが、
少し意識してみれば私たちの周りには想像以上に個性豊かな果物があるのだと
改めて気づかされたワークショップでした。
果物売り場での選択肢がもっと広がっていくためには、
私たちがそういった個性を積極的に楽しむことが大切なのだと感じました。
吉田先生、本当にありがとうございました。
ベジタブル&フルーツマイスター 加藤祥子
幼い頃から、食卓にはいつも祖母の育てた新鮮な野菜が並んでいました。
それがとても贅沢なことだと気付いたこと、
そして祖母とのつながりを大切にしたいと思ったことが資格取得のきっかけです。
本来私たちの生活に一番密着した食べ物であるはずの野菜や果物。
たくさんの方々がそれぞれの生活の中からその魅力を「再発見」できるよう、
私自身日々勉強、そして楽しむ姿勢を忘れずに活動していきたいです。


