【6/6大阪レポート】トマトの国イタリアの珍しいトマトたち
~トマトから見るイタリアの食文化~トマトの国の珍しいトマトたち
日時:2010年6月6日(日)
場所:日本野菜ソムリエ協会 大阪支社
講師:山崎由美(ジュニア野菜ソムリエ)
イタリアの「食」に恋してフィレンツェで暮らしたこともあり
現在、イタリアフードコンサルタントやコピーライターなどでご活躍。
内容:
講師の山崎先生からトマトの歴史、イタリアの代表的な品種、
そして加工品についての紹介、説明があった。試食させていただいたオリーブオイル、
ドライトマト、トマトペースト、トマトの水煮缶などは、
いずれも日本のものとは明らかに違い、イタリアの本物にふれた時間でした。
■トマトとイタリアの歴史的関係
●原産地は南米であるトマト。16世紀半ば、コロンブスの新大陸発見に遅れること約30年、
ヨーロッパはメキシコに上陸するも、18世紀までは観賞用であった。
長い間、食されなかった理由として、同じナス科の植物で「マンドラゴラ」
(ハリーポッターに出てくる薬草)などがヨーロッパでは有名だったため、
麻薬的に思われており有毒植物であると信じられていた。
●観賞用であったが、飢饉のためしかたなく、硬くまずい実を食べたのが始まりで、その後年月をかけて、酸味の弱い、果汁豊かで味わいのあるトマトと改良された。
●トマトはナポリを中心に南イタリアで栽培されている。北イタリアの気候には適していなかったため、栽培されていない。南から馬車で3週間かけて北へ輸送していた、運送途中、青トマトを赤トマトに馬糞で追熟させた。
●童話「ピノキオ」で猫が食べていた料理にトマトソースが出てきたことが、トマトのイタリア全土で認識されるのを助けた。
●トマトの出現で、紀元前よりあったパスタ料理が一変した。野菜の淡白さにうまみをプラスし、パスタソースの無限大化に拍車をかけた。
■イタリアのトマト
イタリア語で「ポモドーロ(金のりんご)」と呼ばれるトマトは、
イタリアでもっとも多く消費されている。世界一の生産量は中国。
(ちなみに、二位はアメリカ、三位はトルコ)中国でペースト状に加工され、
世界中に輸出されているようだ。
加工品は、最後の加工地が生産地ということになるので、注意して商品を選んだ方がよい。
品種は、現在イタリアには約120~140種類ある。一家族の年間購買量は32kg。
イタリアの家族が一年間に購入する野菜の16%にあたり、加工品も加えると一人当たり75kgで
毎日約2個分を食べていることになるらしい。
トマトは日本のように支柱栽培ではなく、地を這わせるように栽培する。
ビニール栽培もなく、夏の最盛期にほとんど収穫をする。
生食もするが、夏以外はトマトソースとして食するようだ。
●ラマーティ…こぶりで、くぼみのない、日本の一般的なトマトに似ている。
●ペリーニ…イタリア産とアンデス産を掛け合わせた楕円形トマト。加工品に最適。
●コストルート…縦に溝が何本も入っている"コスタ(畝)”がある。冬が旬。
●チリエジーニ…さくらんぼサイズのチェリートマト。
●ダッテリーニ…ナツメヤシ形のミニトマト。値段も効果で、サレルノ周辺で収穫。
●ピッツテッリ…房についていて、卵形のミニトマト。
●クオーレ・ディ・ブーエ…「牛の心臓」という名で、大型のハート型。やや緑かかっているものもある。
●カモーネ・サルド…サルディーニャの品種。ミディトマトくらいの大きさで、青臭さがある甘味が特徴。最近人気の品種。
■イタリアのブランドトマト
●サンマルツァーノ EUのDOP製品に認定されている。
DOP:イタリアにおける原産地名称保護制度
デノミナツィーネ・ディ・オリージネ・プロテッタ(Denominazione di Origine Protetta)
虫に弱い品種ということで、全トマトのわずか3%しかない希少種。
●パキーノ
「ポモドーロ・ディ・パキーノIGP」という正式名称で、
シチリアの一番南にあるパキーノ村で栽培される味の良さと栄養価の高い、高級ブランドトマト。
■トマト加工食品いろいろ
●さまざまなトマト加工食品…料理によって使い分ける。
ホールトマト・ダイストマト・トマトペースト・トマトピューレ・ドライトマト・吊るしトマト(気候が乾燥しているので、枝つきトマトを束ねるなどして、紐で吊るし、一年くらいかけて皮をシワシワになるまで乾燥させたもの)
●トマトのコンセルヴァ(生トマトから作る保存用瓶詰め)
収穫したトマトを夏の終わりに、マンマ達が年間に家族が食べるトマトソースを作る。レシピは各家庭で異なり、塩・ハーブ・オリーブオイル・にんにく・たまねぎなどを入れたりしてバリエーション豊富。トマトの品種によっても、コンセルヴァのお勧めレシピがそれぞれあったりする。
■試食
●BEZZECCAのオリーブオイル
さわやかで、クセの少なく、グリーンの香り。
●ESSELUNGA DOPPIO CONCENTRATO DI POMODOROのトマトペースト
2倍濃縮にもかかわらず、某日本メーカーの○ゴメの6倍濃縮のものと比較しても、濃度が圧倒的に高く、旨味が強く感じられた。
●Datterini(ミニトマト)のホール缶
塩を入れて、10分煮たものと、そのものをいただく。トマト自体の味が、日本のもの(日本産のトマト、日本で流通している水煮100円缶)とは、コクが違い、旨味が強く感じられた。
●パキーノトマトのオリーブオイル漬け
肉厚なトマトがオリーブオイルに漬けられており、トマトの旨味を感じる。
所感:
イタリアの食文化の基本であるトマトの色々な話を聞けて非常に興味深かった。
ご紹介いただいた食材は、日本では入手しにくいのが残念ですが、
先生もおっしゃっていたように、やはり地産地消ではありませんが、
現地の気候、風土、歴史だからこそ根付いたトマト。トマトのおいしさをはじめ、
イタリアの食は現地へ行って(フードマイルのことも考えて)、
なんちゃってイタリア人になりきって、ボーノ、ボーノと食べてみなければ
本当のおいしさはわからないのだろと感じました。
100円の特売水煮トマトは、きっと中国産のトマトでは?といわれて、
帰宅して確認したら、なんとかストックしているすべての缶、
原産地がイタリアと記載されていたので、ほっと胸をなでおろしたのでした。
レポート作成者:
堀田もと(野菜ソムリエ)
食品会社に勤務し、「家族で囲む楽しい食卓」を使命にレシピ提案などをしています。
現在、娘の離乳食作りに奮闘中の野菜ソムリエです。




