ワークショップ レタス
日時:12月14日(日)13:00~15:00
講師:藤井康資先生 (ベジタブル&フルーツマイスター)
料理:松浦茂吉さん (フリーランス)
場所:カタログハウス
講師は、種苗会社で野菜の育種のお仕事をされている藤井先生。
種苗会社からの視点も加えられてのレタスの最新情報と徹底研究、そしてスペイン帰りの料理人のレタスをつかった実演&試食があるとのことで、とても楽しみに参加しました
「私と料理人のあやしい関係は。。。」男同士の先生と松浦さん、仲のよい同級生とのことで、笑いもありながらスタートしました。
【レタスの最新情報と料理方法】
レタスと聞くと、夏の長野が思い浮かびますが、なぜワークショッップが12月に行われたのでしょうか?
レタスは、冬になると関西方面でも多くとれ、大阪南部・和歌山・香川・徳島・淡路島・福岡など、冬も暖かい地域を、西南暖地(せいなんだんち)と呼ぶそうです。西南暖地は、冬の野菜の生産が多く(お米の裏作)、レタスも作りやすい時期=農薬の使用回数も少なく、質・量として、とてもいいそうです。
◆講義内容と目標
・レタスについて レタスの基礎知識を知る
・調理実習 レタスの食べ方の再確認
・試食及び展示野菜見学 新しいレタスに触れる
・質疑応答
「情報にふりまわされやすい世の中なので、正しい知識や新しい情報をしっかりと吸収して、周囲に伝えること」の大切さについて話されていました。
◆レタスについて
・レタス キク科 アキノノゲシ属(Lacutuca sativa L)に含まれる野菜類を示す。
・キク科の中でも最も重要な植物。
葉:アーティチョーク、食用菊、春菊、エンダイブ
根:ごぼう、菊芋など
・栄養 ビタミン類(A、B1,C,E)、カルシウムなどを多く含むバランスの良い植物。
近年、乳状成分:ラクチュコピクリン(ポリフェノールの一種)に注目が集まる。
→このラクチュコピクリンは、怒りっぽい人には、安静作用があるとのこと。また、玉ねぎの硫化アリルと合わせると、より効果を発揮し落ち着くそうです。
◆現産地と伝来
・原産地 中近東内陸小アジア、地中海地域、ギリシャ、ローマ時代には広く普及(不結球)
・玉レタスは中世以降にフランス、オランダで改良
・18世紀以降アメリカで急速に品種文化、1910年に以降に栽培が増加=その土地にあった品種ができて、増産するため。
・日本は明治初期にアメリカより導入した玉レタスが現在の主流となる。チシャは奈良時代に中国から導入され、平安時代に「かきチシャ」と呼ばれる。
※オランダは園芸の大国で、現在ヨーロッパの品種改良の中心。パプリカや青果だけでなく品種改良が1番進んでいる。野菜の病気に対する育種が進んでいる。
※日本は、形状、色、保存性は世界の中でも1番の技術で、日本の誇れる所。オランダは、独立した種苗会社は3つくらいだが、日本は70社くらいの中小会社がある。世界は、遺伝子組み換えの野菜を作ることを目的に、薬品メーカーが種苗会社を買収している。(exモンサント)食料危機の今、遺伝子組み換えがキーワードとなっている。日本とヨーロッパは、遺伝子組み換えは拒否しているが、GMO(遺伝子組み換え作物)の特許がきれると使うことになるのではないか。。。
=種苗会社を取り巻く状況が変わっている。→多様性の損失。細かいこと、もうからないことはしない。それがメジャー。
◆世界の主要生産国とタイプ
・中国 :茎レタスが多い
・アメリカ :玉レタス中心、ロメイン(30%)
・ヨーロッパ:サラダ菜、リーフが中心
※(ミニ知識)→シーザーサラダは、日本はリーフを入れますが、本当はロメインレタスを使うそうです!ロメインレタスにシーザーサラダドレッシングをつかって、シーザーサラダというのだそうです。
◆日本におけるレタス生産
・奈良時代からチシャを栽培。玉レタスは明治初期の導入以後、高度成長期に生産拡大。食生活の欧米化でサラダ(生野菜)の需要が増えた。
・冷涼な気候を好む(最適温度20度前後)
長野県(夏穫り)に導入後、冬獲り~春獲り栽培が拡大
・現在では周年での供給が可能(年間生産量51万トン)
・主要産地 春~夏 長野、岩手、群馬など
秋~冬 茨城、福岡、兵庫(淡路島)→品質がいい、香川、静岡など =温暖で農家がこぞって作った。
◆レタスの分類
分類には3つの考え方がある。
1、形状による分類・結球レタス :玉レタス、サラダ菜
・半結球レタス:ロメイン、リーフ系
・不結球レタス:リーフレタス,サンチュ
2、学名による分類・茎レタス(ステムレタス): ver.angustana
・立レタス(ロメイン): ver.ngifolia
・葉レタス(プライズヘッド、チシャ): ver.crispa
・レタス(クリスプヘッド、バターヘッド):ver.capitata
3、系統による分類・玉レタスはアメリカで育成された系統がそのまま利用されていた。
(基幹品種)
・グレートレイスク系:日本のレタス生産における重要な系統のひとつ
・日本の主要な系統(現在) エンパイヤー、マックソイル、カルマー、
バンガード、サリナス。
◆主たる系統の特徴
【春~夏系】
・エンパイヤー:抽苔(ちゅうたい=花芽が咲くこと)が遅く、高温期の栽培に向く。
過湿状態に弱い 夏獲り
・マックソイル:比較的抽苔が遅く、肥沃な土壌に向く。小さい玉になりやすい。 夏獲り
・カルマー :形状の安定性良い葉に光沢あり。緑色が濃い。食味に難あり。
→いいレタスは裏を見る。おしりのみだれはB品、カルマーはB品がでにくい。 春、秋、(冬)獲り
※玉レタス=玉を作り、中には花芽が咲く。花芽を巻くから玉レタス。花芽が伸びるとチシャになる。
【秋~夏系】
・サリナス :肉質良く日本人好みの品質。光沢がなくややくすんだ緑色。
寒い時期には玉が小さくなる。生育遅い。 秋、冬、(春)獲り
→西南暖地は、いち早くサリナスを取り入れた。
・バンガード:寒い時期でも大きくなる。結球の安定性が低い。 冬獲り
◆レタス分類上の注意と問題点
・ 学名上の分類は前述の4種類しかない。
・ 商品名や形状による分類と学名が混在している。
・ 分類が難しい、新しいタイプの品種が登場。
・ 分類を考えた上で名称を使用することが望ましい。
◆ 現在のレタスについて
・ アメリカによる育成系統から日本の独自系統育成へ
・ 日本人の嗜好にあったサリナス系の多様
・ 系統間の交雑育種による中間系の作成。他系統の長所を残しながらサリナス系の品質を求める。
◆レタスの育種
・ レタスは品種の99.9%が湖底種 交配種は1品種のみ
・ レタスの花は自家受粉率が非常に高い 開花時間は約3時間
・ 交配種の育成が困難である。
・ 新しい品種の育成は人口交配後の選抜固定が一般的
※ スライドでレタスの選抜、定植直後からの成長を見ました。
◆今後の品種改良について
・産地の条件による品種選定 青果or加工用
・レタスの特性を生かした品種開発 野生のキク科植物の向上
・需要者の要望の取り入れ 品種、生産性の向上
・用途に応じた専用品種の開発 カット、調理用?
◆最新品種の情報 レタスの展示があり、みなさん興味深く見ていました!
・ バタビア系 赤、濃赤、緑
・ ミニロメイン(秋、冬専用品種)
・ ロメイン(通常品種)
◆レタスの栄養表示
1番定番の結球レタス、他のレタスの栄養は?
ビタミンAのカロテンでは、結球レタスが240ugに対して、サラダ菜2200ug、リーフとサニーレタス2300gu、コスレタスは2000gu。ビタミンE・Gも結球レタスより数値が多く、驚きました。
※スライドで海外の栽培例を見ました。
◆まとめ
・ 日本のレタス生産は今が分岐点である。
・ レタスの栄養価、食べ方を改めて考える必要がある。
・ 新しく出てくるタイプ(品種)にマイスターとして対応する必要がある。
講義の後は、お楽しみのスペイン帰りの料理人・浦安さんのレタス料理の実演です
スペイン料理やスペインのお店のお話や、料理のポイントを教えていただきながら、あっという間にオシャレな料理ができあがりました。「おいしいね!」とみなさん、ニコニコいただきました
メニューは~
1・ロメインレタスとアサリのグリーンソース(シェフによる実演)
軽く蒸し焼きにしたミニロメインレタスが、シャキシャキとおいしかったです。
2・ロメインレタスの温製サラダ カルボナーラ風(シェフによる実演)
さっとゆでた温かいロメインレタスにおいしそうなポーチドエッグがのりました。こちらは、ポーチドエッグの作り方にも、興味津々!お水にたっぷりの塩とお酢を入れて沸騰した中に、卵をいれたらできるんですね。
3・ロメインレタスのウエブォ・アラ・フラメンカ 目玉焼きのフラメンコ風(料理のみ紹介)
オーブンで卵の黄身が半熟になるよう焼きあがると完成。卵をつぶして具材と混ぜ合わしていただきました。パンチのきいたスペイン料理!といった味でフランスパンと一緒に食べると、また一段とおいしかったです。
レシピもいただいて、大満足でした
最新品種の展示のレタスはおみやげということで、私はミニロメインレタスをいただいて、家でさっそく炒めて食べました。
食べるとシャキシャキと歯ごたえと甘みがあって、とてもおいしかったです。栄養的にも玉レタスだけでなく、色々なレタスを食べていきたいと思います。野菜の育種に、日々、取り組んでおられる藤井先生の情熱も感じ、レタスについて深く学ぶことができて勉強になりました。
またの機会を楽しみにしています。ありがとうございました
山岸 直子(ベジタブル&フルーツマイスター)
食育の勉強中です
野菜や果物を中心に、元気の源!食べることの楽しさ・大切さを伝えていきたいです