野菜ソムリエによる「野菜教室」レポート
『ブドウで夏の疲労を徹底回復!!』
今回は、テーマ食材の「ブドウ」だけでなく、
かなりの「ワイン」好き!?の方々も集ったと思われる野菜教室(*~ ~*)
ワインアドバイザーの資格もお持ちの梅田先生に、「ブドウ」の魅力や
とっておきの「ワイン」のお話もレクチャーしていただきました。
☆日時:2010.9.15(水) 13:30~15:30
☆場所:野菜ソムリエ協会 大阪教室
☆講師:梅田 晶子 先生(野菜ソムリエ、ワインアドバイザー)
梅田先生は日頃、日曜野菜市や他の場所で、ワインの販売をされていて、
野菜とワインについてのお話等で、お買い物に来られた方々と交流を深められています。
もちろんご自身はワインが大好きで、世界でも有名なワインの産地である
ブルゴーニュ地方にも何度か行かれた程! ブドウの魅力がとっても広がるお話です。
≪内容≫
◆野菜・果物について
◆1日の摂取目標量
◆食生活をチェック
◆もっと野菜・果物をとるコツ
◆テーマ食材 ★ブドウ★ とワインのお話
◆野菜ソムリエおススメの試食 ~2品~
◆野菜・果物について
野菜は、簡単にいうと、「食べられる植物」のことです。
長年かけて、人の手によって、食用に育てられた植物です。
数多くある中で、「日本の指定野菜14種」があります。
ハクサイ・キャベツ・ダイコン・ホウレンソウ・
サトイモ・タマネギ・ネギ・レタス キュウリ・
ナス・ピーマン・トマト・ニンジン・ジャガイモ
これらは、日本国内で出回る野菜のうち、特に消費量が多いもので、国内で
生産や流通に力を入れており、年中どこでも手に入れられます。
野菜の分類にはいろいろありますが、今回は、主に4つ
【緑黄色野菜】・【淡色野菜】・【いも類】・【まめ類】の説明です。
【緑黄色野菜】は、野菜の色ではなく「含まれているカロテンの量」で分類されたもの。
可食部100gあたりのカロテンの量が600㎍(マイクログラム)以上含まれている
野菜です。ただし、トマト、ピーマンなどの野菜については、カロテン含有量が
600㎍未満ですが、摂取量や頻度などを勘案上、緑黄色野菜に含まれています。
代表的な緑黄色野菜として⇒ オクラ・カボチャ・チンゲンサイ・ツルムラサキ・
トマト・ニラ・ニンジン・ピーマン・パセリ・ホウレンソウ 等々があります。
【淡色野菜】は、緑黄色野菜に含まれない、その他の野菜です。
簡単に見分けるポイントとしては、「中まで色がついているかどうか」です。
ナスやとうもろこしなど一見、緑黄色野菜に見えますが、切ってみると
中は白いので、表面に色がついていても、淡色野菜に含まれます。
代表的な淡色野菜として⇒ ハクサイ・モヤシ・キュウリ・ダイコン・タマネギ・
レンコン・ナス・レタス 等々があります。
栄養面では、【緑黄色野菜】は、カロテン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
カロテンは油と一緒に調理することで吸収率が高くなります。【淡色野菜】は
免疫機能を調整する働きがあり、ビタミンC、ミネラル、食物繊維などが
多く含まれています。
【いも類】や【まめ類】などの種類や、特徴、栄養価なども、説明していただきました。
果物は、主に木本性植物から収穫されるものです。但し、イチゴやスイカなどは、
草本性植物から収穫されますが、食習慣上、果物として扱われます。
果物の成分は水分がほとんどですが、炭水化物、ビタミンC、カロテン、カリウム、
食物繊維なども多く含んでいます。また、疲労回復に効果的なクエン酸、リンゴ酸等の
有機酸や、活性酸素を打ち消すビタミンC、E、ポリフェノールも含まれています。
果物を選ぶ時のポイントは、色、かたさ、重さ、香り、見た目だけでなく、
食べ頃の熟度やどのように食べるかによっても、選び方が違ってきます。
◆1日の摂取目標量
日本人の野菜・果物の消費量は、昭和から平成に変わる時期をピークに徐々に低下
しており、果物は平成6年頃をピークに横ばい傾向が見られます。
テキストの、年間の野菜・果物の消費量のグラフではっきりと表れていました。
厚生労働省などが、疾病の一次予防に重点を置いた健康づくり運動の中で
毎日の、野菜と果物の目標摂取量を定めています。
【 野菜350g 果物200g 】
では、好例の、野菜350gはどれくらいの量なのか、用意して頂いた野菜を使って、
実際に計ってみました。『350gの量を視覚で覚えることも大切ですよ』とのことです。
野菜350gのうち、緑黄色野菜を1/3(120g)以上摂取することが望ましいと
されています。
◆食生活をチェック
そしてこちらも好例の、『ベジフル生活を振り返ろう』ということで、
皆さん個人の、朝昼晩、一日の食事を書き出して、食生活を振り返りました。
野菜350g、果物200gを余裕でクリアされている方に、メニューを公開して
いただき、一同その内容の素晴らしさに感心しました。彩り豊かな食卓が浮かびます♪
◆もっと野菜・果物をとるコツ
梅田先生のアドバイスは、『バランス良くとることが大切』です。
野菜や果物の栄養素は、機能もたくさんあり、相互作用があるので、
バランス良くいろいろ摂った方がより効果的です。
そして、野菜や果物をたくさん摂るコツは、『楽しむこと』 。
例えば、旬は、最近わかりにくくなっていますが、やはり旬のものは、味がのっていて
農家さんのこだわりもあり、とても美味しいです。また、産地や直売所へ行って、
農家の方や地元の方との会話を楽しむこと。あとは、加工品も加えてみること。
外食などで、野菜やトマトジュースを選んだり、オムライスにケチャップをかけたり
等々、ちょっとした意識や工夫で摂取量がUPがします。「食事バランスガイド」や他の
資料も見せてくださり、より多く摂取するコツを教えていただきました。
◆テーマ食材 ★ブドウ★ とワインのお話
『ブドウ』は、ブドウ科の落葉つる植物。
原産地は、コーカサス地方、黒海とカスピ海にはさまれた所です。
かつてブドウは、世界一の生産量でしたが、現在では柑橘類に次いで2位になりました。
由来は、古代エジプトでは紀元前4000~3000年頃には栽培され、ワインの醸造も
行われていたそうです。日本には、平安時代に甲州に持ち込まれました。その地である
山梨県はブドウの生産、ワインの生産も国内TOPです。
その他、ブドウの名前の由来や、聖書に出てくるブドウやワインのお話など
興味深い内容をいろいろお話いただきました。
ブドウの種類は、世界で約5000種類も、日本では現在20~30種類あるそうです。
世界ではほとんどがワインなど加工用ですが、日本は8割近くが生食でいただきます。
大きく分けて、黒系、赤系、緑系があります。その中で、全体の1/3を占めている人気
の品種が『巨峰』。世界でも評価が高く「ブドウの王様」と言われているそうです。
その他の品種として、『デラウェア』・『ピオーネ』・『甲斐路』・『マスカット』・
『マスカット・ベリーA』・『ロザリオ・ビアンコ』など、それぞれの特徴なども
ご説明いただきました。
梅田先生がワインの産地であるブルゴーニュ地方へ行かれた時のこと。
一面のブドウ畑が広がっているところもあれば、教会を囲むようにブドウ畑があり、
地元で古くから愛されてきたブドウやワインの文化を感じられたそうです。
ワインの味は、その畑によって全然違うと言われています。例えば、
高級ワインで有名なロマネコンティ、1本100万円が作られるブドウ畑の隣では
1本1万円くらいのブドウ畑だったり・・・。すごい差が出たりするのですね。
梅田先生が現地で試しに、ワイン用のブドウを生で食べてみたところ、皮も固く、
酸っぱくて生食用としては全然美味しくなかったそうです。やはり日本のブドウが
一番美味しい~とおっしゃってました。
今回のタイトルは『ブドウで夏の疲労を徹底回復!!』
その名の通り、ブドウには、夏バテ回復に効果的な栄養素がたっぷり含まれています。
代表的なのが、アントシアニンやレスペラトールなどのポリフェノール。
視力回復、肝機能調整、血圧降下などに効果的な強い抗酸化作用があります。
ブドウのタネにもタンニンという抗酸化作用のある物質があるそうです。
また、ブドウの果糖・ブドウ糖は、体内で消化吸収しやすく、すぐにエネルギーに
変わるので、疲労回復に効果的です。あと高血圧の予防と食欲増進に役立つカリウムも
多く含まれています。
干しブドウは、水分が抜けた分、糖質やミネラルが凝縮されて含有率が高くなるので、
病後の体力回復や、妊娠時の栄養補給に適しているそうです。手軽に食べられるのも
魅力ですね。栄養素は、皮の内側に一番多く含まれているので、生食、皮のままが
オススメです。ジャムや凍らせてシャーベットなど応用アイデアもいただきました。
気になる「ブドウの選び方」についても、4つポイントを教えていただきました。
その中でひとつ、ブドウの粒の表面にふいている白い粉ですが、
これは、ブドウ自らが身を守るために出した物質です。鮮度を見分けるポイントになる
そうです。また、一房の中で、どこが一番甘いものが多い場所か、また保存方法なども、
伝授していただきました♪
最近多く出回っている「種なしブドウ」について。
この「種なし」にするには、開花時期にジベレリンというホルモン剤をブドウの房につけ
花粉の発芽能力を抑えることで、種子ができなくなるそうです。ジベレリンはもともと
植物が持っている成長ホルモンの一種なので、安全性が確認されていて、害はありません。
「種なし」になるには、一房一房、農家の方々の大変な手間がかかっています。
「種なし」栽培の利点と、「種あり」の味の違いも聞いて、
う~む、やはり美味しいものをいただくには、皮をむいて、種をとる手間を惜しんでは
いけないな~、と個人的には思いました。
お楽しみの「ブドウ食べ比べ」タイムです♪
ご用意いただいたのが、左上から時計回りで、『ゴルビー』・『長野パープル』・『ベリーA』。
3品種とも甘くて美味しかったです。同じ甘さでも、爽やかな甘みだったり、
深みのある甘さ、上品な甘さ、などそれぞれ違いが明確にわかり、みなさんの好みも
それぞれでした。注目は『長野パープル』。一房の価格を聞いて、みなさん『え~?!』
と嬉しい声で湧いたほど。外見は巨峰に似てますが、皮ごと食べられます。その甘さは
巨峰とはまた違った甘さでした。個人的に初めて頂きましたが、とても美味しかったです。
3品種を一度に食べられる機会もなかなかありません~!
テーブルの皆さんとも、贅沢なひとときをじっくり味わって楽しませていただきました♪
さて、~フレンチパラドックスをもう一度~『ちょっぴりワインのお話』と題して
梅田先生お得意のワインのお話です。
ブドウには、生食用とワイン用があり、もともと系統が違うそうです。
2大系統として、生食用のアメリカ系と、ワイン用のヨーロッパ系があります。
糖度、酸度、粒の大きさ、栽培時の特徴など、それぞれ違いがあります。
ワインの主なブドウ品種として、赤ワインと白ワイン別にご紹介いただきました。
また、ワインが出来るまでを図でも紹介していただき、「ワインはブドウがそのまま
お酒になったもの」というのをあらためて実感しました。
ワインはブドウ果実に含まれる糖分を直接発酵させるので、基本的に仕込み水として
水を用いません。よって、原料となるブドウの品質がそのままワインの品質となって
表れます。ボトル1本分(約600~800ml)のワインをつくるのに、
ブドウ1kgもつかうそうです。やはり、ワインソムリエのように語りながら!?
じっくりと味わいたいものですね(~ ~)
そして、「ワイン好き」さんには嬉しい ≪赤ワインで健康!≫ のお話。
フランス人の食事といえば、バター、クリーム、ワインを連想しますね。
毎日食べたら健康にどうかしら?と思いますが、フランス人に心疾患が少ないのは
赤ワインのお蔭だそうです。
赤ワインに含まれる、ブドウの果皮や種子に含まれる栄養素、タンニン、フラボノイド
などのポリフェノール類は、動脈硬化の予防、正常細胞がガン細胞に変化するのを
抑える効果があるためです。他にも身体によい効果があります。
ワインはもちろん飲み過ぎは良くありませんが、毎日適量、ビタミンB1を含む食品や、
たんぱく質などと一緒に摂取すれば、生活習慣病予防にもなります。
梅田先生のひとことアドバイス☆「たっぷり野菜とちょこっとワインで、
楽しく、健康的な食生活を!」
これなら、毎日でも、気持ちよくワインとお食事を楽しめますね♪
◆野菜ソムリエおススメの試食 ~2品~
さあ、お待ちかねの試食タイムです♪
こちらが、「鶏肉のソテー、まるごとブドウソース」
フランスの郷土料理からヒントを得て作られたそうです。
試食ながらも、嬉しいお洒落なフレンチの盛り付け☆
お料理の出来上がり直後は、もっと色鮮やかだそうです。
鶏肉の淡泊な味が、とてもフルーティに変化して、大変美味しくいただきました。
普段は鶏肉が苦手だが、今回は食べられました!という方がいらした程です。
今回は少し甘めのレシピでご紹介させていただいた、とのこと。
個人のお好みで、ブドウの酸味をもっと利かせたり、色々楽しみが広がる逸品です。
ブドウのピュアな果実味も十分に楽しめます。
そして、デザートの「ブドウまるごとムース」
お料理もそうですが、このムースに、白ワインもたっぷり使われているので
香りも豊かで、まさに大人のデザートです。
今回、巨峰の鮮やかな紫色が出ています。マスカットなどの白ブドウでも
色目や味の変化を楽しめるので、オススメだそうです。
ブドウのほど良いつぶつぶ感も楽しめて、上品な甘さと香りで、大変美味しかったです。
ソースなども、とても手間がかかり大人数のご用意は大変だったはずです。
大変お疲れ様でした。
そして、贅沢な美味しいひとときをどうも有難うございました。
☆まとめ☆
最後に梅田先生から、日常の食生活に素敵なアドバイスをいただきました。
野菜や果物にもっと興味を持つと、
健康的な食生活だけでなく
様々な角度から楽しめる知識、そして、たくさんの魅力を発見できます
それが、今後の食生活にうれしい変化をもたらしますよ
白ワインのほろ酔い気分と、芳香なブドウの香りに包まれて、講義終了。
いつになく、大人の贅沢なひとときを感じられた野菜教室でした♪
有難うございました。
レポート作成者 : 溝渕 潤子
野菜ソムリエ
ベジフルビューティーセルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター