【東京】チーフバイヤーに聞く「量販店の売り場作り」
チーフバイヤーに聞く「量販店の売り場作り」
日時:平成20年9月24日(水) 19:00~21:00
さて、皆様は「量販店」と聞いて何を思い浮かべるだろうか?
広い店舗、
低価格でお買い得、
多品種・多種類の豊富な品ぞろえ、
大量陳列、
目立つディスプレー、
鮮度が高い、
輸入の野菜・果物、などなど。。。
本日は、売上9500億円・200以上
⇒約400店舗の店舗を展開する「西友」のチーフバイヤー氏を講師に招いて、
最近のスーパー事情・環境への取り組みなども絡めた
量販店の売り場作りについての講義である![]()
これは「何が売れるのか?」というバイヤーへのヒントとなる週替わりの秘密情報。
情報の提供によって、販売促進のキッカケを見出そうとするものであるということ。
その情報は、中高年向け総菜販好調、低価格ブランド「コーエン」上陸
、楽しむ育児用品人気など、衣食住の多岐にわたり、
プロの着眼点の広さにはただただ恐れ入るばかりである。
そのなかで紹介された業界注目のキーワード、皆様はいくつご存じでしょう?
・「ひょう太君に決定」 ⇒ひょう害の青森県産リンゴのPR名
・「輸出大国になるか」 ⇒輸出リンゴが中国・タイなどのアジアの
富裕層向けに100億円販売
・「ぶどう商戦様変わり」 ⇒種なし系の大粒ブドウと高価格の品種が台頭してきている
・「ネットスーパー台頭」 ⇒働く主婦がターゲット、午前注文、午後配達。
Ⅱ 「46.1%」
何の数字でしょうか?
西友のマイバック持参率ということです(400店舗、日曜~土曜まで集計)。
西友では、ハチドリ計画という環境キャンペーンを実施しており、
「一人の百歩より、百人の一歩」という理念のもと、
自分に出来ることからやっていきましょうというもの。
ついついタダでレジ袋のもらえるスーパーに行ってしまう自分には、
耳の痛い話(当然、レジ袋は大量に溜まっているだが、なかなか止められない)。
Ⅲ 売り場作りのポイントとは?(ローコストによるチェーンオペレーション)
「売価を安く」「原価を安く」かつ「利益を出せ」という
三重苦にあると言われる量販店、売上げの数量を伸ばす必要があるが、
なかなかたやすくは出来無いもの。そのポイントとは?
① 売るべき商品を明確に配置する。
・ 関東近圏の量販店の青果の売上は、
上位10品目で33%(カットサラダもランク入り)を占めている。
・ 売れ筋商品は月によって変動するので、
売り場作りは月別・週別にフロアマップで指示する。
・ 小売業はモノマネ業であるので、良い展示の店舗の事例を掲載し、
マネをするように指示する。
・ 売り場作りでは、店型別・売上高別に複数パターンでの品揃えの提案が行われるが、
同じような店型(広さ・レイアウト)で展開している企業は提案が行いやすいということ。
② 季節商品の早期展開。
・ 「マツタケ」「母の日」「正月飾り」などの季節商品は、
他店で先に買われたらもう終わり。いつから?どうやっていくのか?がポイントとなる。
・ 立ち上げからピークへ、どうやって売り場を見せていくか?展開が早過ぎると、
その時期の売れ筋商品のスペースを圧迫して、売上を落とすことになるので
注意が必要。
③ 関連商品がくくられている。
・ ダイコンとさんま、お彼岸の御菓子と花などをセットにして陳列する。
④ 選択肢のある商品構成になっている。
・ 300坪規模の店舗では、1品目10~12アイテム、
品揃えと価格帯のバランスで企業の特色が出る。
西友では、高価格帯10~20%、中価格帯30%、低下価格帯50~60%となっている。
・ 量販店は低価格帯の商品だけでは利益が出せなくなってきているため、
中・高価格帯のアイテムのボリュウムUPにシフトしてきている。
かつて、自分も全農主催の「POP甲子園」に協力したことがあるが、
これもJAの店頭ディスプレーの優れた事例を紹介することによって、
JAの店頭展示のレベルを引き上げようというもの。
これも、発想の基本はモノマネによる店舗つくりであったのだろうか。
① センスがいい。ワクワクする。
ちょっといい物、変わった物がある。
楽しいショッピングができる。
② 3名人1博士。
・ 3名人(発注・陳列・接客)、1博士(商品知識)、
昔から小売業はこれが全てと言われている。
・ ローコストオペレーションの展開により、
自動発注・接客担当者削減・マニュアル陳列化が進み、
この原則が揺らいできている。
・ 流通業界は、低価格販売の「ローコストオペレーション」店と
こだわりの「3名人1博士」店に二極化してきている。
Ⅴ 買い物動機(地域・季節によって大きく変動)
① 目的買い(5~10%)、日常買い(60%)、
価格(15%:チラシで来店する客層)、利便性(15%)。
親会社のウオルマートは、日本のチラシ戦略に否定的で、
「特売商品が品切れしたら、買いに来たお客さんに失礼ではないのか」と
いうことだそうです。
ただし、特売がなければ集客出来ないので、
西友では週1回だけはチラシを入れているということです。
日本型の販売スタイルとアメリカ型の販売スタイルの違いを考えさせられるとき、
かつて、別の量販店のバイヤーが「目玉商品を置かない店は潰れる」と
言っていたことが思い出されます。
Ⅵ バスケット調査について(ウオルマートのシステム)
ある商品に何が関連付けられて買われているのかを調査するもの。
「ジャガ・タマ・ニンジン」という言葉にあるように、
玉ねぎにはニンジンとジャガイモと一緒に購入される傾向があることが
データから立証されている。
調査結果は、売り場のレイアウトに反映することが目的であり、
例えばモヤシは炒める食材と関連付けられやすいので、
キャベツ・ニンジン・ニラの隣にレイアウトされることになる。
Ⅶ 質疑応答のなかから
・ 青果の24時間販売は、まだまだ可能性がある分野
(時間ごとの購買層に合わせた在庫を置けば、
青果の在庫がムダにならないように出来る)。
・ 生活者の動向を変えるには、根底から変えなければならない。
まず、不味い給食を変えなければダメ、
子供は、青果は不味いというイメージがついてしまい、加工食品に流れるようになる。
・ 輸入品については、西友では価格帯のバランスはおさえながら
輸入元の一本化等の安全策を取っている(ユーロGAP等)。
今は、中国産の青果は止めている。
・ 日本の自給率は上がらないので、
海外に買い負けないように国力をつける必要がある。
(すでに、バナナで買い負けが起きている。確か、マグロもそうだったはず。)
・ 日本の農産物を世界に売ろうという傾向が強くなっている
(青森産リンゴは97億円輸出している)。
そして、本日のサプライズな出会いは、「むき和ぐり」![]()
「中国産」というネガティブイメージで、甘栗業界は売り上げが50%減
(確かに、自分も中国産の甘栗は買うことを止めておりました)。
そこで!
茨城県産の栗を使用した、起死回生の新商品![]()
先ず、目に飛び込む粒の大きさと重量感に圧倒させられる。
大粒の栗をほおばると、鼻腔に広がる栗の香りと、
ほどよい硬さとしっとりとした滑らかな舌触りが心地良い食感を与えてくれる。
嫌なしつこさのないすっきりとした甘味でいくつでも食べられそう。
10月20日から、イトーヨーカドー⇒西友で独占販売、
価格は中国産の2倍ながら、国産栗の実力を堪能できる一品ですよ。
ベジタブル&フルーツマイスター 片桐 徹 ![]()
化学品会社の農薬部門に18年間勤務。
研究職として農薬の残留分析や代謝分析の経験を持ち、
営業職として北海道・東海・西日本の農業に知見を持つ。
現在は、東京コミュにおいて農薬についてのアドバイスも行う。
料理教室に通いながらレシピ作りを勉強するかたわら、
ベランダ菜園によって都会の野菜作りを実践中![]()




