【12/13大阪レポート】ワークショップ「ダイコン」
ワークショップ 「ダイコン」
日時:平成21年12月13日(日)14:00~16:00
場所:大阪支社
講師:藤井康資先生 岸田英三先生
料理:松浦茂吉シェフ
教室に入った途端、目に飛び込む多量に並んだ大根。
ずらりと並ぶ、形や色の違う大根、これもほんの一部であることを認識した上で、
こんなに様々な種類があるのだ、と改めて皆様も思われたのではないでしょうか。
各テーマ野菜を授業で学ぶ以上に詳しく掘り下げて学べ、そして専門の視線からの
私たちが知らない世界の野菜果物の存在を教えてくれる、待望の藤井康資先生の
ワークショップ。
そして特別ゲストの岸田英三先生。
レギュラー参加者の私は勿論、マックスの参加者の笑顔と拍手で今月再開いたしまし
た!
■レポート
大根について
・アブラナ科ダイコン属
・重量野菜のひとつであり、日本で一番生産量の多い野菜だが昨今
重量野菜ゆえ栽培が減少傾向にある
・一年通して店頭に並ぶ
→栽培形態確立(交雑させ周年栽培できるようになった)
→春は温度が低くても太くなるもの
夏は暑さに強い 病気(黄色病等)に強いもの
秋は形状、収量性良好なもの
冬は寒くても生育がよいもの
・栄養 根(淡色野菜):95%は水分、ビタミンC、鉄分、食物繊維
※特に皮に近いほうが水気が少なくビタミンCが多い
(約2倍)ので皮ごとおろすとよい
イソチオシアネート(辛み成分)
→血液をサラサラにしたり殺菌効果等ある
※イソチオシアネートは揮発性のためおろし大根はなるべく早く食べる
ことをおすすめアミラーゼ(ジアスターゼ)(でんぷん分解酵素)
→食べ物の消化吸収を促進
(ex お餅と大根おろしという食べあわせも消化を助けるという
理にかなっているという)
葉(緑黄色野菜):ビタミンC、カロテン、ビタミンB1、B2、
カルシウム、ナトリウム、リン、鉄等
切干大根:生より栄養素UPにより食物繊維やミネラル供給におすすめ
(そのまま乾燥させる切干大根よりゆでて乾かす方法が最近増え
ている)
在来品種と青首大根
・古代エジプトではニンニク、玉ねぎとともに食されていた
原産地の異論も多くコーカサス、地中海東部、インド、中国、中央アジアを中心に品
種分化、
交雑して特有のものができ日本へ伝来
・大きく分類すると・・・
①ハツカダイコン②黒ダイコン③北支小(ほくししょう)、西洋小ダイコン④南
支(なんし)ダイコン
→色、形、特徴も様々。大根というものはそれだけ変化しやすく土着しやすいと考
えられる
→日本のダイコンの元は④南支ダイコンの変種と考えられる
地の大根と交雑してできたのではないか
→主要在来種(三浦、亀戸、源助、守口、桜島、聖護院、美濃早生、宮重(みやし
げ))
そして、非常に興味深かったのが、特別ゲスト 岸田英三先生からのお話いただいた
在来品種から現在主流の青首大根への背景です。
→昭和54年 台風により当時関東で主流であった三浦大根が全滅。
残された収穫時期に間に合う品種は青首大根しかない。そこで間に合わせにのために
急遽栽培し、販売したところ、収穫作業も容易である。
食べてみると甘くと美味しいではないか、ということが知れ全国へ広がった。
というのです。
何かが広がる背景には天候や環境の被害も隠されているらしく
今日何気なく私たちが口にしている野菜果物の存在を物語のように拝聴いたしまし
た。
・交配種(F1)が登場したため固定種が激減
・基本は自家不和合性を利用だが近年雄性不稔系の利用も増えている
素人の私には難しい話でした。理解した範囲でのレポートとなりますがご了承くださ
い。
つまり自分の花粉をもらわず、みつばちや人間の手作業で花粉をもらうことで種をと
るのが
基本ではあるが、一つの花で雄蕊をなくし、他から花粉をもらうという方法も増えて
いるというのです。
例えば
A と B の大根の花があります。交配することにより
A×B (A×A) B×A (B×B)という品種のものができます。
しかし()のものが稀にできてしまうことがある。
雄蕊をなくすことにより、全てがA×Bのものになり同じ種がとれる。
ということらしいのです。
同じ味、形、収穫作業工程の決まった、周年を通じて頂けるのは、
このような同じ種をとるという繊細かつ大変な作業があってのことなのですね。
自然のなりゆくままだけではいかない野菜生育の現状を知りました。
品種紹介
・耐病総太り 青首 ス入りが遅く入りにくい
・緑輝(りょっき) 淀×耐病太り 少し短めの青首 寒さ病気に強い
・早太り聖護院
・白檜(しろやり) 練馬大根からできたもの
・辛之助(しんのすけ)信州の地大根 辛み大根で辛みは強いが水分とのバランスが
とれている
・エベレスト 南支系 インドネシア等でもつくられている
・紅心大根 でんぷん質が多く甘みある 色鮮やかな紅色
・TDA-724 TDA-727 プランターでも作れる
食べ比べ&試食
スペイン帰りのシェフ松浦茂吉さんが作ってくださったスペインの香りが漂う
大根料理の数々です。
調理後の大根を比較できるという工夫あるお品をいただきました。
・同じマリネ液で同じ時間マリネされた大根4種
「からいね大根」「黄河紅丸」「紅化粧」「天安納」
鮮やかなピンクから紅色まで各種大根によってマリネ後の色づき
や、液の入り方の違いを理解しながら頂けました。
・ダイコンとオレンジのサラダ
大根のマリネとおろした大根をドレッシングに使用され、色鮮やかさも合い増し
オレンジのさわやかな風味とほんのり感じるトマトの酸味と大変よくあっており
大根って、大根だけど大根ではない!まだまだお料理として楽しめる!
そんな感じのサラダでした。
・ダイコンとハマチのセビッチェとともに
続いて、大根の煮物では煮物に向くといわれる、
・源助大根と聖護院大根を同じ条件でコトコト煮込んだ煮込み二種
どちらも煮物に向くといわれますが、同条件で食べ比べをさせていただくことにより
お箸はすっと通るまでのやわらかさながらもほのかに弾力を残す「源助大根」。
対して、とろけるようなやわらかさの「聖護院大根」。
囲んだテーブルの仲間では「あんかけにするならトロみと一体になる聖護院かな!
おでんにするなら聖護院!」と盛り上がり、比較するからこそ分かるお楽しみの
時間を過ごしました。
・スペインの家庭では定番の ダイコンのガリシア風スープ
以前のアカデミックレストランのテーマ「皮まる」と並び、葉までも無駄なく使おう
と
調理のご提案をしてくださったのは、日本でいうならばお味噌汁のような存在だそう
です。
クタクタと煮た大根の葉、大根、スペアリブ、チョリソーが入った体温まる一品でし
た。
これだけの大根が並び、背景や歴史があって、今私達が口にしている大根がありま
す。
そして、今後も高齢化という農業の現状、先の大根の容も変わっていくのではないか
と予想をも感じました。
聞いて学び、見て学び、そして食して学ぶ、楽しき大根のルーツを辿る好奇心高まる
今昔物語の時間でありました。
レポート作成者
ベジタブル&フルーツマイスター 伊藤由香
la france 主催
お料理をつくるということは楽しい。
やさしい気持ちでつくられた野菜はやさしい味がする。
大切な方へお料理をつくるときにそのような気持ちを
抱いていただける方が増えることを願い、そのお手伝い
に携われたら嬉しいです。
















