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2009年4月

【仙台】春はチーズと果物でおもてなし

日 時:2009年3月11日(水) 18:30‐20:00
場 所:協会 仙台教室
講 師:ワイン&チーズサークルchercher主宰/三辻 千絵さん 
   
(社)日本ソムリエ協会認定 ワインアドバイザー
    チーズプロフェッショナル協会認定 チーズプロフェッショナル

チーズのおいしい食べ方、そしておもてなし用のアレンジに興味があり、
参加しました。

○チーズ作りのシナリオ
知っているようで知らなかったチーズ作りの工程。
この工程の中のきり方や熟成の違いでチーズタイプが違ってきます。


○チーズの分類
生乳を乳酸菌や酵素の働きで固めたナチュラルチーズ。
さらにフレッシュ、白カビ、ウォッシュ、シェーブル、青カビ、セミハードの7つタイプに
分けられます。
熟成したナチュラルチーズを粉砕し、乳化剤を加え、加熱溶解乳化し、容器につめ
冷却したのがプロセスチーズ。

○チーズの旬
驚いたのは、チーズにも旬があること。
エサとなる、牧草や羊や牛の出産時期から搾乳時期で決まるそうです。

ヤギの出産時期はちょうど3月中旬なので、熟成期間10日前後とシェーブルチーズは
これからが旬。
山岳地帯の硬質チーズは牛を放牧できる夏から秋が最高とされるそうです。

○チーズの保存
乾燥させないことが重要。乾燥しないよう切り口にアルミをあてラップでくるむと良いそう。
白カビやシェーブルタイプは水分をふき取ってから保存すること。

そして、いよいよ試食タイム。
4種類食べ比べしました。
Img_0435


中央上奥(時計でいう12時の位置)から、プロッチェ⇒さくら⇒ロンド・ド・ラ・ヴァレ・デュ・シェール、
⇒シェロプシャー・ブルー。
奥の小さいなお皿にある先生手作りのトマトジャムを添えて。



わたしのお気に入りはさくら    Photo_5

桜の葉の上で熟成されたので、口の中にふわっと桜の香りが広がりました。
チーズは、食べる30分前から1時間前に冷蔵庫から出すのが良いそう。


○サングリア
市販の安いワインで良いので、オレンジ・リンゴなど季節の果物、シナモンなどを入れ
一晩置く。
バナナを入れる場合には色が悪くなるので、飲む1~2時間前に入れると良いそうです。


○チーズと果物のフィンガーフード
チーズ+(リンゴorせとかorバナナ)+はちみつorトマトジャムをクラッカーにのせてみました。
甘みが凝縮されるレーズンや無花果などのドライフルーツは塩味の強いチーズと相性が
よいとされます。
Img_0451

私の一押しは、ゴルゴンゾーラ+バナナ+はちみつ。
意外な組合せだったチーズの塩分とバナナの甘さ。食感とはちみちが良かったです。

今はネットや、チーズ専門店や売り場でいろいろな種類を見かけます。
他にも色々な果物や野菜を組合せて、これからの季節ホームパーティを楽しみたいです。

レポート作成者
ベジタブル&フルーツマイスター 渡辺 真紀

【仙台】薬膳的食養生~花粉症対策のお料理にチャレンジ~ 

時:2009年3月23日(月) 10:00~13:00
場 所:仙台福祉プラザ 
講 師:国際薬膳食育師 堀 桃さん(ジュニアマイスター/堀 敦子さん) 

薬膳 ~医食同源~
『心身一如』。心と体のバランスを整えることをコンセプトにつくる。
食べたいものを我慢してストレスをためるよりも体に良いものを、旬の食材で食べることによって心身のバランスを整える。
バランスが整うことにより新陳代謝を良くし、アンチエイジング&スマートエイジングの
体をつくる。

・よく噛んで食べる⇒唾液分泌による老化防止、さびない体をつくる
・ゆっくり食べる⇒消化吸収の促進
・楽しみながら⇒五感が研ぎ澄まされ、心身のバランスがとれる

本日のテーマ:「花粉症」対策
・花粉症に効果のある食べ物(気、血、水の巡りをよくする)
山芋、じゃがいも、蕪、白菜、レンコン、ネギ、生姜、玉ねぎ、もやし、キャベツ
キノコ類、玄米、雑穀、豆類、はとむき、かんきつ類、ごま、せり、セロリ

・注意して食べるもの
季節に応じて、生野菜、冷たい飲み物、カニ、うに、いくら

・是非、控えたい食べ物(心身のバランスを崩すもの)
スナック菓子、インスタント食品、化学調味料


先生が用意してくださった、
花粉症の寒タイプ、熱タイプ別チェックを行い
それぞれの養生法についてアドバイスを頂いた。

で、早速お待ちかねの調理スタート
Photo




≪本日のメニュー ≫
Photo_2



●春のペテンダック風(写真左うえ)
もちきびを北京ダックに見立てて、レタスにまき梅ドレッシングでいただきます。
ポイント:もちきびで抗酸化作用。口渇、力のない咳、しゃっくり


●滋養豆腐ステーキ(写真右下)
ポイント:長芋で胃腸を丈夫にし、吸収力を高め体力をつける。むくみやだるさ、眠気、慢性の咳

●目力お浸し(写真手前)
ポイント:春菊で解毒、高血圧、のぼせ。


●雑穀柳川(写真の右側)Photo_3
ポイント:黒きくらげで滋養、気力増強。下痢、貧血、なみだ目。
     ゴボウで解毒、アルギニン成分で活力アップ
    


●雑穀ごはん、味噌汁
●根菜豆乳甘酒オーレ
ホット甘酒を豆乳でわり、ヤーコンとさつまいもをいれたデザート。ナツメ添え
ポイント:ナツメが花粉症に効果あり。

実際に試食しました。Photo_4
旬の野菜を中心に取り入れ、とてもシンプルなレシピでした。
「もちきび」の美味しさに、皆さん驚いたご様子。

【東京】「食品工場の衛生のはなし/衛生管理の実態と課題」

「食品工場の衛生のはなし/衛生管理の実態と課題」
日時:2009年2月12日(水)13:00~15:00
会場:協会本部 渋谷第三教室
講師:株式会社 農水産ID 藤井淳生先生


食品を購入する際、食の安心安全が得られる時代ではありません。講義内容とともに、私達野菜ソムリエに必要なことをお伝えします。

『はじめに3つの大切なワードを。』
Food Safety:質の安全である食品安全。
Food Security:量の保障である食料保障。
Food Defense:食品防御 *グリコ森永事件やギョーザ事件など意図的な食品事故を防御。
今回は、『Food Safety:食品の安全』がテーマに藤井先生の講義がスタート。 

『食品の噂に惑わされない』
原料→加工→製造を経て私たちは食品を購入。
ここで大切な『加工』と『製造』の違い。

加工:原料に手を加えたもの。
製造:複数の原料を混ぜて新しい食品を作ること。


製造では、原料の原形の想像がつかないため、噂が発生。 私達は、原料の適正な価格を知ることが大切。知識、情報を得ることで、噂に惑わされない。

『食品のリスク』
私たちの食品や食事に潜む3つのリスク。
ハザードとリスクの違いを理解すること。ハザードは汚染、危害の原因。リスクは、それが許容限界を超える確率のこと。したがって、ハザードは管理できるがリスクは管理が困難。

生物的リスク(病原性微生物、ウィルス、アレルギー、 遺伝子組み換えなど)
化学的リスク(食品添加物、洗剤/施設使用薬剤、残留農薬/油脂酸化物など)
物理的リスク(骨/獣毛/殻/繊維/ 金属片、紙、毛髪)


『生物的リスク』による健康被害の事故は表面に出ることが少ない。ただし、発生すると重篤、重大な健康被害が生じる恐れがある。 私達は、病原性微生物とウィルスの違い、予防法などプロの知識を身につけること。
遺伝子組換えについては、本当に健康被害があるのか、よく考えることが必要。
こうした新技術には、プラスの側面とマイナスの側面が必ずあることを理解すること。

『食品工場の衛生管理の現状』

食品工場の衛生面では、『物理的リスク』が重要なテーマとなることが多い。理由は、物理的ハザードは健康被害よりも心理的被害が大きい(=印象、心象が悪い)ため。

食品工場では、
5S活動①整理②整頓③清掃④清潔⑤習慣
を徹底し、物理的ハザードを管理。

『原材料購入→保管/保存→下処理→加工/製造→保管/保存→出荷』

この食品工場での行程・工程管理において、残留・異物混入の原因・温度管理など徹底。 従業員に対し衛生面の教育も実施。事故が発生しない工場や施設の設計。現在ある食品工場をレイアウト変更し工事するだけでも、利益率にあわない高額な工事費で限界に達している。 

『管理レベル/対象別の基準を理解する』
食品の安全性は品質の一部として位置づけられます。したがって、安全性を向上させることは、品質を向上させることに他なりません。安全性向上、品質向上活動を行っていることを示す審査基準には、以下のような違いがあります。

HACCP:食品製造業/事故品の出荷防止
SQF2000:食品加工・製造業/食品安全性の向上・ハザード低減→リスク低減/情報提供
ISO9000:産業全般/品質の向上
ISO14001:産業全般/廃棄物・利用エネルギーの低減
ISO22000:食品産業・関連事業全般/食品安全性の向上・商品設計から工程管理、管理状況の見直し、情報提供など。 

『これからの食品衛生』
今後の衛生管理は、WHOガイドラインによる食品衛生の基本から、Codexによる衛生管理プログラムを実行していることが前提となる。Food Safetyの確立、Food Defenseの導入、消費者の連携が課題。特にFood Defenseの導入では、人の命の大切さを改めて認識するモラル教育が欠かせない。また、いたずら防止措置の施された包材などの技術開発もテーマとなる。消費者の連携では、メディアが意図するメディアテラシーの教育。私たちは、科学的根拠に基づくデーターも自分なりに理解。情報の発信源が何を意図しているか、何を目的としているか、どこが得をし、どこが損をするかを考え、しっかり理解しないと情報に振り回されることになる。         

『講義の感想』
藤井先生の講義の印象的な言葉。『ゼロリスクは無理』『自己の判断力を高める』

自己防衛し疑うころは、哀しいことです。しかし、ゼロリスクを求める前に、リスクのない食品を判断できる能力をアップすることが大切です。噂に踊らされず国民一人一人が、プロコンシューマーに!と自覚を持つことで、食の安全は変わっていくのではないか?と私は講義を受けて思いました。それらを伝えることも野菜ソムリエの使命と感じた有意義な講義でした。

ベジタブル&フルーツマイスター:田口志麻
『エコでおいしい野菜果物講座』主催。野菜果物・環境の分野の執筆。オリジナルレシピの提供。レシピは、アレルギーの人も食べられるような、心と体と地球に優しいベジタリアンフードを考案。東京都下水道局主催『ダイエットレシピコンテスト』にて入賞。 今年から精進料理を学んでいます。野菜果物不足な若者たちに、ファッションのように、野菜果物に興味をもち楽しんでもらえるように奮闘中。

【名古屋】野菜ソムリエ的 カンキツ攻略法

●日時 2009年3月27日(金)13:00~15:00
●場所 協会本部名古屋教室
●講師 田中稔先生(ベジフルクッカリー講師)


【1.柑橘類の食べ比べ】
・でこぽん・・・きよみ×ぽんかん。甘味は充分だが、やや皮が口に残る。
・清見タンゴール・・・甘くて食べやすい
・タロッコ・・・ブラッド系で色も味も濃厚。甘酸のバランスがよい。
・夏みかん・・・他の柑橘に比べると酸っぱめだが、昔のものほど酸っぱくない。
・日向夏・・・白い皮ごと食べる。やや酸っぱい。
・せとか・・・甘みが強く美味しい。
・きんかん・・・外側の皮は甘いが、中身は種があり酸っぱい。
・はっさく・・・あっさりした甘さと酸っぱさ。
・レモン(国産)・・・色は鮮やかなオレンジ色で、酸味は強いがそこが美味しい。

食べ比べをした中で、人気があったのはせとかやタロッコでした。
逆に、不人気だったのは、きんかんと夏みかんでした。
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【2.柑橘レシピの試食】

Cimg8818 1.夏みかんとエビの和え物
夏みかんと胡麻の効いたドレッシングで、キュウリと茹でたエビと春雨とを和えた物。
(作り方のコツ)
・エビは酒と塩を入れたお湯に入れ、沸騰したら余熱で火を通します。
・キュウリは1カップの水に小さじ1の塩を入れた塩水につけます。 
・春雨は、茹でても歯応え良く仕上げる為、緑豆を使います。

(試食の感想)
・新鮮な車えびを使用して頂いたので、エビがプリプリでした。
・春雨が調味料を吸って美味しかったです。


Cimg88162.柑橘と人参のサラダ
細切りにした人参を、オレンジとレモンのドレッシングで和えた物。

(作り方のコツ)
・レモンは火であぶるか、手で揉んでおくと果汁が絞りやすいです。
人参は2~3枚切ったら、切った面を下にして縦に薄く切ってから、マッチ棒ほどの太さ
に切ります。(実習ではもっと細く切ってあったので、味がよく絡んでいました)

(試食の感想)
・人参とオレンジの相性抜群の一品。ビタミンパワーで肌が綺麗になりそうです。
・人参の千切りがちょっと大変かもしれません。


Cimg8815 3.揚げ魚の柑橘ソース
から揚げにした魚を、香味野菜と柑橘ソースに漬け込んだもの。

(作り方のコツ)
・今回使った魚は、サゴシ。白身魚なら何でもよいそうです。
・柑橘は酸味の強いものを使います。今回は日向夏を使用しました。

(試食の感想)
・日向夏の白い皮の部分に、柑橘ソースがよく染みていて美味しかったです。
・さっぱりとしていて、これからの季節に良さそうです。


Cimg8825 4.グレープフルーツとオレンジのジュレ
グレープフルーツとオレンジのゼリー。

(作り方のコツ)
・グレープフルーツは加熱すると一粒ずつばらばらになる性質があります。
・水の中にゼラチンを振り入れます。(ゼラチンの中に水を入れると、ゼラチンが溶けにくいので)

(試食の感想)
・とても柔らかいジュレで、甘さも程よく、美味しかったです。
・固さはゼラチンの量で、好みで調節出来ます。




【3.撮影の盛り付け】

(ア)味噌汁、鍋物、スープなど・・・底にネットを置いて、具材が上のほうに見えるようにする。
(イ)刺身、切り身・・・2切れ・5切れ・7切れづつ盛る。
(ウ)透明なスープの場合・・・寒天で固めたり、砂糖を入れると具が浮き上がってくる。
(エ)焼き魚・・・和食の場合皮を上にし、つまや大根おろしなどの添え物は右下に置く。
(オ)ムニエル・・・洋食の場合は皮を下にして置く。(ナイフとフォークで食べる為)
(カ)素麺・・・一把を三つほどにわけて、片方の端を糸で縛り、茹でてから糸の部分を切り落とす。手前に折るように流れるように置く。
(キ)黒・白・黄・緑・赤の五色を揃えるようにする。
(ク)慣れないうちは、器を選ぶ・・・糸底があって、汁気が流れないもの。
(ケ)五点盛り・・・真ん中に高いもの、色の濃いものを置く。



【4.感想】
実のところ、柑橘類は果物の中でも酸っぱい気がして、ちょっと苦手でした。
でも今回色々なレシピを習ったり、食べ比べたりしてみると、それが全く偏見だったことに気がつきました。どれも皆美味しくて、田中先生に感謝です。




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レポート作成者
ベジタブル&フルーツマイスター 諏田 恭子

以前病気を患ったことから、自分と家族の健康のために奮闘する毎日です。
腎臓病対策、メタボ対策、高血圧対策、高齢者向けの食事を勉強中。

【東京】農産物の衛生的な生産管理、GAPを学ぶ

農産物の衛生的な生産管理、GAPを学ぶ
活動日時:2009年3月12日 19:00~21:00
会場:協会本部 渋谷第二教室
講師:株式会社 農水産ID 藤井淳生先生 


1.農業に求められていること

なぜ今求められているか?

私たちが自由に食べ物を選べる時代になりましたが食品事故や食品偽造が後を絶ちません。食品偽装は企業の倫理欠如が原因で、私たちが求められるものは正直、正確な情報です。食品事故に関しては科学的なデーター不足が原因であり、私たちが求められるのは危機管理体制の強化です。

そこでGAP導入の背景には 消費者、流通業からの依頼により、民間主導でスタートしました。現在では、行政も消費者視点の重視と食品規制の強化に基づきGAP導入を推進しています。


2.適正農業規範とはなにか?=農業者の心得

GAP=Good Agriculturel Practice (良い農業のあるべき姿、農業生産工程管理)
生い立ちはEUの大手小売連合が衛生的な農産物を販売するために策定。
生鮮農作物販売業者との取引条件になっています。
場合によっては、100%適合(必須項目30~40項目)しないと取引不可になってしまいます。


現状、日本では民間主導・自治体中心など乱立状態。農水省はガイドラインのみ策定。法律制度にはなっていません。スーパーのイオン・グループは民間認証の形で、日本生協連は二者監査の形で実践中です。
簡単に言うと消費者はどんなことで不安を持ち文句を言うか?また何を期待しているか、消費者購入者の視点に立った農産物=商品を作るよう、農産物の生産を管理してみよう、と言うことです。

内容は、農作物の生産において:病原微生物、残留農薬、汚染物質、異物混入等の食品安全危害を最小限に抑えるためにこれらの危害要因とその対策を示す手引きと実践する取り組みを指す。(ファイナルチェックからプロセスゲートチェック)

先生いわく 「決して難しいことを言っているのではなく、責任ある農業の実践」のあるべき姿であり、今までは実際やっていても記録を残してこなかっただけ、実践しているがマニュアルにしていなかったなどの項目が大半です。「やらされている」と言う意識を捨てて 「自分のためにやっている」と考えましょう。やり始めると以外に簡単です。」
ということで、何枚か写真を例にだし詳しく工程管理について説明してくれました。

例)農薬などはきちんと整理整頓はされていますか?
  農薬を散布するのに周囲への通知はしていますか?
  区分表示は?分別管理は?していますかなど


工程管理とは、農産物の生産を、圃場作り→種まき→肥培管理/農薬使用/除草→収穫→保管→出荷の各段階で、どんなものを入れているか、何を使っているか、どんな汚染が起こるかなど、とくに安全性に係ること、モノを把握すること、工程ごとにクリア条件(管理基準)を作っておいて、クリアしたら次の工程へ進んでもいいようにすることです。
各工程でゲートチェック(自らチェックすることが大切)を受けた農産物=最終商品は、相当程度に安全性が高いものになるハズ、という考え方です。

自主管理できない産地は依存体質から抜け出せませんし、依存体質であれば自ら取引先を開拓できず依存先に左右される。GAPを導入することにより自主管理ができれば自ら責任が取れ、信頼に向かい「儲かる農業」へ第一歩となります。自らどういう農業をするのか目的を立てて見ましょう。

と言うことで、授業を終えて山形からの生産者の方が GAP認証を考えているがどのようにしたら合格するか?などの質問をされていました。

今回授業に参加して食品品質保証は生産現場だけの問題ではなく流通、販売者の連結が必須条件なことを改めて気づきました。生産者の心得がGAPでしたら私たち情報を発信する野菜ソムリエは生活者に青果物に対していろいろな情報振り回されずきちんとした視点で見ていただく知識を身につけていただくよう発信しなければいけないと心に思いました。

ベジタブル&フルーツマイスター 目黒由美

大人から子供たちに食べ物に対して「興味の種」を植えつける活動をしています。
野菜ソムリエとして、植物と友達になるために、只今畑を借りて修行しています。


<< 今回の講座へのQ&A集 >>


Q:先生に質問を1つお聞きしたいのですが
以前他の勉強会でGAPは非マイナス認証なので
例えば小売店でPOPに「このリンゴはGAP認証を取得しています。」
とうたってしまうとGAP認証を取り消されてしまうと
聞いたことがあるのですがそうなのでしょうか?


A:「非マイナス認証」という表現は、あまり適切ではありません。民間主導の国・地域もあれば国家主導のところもあり、導入している国ごと、団体ごとに運用は異なるからです。GAP自体は、「道具」として理解するほうが適切です。道具はGAPとして共通でも、使い方は目的によって異なっているというのが現状です。
ご質問のGAP認証取り消しの件については、EUではそうしている、ということは事実です。そのため、GAP認証を取得しても消費者へのアピールが困難で、メリットがないという指摘もあり、中国やタイなどでは商品への明示を許可しています。

Q:以前、ベトナムで野菜チップスをお土産で購入。
プレゼントしたら友人に「このお菓子はアパレルのGAPが作ったの?」と質問され見てみるとISOの認証とGAPと書いてありました。
これは違反なのでしょうか?お粗末な質問ですがどうぞお答えください。


A:ISOの何番でしたか?GAPについては前述の通りですので、ベトナムではGAP認証取得表示を禁止していないのでしょう。これが国外に持ち出されると、国ごとに表示制度がことなっているために様々な問題が起こりますが、現時点では、EU、USA、日本などではGAP認証=民間なので、取り締まり権限などはありません。「違反」となると、どこに対して違反しているか、が問題です。本来のEUのGAPの運用ルールには、反していることになるので「違反」と言えるでしょう。しかし日本には、そのようなルールはないので(日本のGAP協会のロゴマークの勝手な使用であればその違反とはなるでしょうが)、違反とは言えません。
多くの消費者のみなさんが、表示違反のことを問題視しますが、誰に対して、何に対して違反しているのかを考えることが必要です。ルールや基準というのは、国ごとに異なる、運用団体ごとに異なるものですから、「何の違反か」を考えましょう。商標やロゴなど、その他にも「違反かどうか」考える必要がある項目もありますし。

【東京】農薬の毒性について

農薬の毒性について
日 時:平成21年1月19日(土) 13:00~15:00
講 師:株式会社 農水産ID 藤井淳生先生

会 場:協会本部渋谷第二教室

藤井淳生先生による、『12ヶ月講座』第3回。今日のテーマは、農薬の毒性です。
藤井先生は、有機JASや生産情報公表JASの認定機関に所属し、食品工場へ立ち入り衛生管理の仕事だけでなく、農業も営んでいます。農薬を使用する立場と農薬の管理・使用状況を評価する立場にある先生は、農薬をどのように考えていらっしゃるのでしょうか?

お話は、農薬を含む化学物質が国によってどう管理されているかから始まり、農薬の安全性の審査、農薬の残留基準の設定方法、毒性の考え方、農薬の功罪と続いていきました。

まず、人の健康や生態系に有害なおそれがある化学物質を管理する法律についての説明です。

【化学物質審査規制法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)】
化学物質による環境汚染を防止するため、新規の化学物質の製造・輸入に際し事前審査制度を設けるとともに、化学物質の製造・輸入・使用等について必要な規制を行うのが目的。
食用油にポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入したことにより、皮膚病・肝硬変などの健康被害を受けた認定患者が約2万人も発生した「カネミ油症事件」を契機に、昭和48(1973)年に制定。


【化学物質排出把握管理促進法】

事業者による特定化学物質の自主的な管理を促進し、環境保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律。PRTR制度とMSDS制度が柱。

≪PRTR制度 : Pollutant Release and Transfer Resister (環境汚染物質排出移動登録)≫
事業者は、特定化学物質の排出量・移動量を把握し、データを国へ届け出る。国はデータを集計して公表する。また、国民からの個別事業者別のデータの開示請求にも応じる。これにより、事業者自身は化学物質管理の評価・改善が行え、国民は事業者の化学物質管理状況への理解を深めることが期待される。

≪MSDS制度 : Material Safety Data Sheet (化学物質等安全データシート)≫
対象化学物質またはそれを含有する製品を他の事業者に譲渡・提供する際には、その化学物質の性状・取扱に関する情報(MSDS)を事前に提供することを義務づける制度。これにより、事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するのが目的。

続いて、農薬の管理・監視体制についての説明です。


【農薬取締法】
農薬について登録制度を設け、販売・使用の規制などを行う。これにより、農薬の品質適正化と安全かつ適正な使用の確保を図り、農業生産の安定と国民の健康を保護するとともに、国民の生活環境の保全に寄与することが目的。農薬の定義や登録に関する手順、農薬の製造・販売・輸入者の義務、農薬の使用者の責務について定めています。

農薬を登録申請時に提出が必要な毒性等の試験成績は、毒性試験(ex.発ガン性、催奇形性)だけでなく、動植物の体内でどのように代謝されるか、土壌・水中でどのように分解されるか、環境への影響、そして、農作物や土壌にどの程度残留するかなども審査されます。審査により安全性が確認され、登録された農薬のみ製造・輸入・販売・使用できます。

【農薬取締法に基づく農薬の定義】
農薬には、化学物質だけでなく、植物によって生成される植物ホルモン、生物などもあります。

▼ 農作物を害する動植物・ウィルスの防除に使用する薬剤(ex.殺虫剤・除草剤・殺菌剤)
▼ 農作物の生理機能の増進・抑制に使用される薬剤(ex.植物成長調整剤)
    ⇒ ex. 種なしブドウ栽培に利用されるジベレリンという植物ホルモン。
▼ 病害虫防除目的で使用される天敵・微生物も農薬とみなす。生物農薬とも言われる。
    ⇒ ex. 天敵…チリカブリダニ(ハダニ類の卵を捕食)
         微生物剤…BT剤(害虫に寄生する細菌。BT:Bacillus thuringiensisの略)


【農薬の残留基準の決め方】
1.動物実験で、無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)を求める。
⇒無毒性量は、毒性試験においても何ら有害作用が認められなかった最大の暴露量。
法定された全ての毒性試験でNOAELを求め、その中の最小値をADI設定のための
NOAELにします。

2. 上記の無毒性量を安全係数(SF:Safety Factor)で割って、ADIを求める。

            ADI=NOAEL÷SF

⇒安全係数
 動物実験で求められた無毒性量から、ヒトのADIを求める際に使用する係数。
 動物とヒトとの種差、ヒトとヒトの個体差(性別・年齢・健康状態etc.)を考慮。
 通常、種差を10、個体差を10として、それらを掛け合わせた100を基本とする。

⇒ADI(Acceptable Daily Intake:1日摂取許容量)
 食品中に含まれる農薬を、ヒトが一生涯にわたり毎日摂取し続けても健康に
 害を及ぼさないと推定される、1日あたりの許容量。体重1kgあたりの物質量
 (mg/kg/day)で表わされる。食品安全委員会で決定。


3. 農薬残留基準の設定

⇒1日あたりの国民平均農産物摂取量の中に含まれる残留農薬を推定し、その合計がADIの80%を超えない範囲(食品だけでなく空気や水からも農薬が体内に取り込まれる可能性があるため)で、厚生労働省が基準を設定。
幼少児・妊婦・高齢者では食べ物の量や内容が異なるので、この点も考慮。また、農作物によって、摂取量や栽培に必要な農薬量が異なるので、農作物ごとに基準が設定されます。


4.農薬使用基準の設定

農薬残留基準に基づいて、農林水産省が農薬使用基準を決める。
   (ex.適用作物、使用量、濃度、使用時期、総使用回数etc.)

農薬の残留基準は、農薬使用基準を守り適切に使用していれば、残留基準を超えないというレベルに設定されています。それにより、毎日の食事を通じて摂取する農薬の量がADIを超えないようにできるわけです。

加工食品の残留基準値は、製造するために使用された農作物の量に基づいて計算された基準値により判断します。同種の商品でも原材料の比率・調理法が異なるため、加工食品に個別の基準値を設定するのは困難だからです。


【農薬の毒性】
農薬のリスクを考える際には、毒性の質と量を考える必要があります。

         リスク     =  毒性の強さ × 暴露量
       (危険性の程度)      (「質」)     (「量」)


毒性の強いものでも暴露量が少なければ無害になる可能性もあるし、毒性の弱いものでも暴露量が多ければ有害になるおそれがあります。農薬のリスクの適切な管理をするためには、「質」と「量」を勘案して評価する必要があります。

また、全ての物質は、摂りすぎれば有害になります。例えば、食塩のLD50(半数致死量)は、3g/1000g。例えば、体重50kgの人が150gの食塩を一度に摂れば、死の危険があります。
リスクの原因は管理可能ですが、その確率は管理不可能です。だから、安全性を高めるためには、原因を管理し、リスクの発生確率を最小限に食い止める措置を取る必要があります。

【無農薬は安全?】
もし、農作物を無農薬で栽培すれば、ヒトは食品から毒素を摂取せずに済むようになるでしょうか? 答えは“否”です。なぜなら、多くの植物が外敵から身を守るために他生物が嫌う天然毒素を生成しているからです。また、天然毒素には、農作物に付着したカビから生成されるものもあります。代表的なのは、主にナッツ類や穀物に付着するアフラトキシンから生成される毒素。その中でも「アフラトキシンB1」は強い発ガン性物質を生成するので、食品衛生法で食品中に検出されてはならないと定められているほどです。

また、無農薬志向の農業で農薬代わりに使用される場合がある「木酢液」。これにも製造過程で有機化合物が生成され、その中に毒性が確認されているものもあります。また、輸入品や粗悪品のなかには、日本では禁止されている農薬が混入している場合があります。有機栽培をしていた農家が、この木酢液を使用したため、有機認証を取り消されてしまったケースがあるそうです。

無農薬で栽培すると、農薬由来の化学物質を体内に摂取するリスクは低減しますが、天然毒素を摂取するリスクは増加してしまいます。農薬は、使用方法を間違えるとリスクになりますが、正しく使えば別のリスクを軽減するという側面を持っています。場合によっては、農薬によって安全性が高くなるケースもあるわけです。


【リスクと向き合っていくために】
農薬は、農作物を害虫の被害から守り、品質・収量を安定させ、雑草防除による労働力の低減、かび毒等によるリスクの軽減させる効果があります。その反面、動植物の体内や環境のなかで分解されず蓄積していく、あるいは、複数の化学物質が混合することにより、ヒトの健康や生態系に影響を及ぼす可能性を否定できません。

しかし、100%安全な食品はこの世に存在しない以上、「どこまでだったら許せるか?」というようにリスクと上手に向き合っていく方法を私たちは考えていかなければなりません。

そのためには、食品の安全性に対する自分なりの判断基準を持つことが必要です。

「安全性」の科学的根拠を理解し伝えていくことで、食品の安全に関する情報を的確に判断できる生活者を増やしていけます。化学物質に対する漠然とした不安感も取り除いていけるでしょう。
これも野菜ソムリエの大事な役割だと再認識する機会になりました。


ベジタブル&フルーツマイスター  平田 実
子供の頃は、親を悩ます偏食ぶりを発揮。大学予備校時代に通った東京で、食事の不味さに衝撃を受ける。大学に入学し一人暮らしを始めたのをきっかけに自炊をするようになる。すると、偏食がドラマティックに改善。色々なものが食べられる喜びを知り、今では野菜ソムリエ。人生って不思議です。
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