野菜ソムリエ養成講座

野菜ソムリエブログリンク集 野菜ソムリエ★ナビ

« 【東京】「藤井先生 講座 第11回 ベジフルカルテを充実させよう」 | トップページ | 【9/13、9/17大阪レポート】夏の料理教室「ナス」 »

【名古屋】野菜の流通現場を知ろう「名古屋市中央卸売市場」見学ツアー

野菜の流通現場を知ろう!
「名古屋市中央卸売市場」見学ツアー


○日時:2009年10月1日(木)7:00~9:30
○場所:協会本部名古屋教室
○案内:丸松青果(有) 代表取締役 松永 正男
***************************************************************


東海地方のテレビやラジオでリポーターの仕事をしてきて、これまでに野菜やくだものを作っている現場や出荷する作業を見せていただくことは何度かありました。
また、生活者として、生産者の方たちが育てた野菜やくだものが、毎日、スーパーなどの店頭に並んでいるのを当たり前のように見てきました。しかし、生産者と生活者を結ぶ、間のところ=流通の現場は生で見たことがなく、マイスターの勉強をして、そのしくみは分かったものの、やはり「自分の目で見てみたい」との思いから今回のツアーに参加しました。
Photo Photo_2

★中央卸売市場の役割
中央卸売市場は、市民の食生活に欠かすことのできない生鮮食料品(野菜・果物・鮮魚・食肉・つけ物等)を全国から大量に集め、適正な価格で、すみやかに分配する公設の卸売市場です。
わが国では生鮮食料品流通の円滑化を図るために、卸売市場法が制定されており、中央卸売市場における取引方法の原則を定めるとともに、効率的な取引を推進するために、農林水産大臣は中央卸売市場の整備計画を定めることなどを規定しています。
名古屋市は、この法律に基づいて農林水産大臣の許可を受け同大臣の指定する区域(名古屋市及び西春日井郡 豊山町)に中央卸売市場を開設し、その管理運営にあたっています。

◎名古屋市の中央卸売市場
   ①名古屋市中央卸売市場本場    (名古屋市熱田区 172,032㎡)
   ②名古屋市中央卸売市場北部市場 (西春日井郡豊山町 126,880㎡)
   ③名古屋市中央卸売市場南部市場 (名古屋市港区 60,721㎡)

今回は「本場」と呼ばれる、熱田区の「名古屋中央卸売市場本場」を見学しました。
ここは、昭和24(1949)年4月に開設された全国で9番目の卸売市場で、青果だけでなく別棟で水産物なども扱っています。


★生産者から生活者まで~流通のしくみ~(名古屋市のHP参照)

     生産者
   ↓      ↓
出荷団体   産地仲買人
   ↓      ↓
     卸売業者    ※卸売業者・・・農家や漁師さんなどから集めた品物を、
   ∥      ∥             仲卸業者や売買参加者に売る人たちです
売買参加者・・・仲卸業者
(小売商等)   ↓  ※仲卸業者・・・卸売業者から買った品物を市場の中の店で、
                        魚屋さんや八百屋さんなどに売る人たちです。
   ↓    小売店・スーパー
   ↓      ↓
     消費者    ※売買参加者・・・仲卸業者と同じように卸売業者から直接、
                        品物が買える八百屋さんなど小売店の人や
                        品物を加工する人たちです。
             ※関連事業者・・・市場内で乾物・佃煮・鳥卵・調理食品などを
                        販売する人たちです。

名古屋市中央卸売市場に出入りする卸売業者は2社、仲卸業者は野菜18件、くだもの16件。
今回のツアーでは、野菜の仲卸業者である丸松青果(有)の松永社長に案内していただきました。


★市場に入った感想
市場といえば、せりが行われ、雑然としたにぎやかなイメージがありました。また、これまでに行ったことがある市場といえば魚市場で、なんだか生臭いにおいがしていたので、今回もそんなところなのかと思っていたら、大違いでした。
せりは行われておらず、出荷を待つばかりの野菜やくだものが箱に詰められて、整然と並んでいます。
においも、さわやかな香り(ぶどうが何種類かあったので、その香りなど)が漂っていて、とても清潔でした。食品を扱う場なので、当然といえば当然ですが、野菜くずなど放置してあれば悪臭がしてしまうところを、「毎日しっかり掃除されているのだろうな~」と感心してしまいました。
さらに、野菜やくだものを保管する場所は、全部ではないのですが、低温(5℃くらい)に保たれており、鮮度を落とさないように管理されています。ここでも「コールドチェーンは本当につながっていたのね」と感心してしまいました。
Photo_3 Photo_4


★市場の一日
(近い産地の場合)
収穫された野菜やくだものは、前日の夕方、出荷
       ↓
夜中(1時、2時ごろ)に市場に到着、仕分け作業
       ↓
朝3時、4時くらいにせり
       ↓
朝5時、6時にはスーパー、小売店に向けて出発

※現在、せりが行われるのはアールスメロンやマスカット・オブ・アレキサンドリアといった高級フルーツくらい。
  ・・・すべての取引をせりで行っているとスーパーの開店時間に間に合わなくなるので。

※他は予約相対という方法で取引されている。
  ・・・予約相対とは、東京太田市場の相場を参考に、卸売業者と仲卸業者の間で前日に価格を決める取引方法。


★名古屋市中央卸売市場の現状
平成20年度の取り扱い実績(本場、北部市場、南部市場 合わせた額)
年間 81万トン/3,019億円    1日の平均取扱高  2,991トン/11億円
(うち本場での取り扱いは、野菜 167,172トン/346億円  果物 62,442トン/185億円)

平成19年度の取扱は  84万トン/3,132億円

大手スーパーによる直接流通が増えたことなどから、ピーク時に比べ金額にして30%ほど落ち込んでいるそうです。

★まとめ
2 上記のように、大手スーパーが産地と直接契約したり、生産者から生活者への「産地直送」が拡大することで、卸売市場経由率は年々低下しています。
私自身、これまでは、「産直」の方が生産者の顔が見えて安心、産地から直接届けられるので新鮮、だから、時代はもう「産直」なのではないか、卸売市場の役目は終わったのではないかと思っていたのですが、そうではないことに気づきました。
「生産者も、生活者も、それぞれが零細。いかに集約してコストを下げるかが卸売市場の役目」。
案内をしてくださった松永社長がおっしゃった、この言葉は重みがありました。
たしかに、生活者ひとりひとりが産直していたら、大変な輸送コストになりますし、二酸化炭素の排出量も激増してしまいますから・・・。
他にも、工業製品と違って、作り置きできない生鮮食品を扱うご苦労などもお話いただき、私たちの知らないところで、新鮮な野菜やくだものを届けるために働いてくれている人がいるんだ・・・ということに、今さらながら気づきました。
これからは、できるだけ毎日、使う分だけの野菜やくだものを買うようにして、新鮮なうちに使い切ろうと思いました。
最近よく「生産者の顔が見える」パッケージを見かけますが、流通に携わる人の顔も見えると、より安心感が増します。一般の生活者の方は、なかなか見学に行く機会はないかもしれませんが、野菜ソムリエとしては、流通の現場もしっかり見ておくことが大切だと実感しました。


★補足
丸松青果は有機野菜の認定小分け業者でもあり、有機野菜やハーブの通販もされています。
くわしくは→丸松青果HP http://www.marumatsu-seika.com/
       Photo_6


*****************************************************************
【レポート作成者】
ベジタブル&フルーツマイスター 早川 敦子
8月にマイスター合格しました。気象予報士の資格も持っているので、気象や
地球温暖化と野菜・くだものの話ができるように、目下、勉強中です。