【東京】夏の沖縄野菜と果物
「夏の沖縄野菜と果物」
日時 2009年7月17日(金)14:00~16:00
会場 協会本部 渋谷第三教室
講師 沖縄県農林水産部 流通政策課 新里 良晃先生
沖縄県東京事務所 建設農水課 能登 拓先生
会場には何とも不思議で耳に残るシイクワーシャーの曲が流れ、中央テーブルに沖縄野菜と果物が並べられて講座のムードを盛り上げていました。

●ビデオで沖縄野菜と果物の知識を広げる
まず、地産地消を目的に沖縄の人々にもっと地場の野菜や果物を知ってもらおうという目的でつくられたというテレビ番組「うまんちゅひろば」のビデオを鑑賞。前半は果物について。
・パインアップル:水はけのよい土地を好み県北部で生産が盛ん。粒が大きくて丸く、下から3段目までが黄変し重い物が美味。
・マンゴー:日焼け防止、落下防止、虫害防止のためにひとつずつ袋に入れて栽培。
・パッションフルーツ:黄色と紫があり、黄色は専らジュース用でフルーツの出荷は紫である。
など、勉強になる情報が満載でした。
後半は野菜が紹介されました。
・ゴーヤー:今や全国的(北海道でも栽培可能)に栽培されているが、やはり日本一は沖縄。
・島ニンジン:津堅島で栽培され、周囲が海なので、本土のニンジンよりミネラルが豊富。
●資料をもとに、新里先生のお話をうかがう
次に配布された資料を見ながら新里先生がお話しされました。
沖縄は日本唯一の亜熱帯地域で年間を通して温暖だが、台風の通り道であることや冬季の季節風、寡日照(陽が差す日が少ないこと。2月の場合2?3日)のため作物にとっては不利な条件もあるとのこと。
また品目のお話は、
・ゴーヤー
NHKのTV番組「ちゅらさん」効果で有名になり、県外でも生産されるようになったため、夏場には沖縄物の需要が減ってしまう(鮮度保持や運賃の関係)ので、前倒しでの生産が求められている。
・パパイア
果物としての需要の他、野菜として未熟なものを利用。株には雌雄のほか中性(両性)があり、雌の株は受粉することなく自己肥大して結実するが種は存在しない。関東地方に出荷されている野菜パパイアは年50~60tで、近辺にアジア・台湾の方々が多く在住する淀橋市場(新宿)などに来ている。
・ナーベラー(ヘチマ)
食用は開花から2週間ほどの若い果実。食感はぬめり感がありズッキーニに似ている。種もすべて食べる。
・マンゴー
平成18年の出荷量は1480t、うち500tは関東地方に出荷。(現在宮崎県の「太陽の卵」が脚光を浴びているため少し影が薄くなっているが、コストパフォーマンスに優れているので、沖縄産もよろしく!とのこと)。
・パインアップル
海外からの輸入が解禁になり、フィリピンやエクアドルなどから安価な品物が入ってくるため、年々出荷量は減少傾向にある。雨よけや保温をしての冬場生産やスナックパインなどの品種改良で対抗している。
・ドラゴンフルーツ
サボテン科の植物で2mほどの棚仕立てで収穫。果肉の赤い物を「レッドピタヤ」、白い物を「ホワイトピタヤ」というが、最近では紫の品種も出始めた。
・シイクワーシャー(シイ=酸っぱい、クワーシャー=食べさせる、の意)
以前はタンカンなどの防風垣だった。沖縄ではお刺身を食べるとき醤油に絞ったり、泡盛に入れて呑む。
●実際に果物や野菜を切ってみる
包丁は苦手とおっしゃりながら新里先生と能登先生が見事な手さばきで野菜や果物をカットしていきます。
パパイアは皮を剥き縦半分にして、中性(両性)の実は種を取り除きシリシリーして(シリシリーと言われる目の粗いおろし金のようなものでおろして)料理するのが一般的なようです。ちなみにシリシリーでシリシリーした(道具もおろす様子もシリシリーというそうです)ものは、少々長めの笹掻きと言った風情です。
●試食:その1
シリシリーした野菜パパイアを使ったお料理3点と、ドラゴンフルーツの試食です。
・パパイアとシーチキンのサラダ:水にさらして灰汁抜きしたパパイアとシーチキンをシーザーサラダドレッシングで和えたもの)
・パパイアの甘酢漬け:灰汁抜きしたパパイアとニンジン、戻したヒジキをさっと炒め、酢、砂糖、塩、コーレーグス、水に漬けたもの)
・パパイアイリチー:灰汁抜きしたパパイア、ニンジン、スパムを一度炒めてから塩、醤油で味付けしたスープで煮込んだもの)
パパイアは味が淡白なのでどの食材ともよく合い美味しくいただきました。私たちの周りにももっと沢山出回ってほしいなと思われる野菜です。
ドラゴンフルーツはまずそのままひと口、うーん、甘くてすごく美味しい! その後シイクワーシャーをひと絞りして食べてみます。酸味を先に感じるせいかより甘く、香りも相乗効果でぐっと増したようです。
●パインアップルとマンゴーの飾り切りを教わり、その後試食:その2
パインアップルは上下を切り落として縦4等分にし、皮目に沿って縦に両側から切れ込みを入れ、真ん中に縦1本、横は食べよい厚さに切り込みを入れてから互い違いに実をずらします。
マンゴーはお尻から見ると楕円に見えるので、この楕円を立てるようにして中心より少しずらしてナイフを入れます。もう片方も同様にカットし、実の内側に縦横の切れ込みを入れてから皮を裏返すようにすると花が咲いたように果実が広がります。ところで種の周りに残った果肉ですが、実はここが一番の美味とか。ですからここは切った人の役得ということで、“かぶり付いて食べてください”と先生はおっしゃいます。その後パインアップルとマンゴーを試食。香り高く、すごく甘くて美味しい。ほんのひと口なのが残念なくらいです。
とここで、資料のグラフを見ると最近は需要が増えていると思われる葉菜類も収量が減っているがどうしてか?という質問がありました。これに対して、県外でも生産されるようになっただけでなく、沖縄県内の生産者の高齢化が減収につながっているというお話しがあり、少し寂しい気持ちになりました。しかしながら若い生産者たちも新しい野菜や果物を導入し頑張っていると聞きひと安心。
お土産に野菜パパイヤ1/4とシイクワーシャー5個、それに「沖縄市場」という雑誌のバックナンバーを3冊もいただき講座は修了。大満足の2時間となりました。
ベジタブル&フルーツマイスター
菊地多久美(キクチタクミ)
本年5月にマイスターになったばかりの新前です。これまで音楽関係の雑誌やPR誌を中心に編集の仕事をしてきました。3年程前に夫が病を得、現在も自宅療養中なため食の大切さを痛感しています。もともと野菜・果物が大好きで、料理も好きでしたので、今まで培ってきた編集の技術を活用しつつ、野菜・果物にとどまらず「食」全般について発信していけたらと考えています





















