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【東京】宮崎県の柑橘を学ぼう

「 宮 崎 県 の 柑 橘 を 学 ぼ う 」
◆日 時:2008年 2月16日(月)19:00~21:00
◆会 場:協会本部 渋谷第三教室
◆講 師:宮崎県庁 農政水産部 農産園芸課 果樹担当
      外山 直一 先生

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柑橘の美味しい季節が到来。近年人気が出てきている、金柑と日向夏を中心に宮崎県が生産している柑橘についての講座でした。講師の外山先生をはじめ、宮崎の方が7名いらしてくださいました。

★中国原産の亜熱帯果樹
 『金柑』は金という字のつく、おめでたい食材で、昔からお正月のおせち料理などに使われています。原産は中国の亜熱帯地域です。江戸時代に中国寧波商船が難破した時に船員から金柑を貰い、その種が育って日本に広まったとされています。(静岡県柑橘調査書)日本で栽培される品種の殆どは『寧波(にんぽう)金柑』です。

★金柑の生産量トップの宮崎県
 関東以南では各地で庭先果樹として多く見られますが、農業としての生産量は少なく、14府県で年間3500t、このうち宮崎県が2500t(約70%)と最多です。これは、宮崎の温暖な気候が栽培に適しているためです。

★露地栽培からハウス栽培へ
 昭和39年、東京に出荷された金柑は500t(うち宮崎産が400t)。当時の金柑は苦くて、生で食べることはなく、甘露煮にするのが一般的でした。また、のど飴や金柑湯など健康食として利用されていました。実際、風邪が大流行した年は売り上げが高くなりました。生食向けの苦味がなくフルーティーな金柑は昭和62年から出荷されるようになりました。「子どもの頃に食べた金柑は苦かった」経験から今でも、「金柑は苦い」「生で食べられない」と思い込んでいる方が多いようです。

★金柑最大の特徴は皮まで食べられること  (他の柑橘にはない)
・金柑は、風邪に効く?(←薬事法で「効く」と表記できないので「?」だそうです)
 科学的な証明はなくても、先代から風邪予防に使っていたという事実がある。
・抗炎作用、抗菌作用で喉の痛みや咳止め。
・免疫力を高め、身体の抵抗力を付けるビタミンCが豊富。
・水溶性食物繊維(ペクチン等)は、血糖値上昇抑制効果や脂質異常症を予防、
 不溶性食物繊維(セルロース等)は、便秘の予防。
・最近ではカロテノイドの一種であるβクリプトキサンチンの抗ガン作用、骨粗しょう症予防に
 ついての研究結果が注目されている。
・外皮の小さい点を油胞といいます。食べて数秒後に苦味を感じるのは、この油胞からリモニンという
 苦味成分が出てくるから。また油胞には、香り成分リモネンが含まれ、お湯に入れると
 リラクリゼーション効果が得られることから金柑は『心の薬』とも言われる。

★宮崎の金柑栽培
 従来は露地金柑(11月下旬~1月出荷)が主体でしたが、高品質で大玉の金柑を生産するため、ハウスで越年させた『完熟金柑』(1月下旬~3月上旬出荷)の生産が拡大されています。完熟金柑が出荷される前に、10月から完熟でない路地金柑、温室金柑が出荷されるため、「たまたま、まるかじりなのに苦い金柑」と誤解されることもあるそうです。食べやすい種なし金柑の育成も進んでおり、近年中に登場する予定です。
 ・完熟金柑
  (まるかじり)  糖度16%以上 横直径2.8cm以上
           開花から210日以上経過したもの
   (たまたま)   糖度18%以上 横直径3.3cm以上 A品で傷のないもの
 ・温室金柑    糖度13%以上 横直径2.8cmj以上 開花日数基準なし
 ・露地金柑    糖度基準なし

★ブランド金柑たまたま
 「金柑たまたま」は、東国原知事がテレビで盛んにPRしているので知っている方も多いと思います。名前の由来はたまたま(偶然)できたことから名付けられ、宮崎県の小学生の意見も取り入れて決めたものです。金柑生産量の2%しかできない高級品であり、完熟金柑の中で特に糖度が高く大玉のものです。(宮崎県独自の厳しい基準、上記参照)人気のあるたまたまも2%の割合では、生活者の手に入りにくく、宮崎の生産者にそれほど利益は期待できません。完熟金柑は全てたまたまにして、その中でランク付けしてみたらどうかという考えもあります。

★宮崎県特産 日向夏について
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 りんごの皮を剥くように黄色い外皮を薄く剥き、芯を残すようにそぎ切りしていただきます。白い内皮(アルベド)が甘くフカフカしていておいしいのが特徴です。この部分はヘスペリジン(ビタミンP)や食物繊維が豊富です。ジベレリン処理などで種なしにしていますが、本来のものは種が多いです。宮崎に春を告げる「プロ野球キャンプ」が始まる2月中旬から出回ります。果汁が多く、さわやかな香り、酸味と甘味のバランスの良さが好まれ、宮崎県ではメジャーな果物ですが、その他の地域ではそうではないようです。貯蔵性があり冷蔵庫で1~2ヶ月日持ちします。近々、東京向けに低価格(無選別)の日向夏を出して、食べ方やおいしさを知ってもらう計画があるとのことでした。

おいしいものを、おいしい時期に、安く届けたい!食卓に金柑を!(外山先生の願い)
 日本人はなぜ果物を食べる量が少ないのか?それは嗜好品、贈答品の感覚が強く、食料としての位置づけがされにくいからだと思います。生活者のニーズは付加価値や、規格にこだわり、糖度保証(コストが1億円もかかる)され、買ってすぐ食べられるものが好まれます。果物は工業製品ではないので、1本の木でも同じものはできなくて当たり前という認識で、食料として、もっと果物を身近に取り入れて欲しいと思っています。ヨーロッパの食卓にはフルーツ籠が普通にあり、食べ頃のサインを自分の目でみつけて食べています。日本でも食卓に果物を置いて、食べたいときに食べられるようになったら良いと考えています。

★食べ比べ(私の感想)

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 1.完熟キンカン(宮崎県産):皮が特に甘く、厚みがあり軟らかい
 2.完熟キンカン(鹿児島県産):多少皮が薄いが、甘味は十分
 3.完熟キンカン(熊本産):甘味、酸味はやや弱いがおいしい
 4.完熟キンカンたまたま(宮崎県産):色艶よく皮が特に甘く厚みがあり軟らかい
 5.南風(ナンプウ)(宮崎県産):初めての味!ジューシーでやさしい味
 6.日向夏(宮崎県産):さわやかな味と香り、白皮の食感、風味がいい
*この食べ比べの前に、露地キンカンをいただきました。苦味はさほど強くなく、金柑らしい苦みで私好みの味でした。


★ベジタブル&フルーツマイスター 山口桂子★

 一児の母であり、管理栄養士の資格も所有。講師活動を通して健康と野菜・果物のかかわりについて、楽しくわかりやすく伝え、食生活のステップアップを応援したいと思います。