【7/11大阪レポート】ごまかしでないゴマのお話
「ごまかし」でない ごまのお話
開催日時 2010年7月11日
【講 師】 和田 武大 ㈱和田萬 業務管理
【企画・講師】 植谷 佐江子 野菜ソムリエ・雑穀エキスパート・栄養士・漢方養生士
内容:
ごま好きの私にとって、この講座はとても興味があり、参加させていただきました。
まずは、今回この講座を企画された、植谷さんからごまについての豆知識のご紹介。
①ごまは中国では不老長寿の効果があるといわれ、使われていたとか・・・。
同様に、クレオパトラはごまを薬や美容の道具として使っていたとか・・・。
実は、ごまを使った美容というのは、肌のハリやツヤを保つなどがあり、
実際ごまにはそれらの効能がある、とのこと!!
②お次は、セサミストリート。(テレビでも放送されていた教育番組です。)米国で作製された番組ですので、キャラクターも米国らしく、真っ赤なエルモや、黄色のビッグバード、青色クッキーモンスターなど個性的です。
なぜ、セサミストリートというごまが関係した名前がついたのか?17世紀頃にごまが米国に伝わり、テキサス州に住むアンダーソン兄弟がごまの栽培をはじめます。兄弟の尽力もあり、ごま栽培は軌道にのり、ごま栽培は彼らに利益をもたらします。アンダーソン兄弟はごま栽培から出た利益で開拓した土地に小屋を造り、身分や人種の関係なく子供たちに教育を行い、その小屋の建つストリートをセサミストリート、と名づけたそうです。なるほど。
などなど、面白い豆知識を提供してくださりました。
続いては、本日の講師、和田 武大さんのごまについての講座です。
和田さんは国産ごまの栽培に力を入れていらっしゃるごま屋さん、
和田萬商店のまだまだ見習い、とおっしゃっているそうですが、立派な5代目でもあります。
和田萬商店は、1883年(明治16年)創業の老舗ごま屋さん。
のり、しいたけ、おまめさんなどと一緒に置く乾物屋さんとしてのごま屋さんが多い中、
和田萬商店はごまだけを取り扱っていらっしゃる珍しいごま屋さんだそうです。
和田さんからもごまについてのちょっとした豆知識を教えていただきました。
ごまは、5,000年くらいまえからあり、
アフリカからシルクロードを通って中国日本へと伝わってきたもの。
なぜ、「胡麻」と書くのか?胡麻の「胡」は胡の国=中国の西の方の国、という意味を持っています。
胡麻の「麻」は麻の葉に似ているから。
ということで、胡麻は「胡の国(西の方)から伝わってきた麻の葉に似た食べ物」という意味を持ちます。
同様に、胡桃(くるみ)、胡椒(こしょう)なども、「胡」がつくので、西の方(シルクロード)から伝わってきたということがわかります。
中国では、胡麻とは書かず、「芝麻」と書くそうです。胡麻団子は芝麻団子(チーマーカオ)、胡麻ペーストは芝麻醤(チーマージャン)。そういえば、中華街でみたことあるな・・・。
では、本題のごまについて。
ごまには3種類あります。①黒ごま、②白ごま、③金ごま。
大きな違いはごまに含まれる油分。ごまには油分が豊富に含まれています。
中でも金ごまは油分をたくさん含んでおり(60~62%)、味、香り、ジューシーさとも一番とのこと。ごまらしいお料理を作り出したいときは、ぜひ金ごまを!!逆に一番油分が少ないとのが黒ごま(50~53%)。独特な大地のような香りを持つ黒ごまは乳製品(チーズ、アイスクリーム)にとてもあうそうです。ポリフェノールが他のごまよりも多いのも特徴の一つです。白ごまは和食全般にあう万能型。関西地方は白ごまが多く使われており、ごま豆腐や白和えなど素材を高めるときに隠し味として使われています。彩りもきれいですので、白ごまを使ったものは大変好まれます。和田さんいわく「白ごまはとても滋味深い」と。素材を活かし、ほんのり美味しいのが白ごまの味わい、なのだとか。
素材にそってあわせやすいのはやはり、白ごまと金ごま。
乳製品には黒ごまの香りや味が、
ばっさりと切り込んで、素材を引き立てます。
素材によって、ごまを使い分けることにより、よい美味しく感じることができるのだと思います。
和田萬さんの3種のごまの試食をしました。
金ごまを試食した後に白ごまを試食すると、
白ごまの味がまったくわかりません。
恐るべし、金ごま、です。3種のごまを試食した後、
もう一皿追加されます。あれ?白ごま・・・?これも試食してみると、カリカリしています。
後から追加された白ごま。実は100均で購入されたもの。
ごまに色むらが見られます。ごまはもともと平たいもの(生ごま)。
生ごまを煎ると油分が膨張して"ぷくっ"とふくれるのです。
大量生産の場合、火が均一に行かないため、平たいごまとふくれたごまが混じったり、
焦げたものなどが混じるのです。
そうすると、口にした時に苦味やエグ味が残り、後口がよくないのです。
和田さんのところでは、少量のごまを専用の機械に入れ、丁寧にごまを煎っていくそうです。
そうすることにより、むらのない上品な味のごまができるのです。
ごまにはあらいごま、いりごま、すりごま、などの種類があります。
あらいごまは生ごまを水で洗ったもの。パン屋さんではよく使われている種類だそうです。
以前はあらいごまを各家庭で煎っていたそうですが、最近は、ほとんどないかもしれませんんね。
すりごまに関して、興味深いことを教えていただきました。
ごまをする時、すり鉢とあたり棒を使います。そうするとごまの油が外に出て、すり鉢のくぼみ部分についてしまいます。そうではなく、「餅つきの要領で、叩き潰してください。」と和田さん。叩き潰すことにより、油分が比較的に外に飛び出さないのです。スパイスをつぶす要領で、ごまを叩いて下さいとのこと。なるほど、次回実践してみます。
これらのごま。ほとんどが輸入に頼っています。
昨年一年間で消費されたごまは約16万トン。
ごま油に使われたごまは約8万トン。国産ごまは、さてどのくらいなのでしょうか?
なんと、200トン。全体の約0.12%にしか及びません。
ごまの自給率はものすごく低いのです。
日本国内でのごまの産地は、奄美大島の横にある小さい島、喜界島。
ここは国産ごま200トンのうち60トンを生産しています。
白ごまをメインに栽培。
そのほかにも、兵庫県西脇市(金ごま)、丹波市(黒ごま)、大分県清川市(金ごま)、山梨県忍野村(金ごま)、沖縄県とあります。
和田萬さんは国産ごまに力を入れていらっしゃいます。
国内で契約されている農家さんや、(和田萬さんで)奈良県郡山市で畑を借りられ、
無農薬でごま栽培をされているとのことです。日本の種を使ったごまで栽培されています。
農家さんに、毎年採れた種をとっておいて撒いてくださいとお伝えされているとのこと。
やはり、国内産、無農薬には大変なこだわりをもっていらっしゃっていて、手間隙はかかるけれど、
日本の土地で育った美味しいごまを多くの人に食べてもらいたい、という思いが伝わってきます。
その他にも、多くの小学校へ行かれ、ごまの栽培やごまを通じて、食べることの大切さなどを説いていらっしゃいます。
小さい粒のごまではありますけれど、ごまを食べるまでの間には多くの人達の手がかかっていることを知りました。食卓の主役にはならないかもしれません。小粒ゆえ、一度にたくさんの量をとることがなかなかできません。が、ごまには多くの栄養分が含まれています。そして、ごまは多くの食材に使用されています。
和田さんは一日に20グラムのごまを食べましょう、と提唱されています。
白ご飯に少しかける。
納豆と一緒に食べる(大豆にはないたんぱく質をごまは含んでいます。大豆とは相性がよいごまです)。ごまには脂肪分(約50%以上)、たんぱく質(約20%)、カルシウム(10mg:100gあたり1,200mg)、鉄分、リグナンが含まれています。脂肪分といってもリノール酸、オレイン酸といった不飽和脂肪酸を主体にした人間の体に必要なものです。リグナンはセサミンの総称。坑酸化作用があります。老化の原因といわれる活性酸素をを防止する働きを持っているといわれます。冒頭で、クレオパトラが美容の道具に使っていた、という下り・・・あながち嘘ではないかもしれません。
最後に和田さんが「野菜の大切さを生活者の皆さんに伝えるにあたり、一つだけいっておきたいことがあります。」とおっしゃいました。「机上の空論ではなく、経験したことを元に、広めていって欲しい。」ということでした。「経験を元にリーダーシップをとって欲しい。野菜を植えて、育てて、収穫して、食べる。そういった経験をして、野菜の魅力を伝えていって欲しい。」と。実際に和田さんは畑を借りられ、無農薬でごまの栽培をされています。そういった経験をされ、作られている和田萬のごまには説得力があると思います。国産のごまを広めるべく、奔走されている和田さんから美味しいごまを広めていきたいという熱意が感じられました。
今回この講座を企画された、植谷さんから「トマトときゅうりの胡麻和え」、「黒ごま蒸しケーキ」、「白ごまミルクゼリー」を試食させていただきました。
「トマトときゅうりの胡麻和え」はとてもさっぱりとしていて、食べやすかったです。「黒ごま蒸しケーキ」は黒ごまの香りがほんのりと漂い、食欲をアップさせます。「白ごまミルクゼリー」はぺロリ、といけます。ごまは本当にいろいろなお料理に合う万能アイテムだな、と改めて感じました。
たくさんの種類のごまを使った試食を作ってくださり、ありがとうございました。
以上
【レポート作成者】
小関 祐子
プロフィール
野菜ソムリエの講座を受け、農業、農政に関心を持つようになりました。
当たり前のように食している野菜果物は農家の方々の大変な苦労があり存在していることを認識し、
感謝しながら、野菜果物を食しています。






