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【東京】農産物の衛生的な生産管理、GAPを学ぶ

農産物の衛生的な生産管理、GAPを学ぶ
活動日時:2009年3月12日 19:00~21:00
会場:協会本部 渋谷第二教室
講師:株式会社 農水産ID 藤井淳生先生 


1.農業に求められていること

なぜ今求められているか?

私たちが自由に食べ物を選べる時代になりましたが食品事故や食品偽造が後を絶ちません。食品偽装は企業の倫理欠如が原因で、私たちが求められるものは正直、正確な情報です。食品事故に関しては科学的なデーター不足が原因であり、私たちが求められるのは危機管理体制の強化です。

そこでGAP導入の背景には 消費者、流通業からの依頼により、民間主導でスタートしました。現在では、行政も消費者視点の重視と食品規制の強化に基づきGAP導入を推進しています。


2.適正農業規範とはなにか?=農業者の心得

GAP=Good Agriculturel Practice (良い農業のあるべき姿、農業生産工程管理)
生い立ちはEUの大手小売連合が衛生的な農産物を販売するために策定。
生鮮農作物販売業者との取引条件になっています。
場合によっては、100%適合(必須項目30~40項目)しないと取引不可になってしまいます。


現状、日本では民間主導・自治体中心など乱立状態。農水省はガイドラインのみ策定。法律制度にはなっていません。スーパーのイオン・グループは民間認証の形で、日本生協連は二者監査の形で実践中です。
簡単に言うと消費者はどんなことで不安を持ち文句を言うか?また何を期待しているか、消費者購入者の視点に立った農産物=商品を作るよう、農産物の生産を管理してみよう、と言うことです。

内容は、農作物の生産において:病原微生物、残留農薬、汚染物質、異物混入等の食品安全危害を最小限に抑えるためにこれらの危害要因とその対策を示す手引きと実践する取り組みを指す。(ファイナルチェックからプロセスゲートチェック)

先生いわく 「決して難しいことを言っているのではなく、責任ある農業の実践」のあるべき姿であり、今までは実際やっていても記録を残してこなかっただけ、実践しているがマニュアルにしていなかったなどの項目が大半です。「やらされている」と言う意識を捨てて 「自分のためにやっている」と考えましょう。やり始めると以外に簡単です。」
ということで、何枚か写真を例にだし詳しく工程管理について説明してくれました。

例)農薬などはきちんと整理整頓はされていますか?
  農薬を散布するのに周囲への通知はしていますか?
  区分表示は?分別管理は?していますかなど


工程管理とは、農産物の生産を、圃場作り→種まき→肥培管理/農薬使用/除草→収穫→保管→出荷の各段階で、どんなものを入れているか、何を使っているか、どんな汚染が起こるかなど、とくに安全性に係ること、モノを把握すること、工程ごとにクリア条件(管理基準)を作っておいて、クリアしたら次の工程へ進んでもいいようにすることです。
各工程でゲートチェック(自らチェックすることが大切)を受けた農産物=最終商品は、相当程度に安全性が高いものになるハズ、という考え方です。

自主管理できない産地は依存体質から抜け出せませんし、依存体質であれば自ら取引先を開拓できず依存先に左右される。GAPを導入することにより自主管理ができれば自ら責任が取れ、信頼に向かい「儲かる農業」へ第一歩となります。自らどういう農業をするのか目的を立てて見ましょう。

と言うことで、授業を終えて山形からの生産者の方が GAP認証を考えているがどのようにしたら合格するか?などの質問をされていました。

今回授業に参加して食品品質保証は生産現場だけの問題ではなく流通、販売者の連結が必須条件なことを改めて気づきました。生産者の心得がGAPでしたら私たち情報を発信する野菜ソムリエは生活者に青果物に対していろいろな情報振り回されずきちんとした視点で見ていただく知識を身につけていただくよう発信しなければいけないと心に思いました。

ベジタブル&フルーツマイスター 目黒由美

大人から子供たちに食べ物に対して「興味の種」を植えつける活動をしています。
野菜ソムリエとして、植物と友達になるために、只今畑を借りて修行しています。


<< 今回の講座へのQ&A集 >>


Q:先生に質問を1つお聞きしたいのですが
以前他の勉強会でGAPは非マイナス認証なので
例えば小売店でPOPに「このリンゴはGAP認証を取得しています。」
とうたってしまうとGAP認証を取り消されてしまうと
聞いたことがあるのですがそうなのでしょうか?


A:「非マイナス認証」という表現は、あまり適切ではありません。民間主導の国・地域もあれば国家主導のところもあり、導入している国ごと、団体ごとに運用は異なるからです。GAP自体は、「道具」として理解するほうが適切です。道具はGAPとして共通でも、使い方は目的によって異なっているというのが現状です。
ご質問のGAP認証取り消しの件については、EUではそうしている、ということは事実です。そのため、GAP認証を取得しても消費者へのアピールが困難で、メリットがないという指摘もあり、中国やタイなどでは商品への明示を許可しています。

Q:以前、ベトナムで野菜チップスをお土産で購入。
プレゼントしたら友人に「このお菓子はアパレルのGAPが作ったの?」と質問され見てみるとISOの認証とGAPと書いてありました。
これは違反なのでしょうか?お粗末な質問ですがどうぞお答えください。


A:ISOの何番でしたか?GAPについては前述の通りですので、ベトナムではGAP認証取得表示を禁止していないのでしょう。これが国外に持ち出されると、国ごとに表示制度がことなっているために様々な問題が起こりますが、現時点では、EU、USA、日本などではGAP認証=民間なので、取り締まり権限などはありません。「違反」となると、どこに対して違反しているか、が問題です。本来のEUのGAPの運用ルールには、反していることになるので「違反」と言えるでしょう。しかし日本には、そのようなルールはないので(日本のGAP協会のロゴマークの勝手な使用であればその違反とはなるでしょうが)、違反とは言えません。
多くの消費者のみなさんが、表示違反のことを問題視しますが、誰に対して、何に対して違反しているのかを考えることが必要です。ルールや基準というのは、国ごとに異なる、運用団体ごとに異なるものですから、「何の違反か」を考えましょう。商標やロゴなど、その他にも「違反かどうか」考える必要がある項目もありますし。