« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

【4/18大阪レポート】ワークショップイチゴ

ワークショップ「イチゴ」

◇ 日 時:2010年4月18日14:00~16:00
◇ 場 所:日本野菜ソムリエ協会 大阪支社
◇ 講 師:藤井康資先生(株式会社フジイ シード)
     :西村和人先生(株式会社アップ・クオリティ)
   製 菓:石井郁子先生(野菜ソムリエ)

Photo
赤くて可愛いイ・チ・ゴ。

教室に入ると、イチゴの甘酸っぱい香りが鼻をくすぐります。
部屋の一角に積まれたたくさんのイチゴに内心
(わぁ、こんなに試食できるのかしら・・・!)
と嬉しさに期待も高まりつつ、着席しました。

ワークショップは、種苗会社ご勤務の野菜ソムリエ藤井先生がメイン講師です。
専門的な内容をわかりやすく教えていただけるのでいつも人気の講座。

さらに今回は、西村先生が10種類のイチゴを
ご用意くださり、品種の説明と食べ比べを担当されました。
その後、藤井先生の講座をはさんで、石井先生によるイチゴのスイーツの試食もあり
盛りだくさんの3部構成になっていました。

講義の概略は以下の通りです。

Ⅰ.イチゴの品種と食べ比べ(西村先生)
Photo_2

 1.成分と効能
   ビタミンC・・・風邪予防と美肌効果
   葉酸・・・貧血予防
   ペクチン・・・血糖値の上昇やコレステロールの吸収を抑制

 2.保管方法
   乾燥を防ぐため、ラップまたはビニール袋に入れて冷蔵庫へ。
   食べる直前に洗う。
   洗ってからへたをとる。とってから洗うとビタミンCが流れ出る。

 3.見分け方
   果皮のツブツブがくっきりして、へたが青く元気なもの。
   表面に傷がなく、つやのあるもの。

 4.10品種の特徴と試食
   さちのか(L長崎)、あまおう(L、G福岡)、さがほのか(L 佐賀)、
   紅ほっぺ(愛媛)、とちおとめ(G 栃木)、ひのしずく(L 熊本)、
   ももいちご(L 徳島)、女峰(香川)、とよのか(L 長崎)、

   品種ごとに、糖度と酸度のバランスが異なり、果肉の赤さ、かたさにも特徴がある。
   生食用、ケーキの飾り用、加工用など、用途応じて、使い分けることで、品種の特徴を生かした使い方もできる。

Ⅱ.「イチゴの特性と品種改良」(藤井先生)
Photo_3

 1. イチゴの起源と伝来 
   ・北米のバージニア種とチリのチリ―種が、オランダにわたり交配しその後、江戸時代にオランダから長崎に伝来。
   ・植物学名は、品種の特徴をあらわす意味を示す言葉の合成からなっている。
    Fragaria X ananassa DUCHESEN
    香りのある パイナップル オランダ
   ・明治32年に、新宿御苑をつくった福羽博士が「福羽」いちごを育成し、
    静岡久能山麓の石垣いちごで、イチゴが一気に普及した。

 2. イチゴの特性
   ・果実は花托が肥大したもので、「種」と呼ばれるツブツブが果実。
   ・冬の短日と気温低下で花芽を形成する。
    一季成り性品種:短日条件で花芽分化後、休眠を経ないと成長、開花をおこなわない。
    四季成り性品種:日長に関係なく花芽分化(休眠打破不要)
    ※積算低温量・・・休眠覚醒に必要な5℃以下の時間数
   ・トンネルやハウスの加温施設栽培による4~5月の出荷が可能
   ・促成栽培技術向上により、冬春いちご栽培の確立
   ・イチゴの生産量は栃木県が一位
   ・世界の生産トップはアメリカで、ほとんどが加工用
   ・輸入はアメリカから、輸出は香港、台湾へ

 3. イチゴの品種改良
   ・品種の推移
    1985~2000年は、女峰、とよのかが主流。
    それ以後、とちおとめが全体の30%を占める。
   ・イチゴは官製ビジネス
    品種改良に時間と費用がかかるので、民間では難しい。
    このため、1県1品種傾向による産地ブランド化が進む。
   ・育成者権について
    種苗法に定められた新品種の保護と育成者の権利を守るための制度(知的財産権)
    韓国・中国の栽培者の認識不足の問題
   ・品種登録制度について
   ・兵庫県明石市明石清水いちご
    大粒で甘味の強い地域ブランドイチゴ
   ・ウィルスフリー株
    ウィルスフリー(病気にかかっていない)株を作るため、
    メリクロン(成長点培養)の手法をつかって増やす。

Ⅲ.イチゴのスイーツ(石井先生)
Photo_4

    講座の最後に、イチゴをつかった簡単で美味しいスイーツをご紹介いただきました。
Photo_5

    クリームチーズでつくるレアチーズケーキの紹介と試食。
    イチゴの豆腐花と、イチゴのブルスケッタのレシピ紹介

感想とまとめ

藤井先生の品種改良のお話は、いつも興味深くうかがっています。
育成者権や品種登録制度が、品種の流行に大きな影響を与えているということや、
イチゴが官製ビジネスであるとのお話は、とくに印象に残りました。
新しい品種をつくるというロマンの実現には、さまざまな社会の仕組みが深くからみあって
いることを知りました。これからは新しい品種を店頭でみるとき、今までとちがった目線で
イチゴを見ることができると思います。
また、藤井先生おすすめの明石清水イチゴは、是非探して食べてみたいです。

西村先生の品種の説明もわかりやすく、たくさんの種類を一度に食べたので、
それぞれの特徴を比較することができてよかったです。
最後に、石井先生の甘さ控えめのスイーツとお茶で、ホッとしました。
内容の濃いワークショップを、ありがとうございました。
また、次回を期待したいと思います。

レポート作成 : 野菜ソムリエ 林 真理

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »