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【東京】「食品工場の衛生のはなし/衛生管理の実態と課題」

「食品工場の衛生のはなし/衛生管理の実態と課題」
日時:2009年2月12日(水)13:00~15:00
会場:協会本部 渋谷第三教室
講師:株式会社 農水産ID 藤井淳生先生


食品を購入する際、食の安心安全が得られる時代ではありません。講義内容とともに、私達野菜ソムリエに必要なことをお伝えします。

『はじめに3つの大切なワードを。』
Food Safety:質の安全である食品安全。
Food Security:量の保障である食料保障。
Food Defense:食品防御 *グリコ森永事件やギョーザ事件など意図的な食品事故を防御。
今回は、『Food Safety:食品の安全』がテーマに藤井先生の講義がスタート。 

『食品の噂に惑わされない』
原料→加工→製造を経て私たちは食品を購入。
ここで大切な『加工』と『製造』の違い。

加工:原料に手を加えたもの。
製造:複数の原料を混ぜて新しい食品を作ること。


製造では、原料の原形の想像がつかないため、噂が発生。 私達は、原料の適正な価格を知ることが大切。知識、情報を得ることで、噂に惑わされない。

『食品のリスク』
私たちの食品や食事に潜む3つのリスク。
ハザードとリスクの違いを理解すること。ハザードは汚染、危害の原因。リスクは、それが許容限界を超える確率のこと。したがって、ハザードは管理できるがリスクは管理が困難。

生物的リスク(病原性微生物、ウィルス、アレルギー、 遺伝子組み換えなど)
化学的リスク(食品添加物、洗剤/施設使用薬剤、残留農薬/油脂酸化物など)
物理的リスク(骨/獣毛/殻/繊維/ 金属片、紙、毛髪)


『生物的リスク』による健康被害の事故は表面に出ることが少ない。ただし、発生すると重篤、重大な健康被害が生じる恐れがある。 私達は、病原性微生物とウィルスの違い、予防法などプロの知識を身につけること。
遺伝子組換えについては、本当に健康被害があるのか、よく考えることが必要。
こうした新技術には、プラスの側面とマイナスの側面が必ずあることを理解すること。

『食品工場の衛生管理の現状』

食品工場の衛生面では、『物理的リスク』が重要なテーマとなることが多い。理由は、物理的ハザードは健康被害よりも心理的被害が大きい(=印象、心象が悪い)ため。

食品工場では、
5S活動①整理②整頓③清掃④清潔⑤習慣
を徹底し、物理的ハザードを管理。

『原材料購入→保管/保存→下処理→加工/製造→保管/保存→出荷』

この食品工場での行程・工程管理において、残留・異物混入の原因・温度管理など徹底。 従業員に対し衛生面の教育も実施。事故が発生しない工場や施設の設計。現在ある食品工場をレイアウト変更し工事するだけでも、利益率にあわない高額な工事費で限界に達している。 

『管理レベル/対象別の基準を理解する』
食品の安全性は品質の一部として位置づけられます。したがって、安全性を向上させることは、品質を向上させることに他なりません。安全性向上、品質向上活動を行っていることを示す審査基準には、以下のような違いがあります。

HACCP:食品製造業/事故品の出荷防止
SQF2000:食品加工・製造業/食品安全性の向上・ハザード低減→リスク低減/情報提供
ISO9000:産業全般/品質の向上
ISO14001:産業全般/廃棄物・利用エネルギーの低減
ISO22000:食品産業・関連事業全般/食品安全性の向上・商品設計から工程管理、管理状況の見直し、情報提供など。 

『これからの食品衛生』
今後の衛生管理は、WHOガイドラインによる食品衛生の基本から、Codexによる衛生管理プログラムを実行していることが前提となる。Food Safetyの確立、Food Defenseの導入、消費者の連携が課題。特にFood Defenseの導入では、人の命の大切さを改めて認識するモラル教育が欠かせない。また、いたずら防止措置の施された包材などの技術開発もテーマとなる。消費者の連携では、メディアが意図するメディアテラシーの教育。私たちは、科学的根拠に基づくデーターも自分なりに理解。情報の発信源が何を意図しているか、何を目的としているか、どこが得をし、どこが損をするかを考え、しっかり理解しないと情報に振り回されることになる。         

『講義の感想』
藤井先生の講義の印象的な言葉。『ゼロリスクは無理』『自己の判断力を高める』

自己防衛し疑うころは、哀しいことです。しかし、ゼロリスクを求める前に、リスクのない食品を判断できる能力をアップすることが大切です。噂に踊らされず国民一人一人が、プロコンシューマーに!と自覚を持つことで、食の安全は変わっていくのではないか?と私は講義を受けて思いました。それらを伝えることも野菜ソムリエの使命と感じた有意義な講義でした。

ベジタブル&フルーツマイスター:田口志麻
『エコでおいしい野菜果物講座』主催。野菜果物・環境の分野の執筆。オリジナルレシピの提供。レシピは、アレルギーの人も食べられるような、心と体と地球に優しいベジタリアンフードを考案。東京都下水道局主催『ダイエットレシピコンテスト』にて入賞。 今年から精進料理を学んでいます。野菜果物不足な若者たちに、ファッションのように、野菜果物に興味をもち楽しんでもらえるように奮闘中。