【東京】青果物流通の現状を知ろう!
◎2010年6月18日(金)19時~21時
日本野菜ソムリエ協会本部セミナールームにて、
農経新聞社代表取締役社長・宮澤信一氏によるプレミア会員限定講座が開催されました。
当協会のシニアアドバイザーでもある宮澤社長の講座を是非聞きたいという方が多数参加され、会場は満員御礼。
キャンセル待ちも出るほどでした。
さて、そのような反響の大きかった宮澤社長による講座のテーマは、
「青果物流通の現状を知ろう!」
1.青果物の生産データ
2.青果物の流通の現状
3.青果物の卸売市場流通で今起こっていること
4.消費者の間で何が起こっているか
5.野菜ソムリエの皆さんに知っておいてほしいこと
上記の項目にそってお話が進められました。
1. 青果物の生産データ
最新の「農林水産基本データ集」を参照しながら、日本の生産現場についてのお話。
・農業生産者の販売額に対する「利益率」の低下には、肥料、苗、あるいは資材等の様々な経費の増大による利益の減少という現状があるということ。
・データ上の数字で作付面積が1割以上減っても、野菜の出荷量が逆に増えているという事実。
・生産に占める農協扱いシェアの減少(特に果実で顕著)の実態。
等々、数字だけでは読み取りきれない生産現場での実状について、詳しくお話をしてくださいました。
2. 青果物の流通の現状
卸売市場を利用する上でのメリット・デメリットを→出荷者から、量販店から、青果商から、あるいは加工メーカーからと、それぞれの立場から見た場合の意図するところの違いを、わかりやすく具体的にお話くださいました。
このことから、立場の違いによって望むこと望まないことの違いがあり、それぞれの業者間での歩み寄れるポイントのバランスが大切になるということが見えてきます。
また、卸・仲卸業者の機能と役割を解説され、出荷者と実需者との間で様々な役割・機能を果たしている割に手数料収入が低率であるという現状が浮き彫りになりました。
3. 青果物の卸売市場流通で今起こっていること
セリの割合が低下(一部の特定品目を除いては)し、そのかわりに量販店向けの相対販売が増加しているということ。より量販店の意向が色濃く反映していることがわかり、大型化する量販店や出荷者と対等に商談できる規模、体力をつけなければ、益々卸・仲卸の経営格差が拡大していってしまうということでした。
4. 消費者の間で何が起こっているか
・直売所が大人気で、年々その数を増やし、年間販売額も大幅増となっているということ。その裏返しとしては、卸売市場経由率が約6割減近くまで低下しているという現状がある。
・勤労者世帯の可処分所得の減少により、食料品への支出も減少傾向にあり、中でも特に果物の消費に一番影響が出ているということ。
・ ワーキングプアの世帯が2割近くに増加しているという景気の影響など。
をあげていました。
以上のようなことから、
5.野菜ソムリエの皆さんに知っておいてほしいこと
という最後のまとめとなっていきます。
なぜ、青果物の摂取量が増えないのか?を考え、日本の青果物をとりまく流通においての様々な事実、現象を知り、ただ「おいしい」ということだけに着目するのではなく、もっといろんな角度から物事を見て、価値は伝えるだけでなく、発見してあげてほしい!という言葉で講座を締めくくられました。
ちょうど2時間のお話でしたが、長年にわたる青果物流通業界の経営指針として流通業者をサポートしてこられた農経新聞社ならではの正しい情報と、それに基づいた鋭い分析をされている宮澤社長の貴重なお話を率直に伺うことができ、改めて野菜ソムリエとして貢献できる道を模索する一つの指標となる内容でした。なかなか聞けない現状を知る貴重なお時間を提供してくださいました宮澤社長、ならびに協会運営スタッフの皆様に御礼を申し上げて私のレポートとさせていただきます。
<文責:野菜ソムリエ・永井洋子>
◇永井洋子プロフィール◇
平成22年2月に野菜ソムリエ資格取得。生活者と販売者との橋渡し役ができる野菜ソムリエとして積極的に活動をしていくべく日々勉強しています。またジュニア食育マイスターとして子どもたちへの食育実践により次世代へ日本の食の伝承もしていきたいと思っています。よろしくお願いします!


