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【9/23大阪レポート】小さな薬味の大きな役目

VMCレポート
『小さな薬味の大きな役目』
     ♪ 飾りじゃないのよ 薬味は ハッハ~ン♪

刺身、天ぷら、蕎麦、そうめんなど、和食に欠かせないのが『薬味』 。
そもそも『薬味』って何でしょう? 薬味はなぜそこに添えられているの?
薬の味と書くのは、薬の味がするため? それとも薬の役割があるため?

『薬味』にはどんなものがあるのか。。。どうやって食べればいいのか。。。
『薬味』を知れば、もっと食生活が豊かになる♪ と、
『薬味のチカラ』を、植谷先生がレクチャーしてくださいました。

☆日時    : 2010. 9. 23.(木・祝) 14:00~16:00
☆場所    : 野菜ソムリエ協会 大阪教室
☆講師・企画 : 植谷 佐江子 先生 (野菜ソムリエ・栄養士・漢方養生士)
   
植谷先生は、普段は料理研究家としてもレシピ開発や講師など、多忙に活躍されていて、
最近では、テレビ出演もされました!
他にも雑穀エキスパート、世界のお茶マイスターなどの資格をお持ちです。
今回の『薬味』に、日本料理の歴史なども加えられ、幅広く、奥深~いお話に、
「笑い」のエッセンスもたっぷり、あっという間の楽しい2時間でした。

Photo_2

≪内容≫ 

◆和食になくてはならないもの
◆薬味ってどんなもの? 
◆薬味の役目
◆薬味の種類
◆薬味のチカラ

◆和食になくてはならないもの

 植谷先生が、みなさんに問いかけられます。
 『みなさん、例えばお素麺をいただく時、どんな薬味を入れられますか?』
 回答には、『ネギと生姜は必ず!』とか、『ミョウガ、青シソ・・・』等々。
 お素麺ひとつにしても、各ご家庭での定番の薬味も様々。
 『あら~、お宅はそうなの~?』『我が家はね・・・』 といきなりの盛り上がり♪

 次に、一枚の写真を見せてくださいました。

Photo
 
お刺身が、彩り豊かに盛り付けされています。
『さぁ~、お刺身をいただきましょう~』と、その前に、よ~く見てみてください。
お刺身って何種類ありますか?  実は・・・・・、

意外にも、たったの『2種類』・・・・・が正解です。
あとは薬味が、なんと6種類も。
大根(けん)、ワサビ、青しそ、等々。
もしも、この6種類の薬味がなかったら、なんとも殺風景ですよね。
お題どおり正に、小さな薬味が集まって、大きな役目をしています。

また、「つまもの」と「薬味」の違いも、説明してくださいました。
徳島県で、高齢者による「つまもの」ビジネスのお話も、大変興味深かったです。

主役を存分に引き立てている薬味たち。
和食には欠かせないものです。
こんなにも重要な役割をしているのに、あまり個々では注目されてこなかった薬味に
植谷先生が迫ります。

◆薬味ってどんなもの? 

 「薬」と「味」と書いて薬味。「くすり」と関係があるのでしょうか。
 その歴史をひも解くと、中国最古の薬の書物である「神農本草経」に辿りつきます。
 食物には、5つの味「甘・苦・酸・辛・鹹(塩味)」があり、
これらを元に食物が分類、調合されたことにより、
この「五味」を次第に「薬味」と呼ぶようになりました。

 日本の食文化で「薬味」が定着したのは、いつ頃からなのでしょうか。
 
 日本原産の野菜の中に、現在の「薬味」の野菜がいくつかあります。
 山椒・みょうが・浜防風・わさび 等々。

 3世紀頃の書物「魏志倭人伝」では、「しょうが・たちばな・山椒・みょうがは
あるが、おいしい食べ方を知らない」とあり、まだ馴染がない様です。

 禅寺の山門の石に刻まれていた、「不許葷酒(肉)入山門」とは、
 僧侶に対して、肉や生臭い野菜を食べたり、酒を飲んだものは、修行の場にふさわしく
ないので、立ち入りを禁ずる という意味です。
 この「葷(クン)」と呼ばれるにおいの強い野菜が
にんにく・らっきょう・にら・ねぎ・しょうが。
僧侶を慕う一般人も徐々にこれらを食べなくなったそうです。

その後、室町時代に、武家の包丁の文化を経て、
調味・調理とだしの文化である日本料理が誕生しました。

この頃、中国医学、いわゆる【漢方】が日本へ伝わり、
「生姜」が「加薬味」・「加薬」・「薬味」・「辛み」として、
一般的に使われるようになりました。

それから、江戸時代に、「加薬」=「味付けがされているもの・具のこと」として
「かやくご飯」が登場しました。

そうして、「薬味」は漢方薬の主薬の補助的な役目として、
「加薬」は、料理にそえて味を引き立てるものとして、定着していきました。

この頃の料理書物には、「かやく」や「やくみ」にも、
いろいろな漢字があてられていました。
「加役」は、主役となる食材に加えること。
「加益」は、益になるものを加えること。
「役味」は、役にたつ味のこと。 
また、七味唐辛子や、一味唐辛子として、「味」は、
薬を数える単位として、使われていました。

他にも、日本だけでなく、中国や韓国、タイなどのアジアの代表的な薬味や
ヨーロッパやアメリカの薬味も、ご紹介いただきました。

◆薬味の役目

お料理の美味しさや楽しみは、味や見た目だけでなく、五感で味わいますね。
最近では、柔らかくて美味しい、など、食感でも表現されることが多くなりました。

薬味の役目は、最初の写真で見られた「彩り」だけでなく、他にも様々です。
香辛料的な「香り」、
旬の薬味を使って「季節感」を出したり
ごまやクルミなどで芳ばしい「風味」、 
「味に変化をもたらす」辛味料や、
「臭みや生臭みをなくす」ために実用的な臭味料、などがあります。

◆薬味の種類

 日頃、家庭で使ったり、外食で楽しませてもらう薬味。
 いろいろ見掛けますが、植谷先生に、わかりやすく分類していただきました。

 薬味の種類として、
 野菜類・柑橘類・根菜類・種子類・香辛料・加工品 です。

 【野菜類の薬味】
 緑色の鮮やかなものが多く、料理に彩りを添えます。

  ・葉や茎の部分を使用するものとして
   ⇒ ネギ・三つ葉・唐辛子・オクラ・みょうが
  ・刺身のつまものとして
   ⇒ しそ(大葉)・穂じそ・たで・大根・防風
  ・薬効を期待される山菜として
   ⇒ せり・ふきのとう・うど・タラの芽・行者にんにく等
  ・スプラウトとして
   ⇒ 豆苗・貝割れ大根・ブロッコリー・マスタード・ルッコラ等

 これらの野菜類の薬味を、歴史、作用、使い方等も加えて、ひとつひとつ、
丁寧に説明してくださいました。
 
 例えば、「ネギ」。
 「日本書記」に秋葱(アキ)と記載されており、
平安時代には主要野菜のひとつで、肉や魚の臭みを消したり、
 咳や痰を鎮めるのに、活用されていました。
 ネギの種類にも大きく分けて、加賀系・千住系の白ねぎ(根深ネギ)と、
九条葱・なんば葱・万能葱である青ねぎ(葉ネギ)があります。
ビタミンA、ビタミンC、カリウムなど、栄養素も豊富に含まれています。
  
 【柑橘類の薬味】
  柑橘類は総括して、その香りや酸味が、料理にさわやかな芳香で、
風味をプラスしてくれます。

  ・皮の部分をすりおろして添えるものとして
   ⇒柚子・すだち・レモン
  ・皮の部分を刻んで添えるものとして
   ⇒柚子(針ゆず)・すだち・レモン
  ・果汁を搾ったものを使うものとして
   ⇒かぼす・すだち・シークヮーサー・レモン・ライム・橙 等

  その中で、「柚子」。
  日本書記に続く「続日本紀」に、柚子は奈良時代には栽培されていたとあります。
  江戸時代には、酢の代わりにポン酢=調味料として使用されていました。
  

 【根菜類の薬味】
  味にパンチを効かせる薬味の定番です。

  ・生のまますりおろして使用するものとして
   ⇒生姜・わさび・にんにく・大根・ホースラディッシュ 
  ・乾燥させて香辛料に使用するものとして
   ⇒生姜・わさび・にんにく 等

  この中で、「生姜」。
  近年、ジンジャラーも登場するほど、体ぽかぽか、冷えない体づくり等で注目
  されています。
  昔から、漢方薬の原料として使用されています。
  根茎の部分を利用するのですが、同じ生姜でも、
  新しょうがは、まろやかな風味があり、ひねしょうがは、辛みが強く、
  繊維質が多いのが特徴です。また、はじかみ生姜として葉しょうがも
  天ぷらや和食には欠かせない薬味として活用されています。
  効能として、青魚に多い寄生虫など殺菌作用があります。
  切り方には、おろしたり、細い千切りとして針生姜として、辛みも香りも
  活用されています。

  香ばしさをプラスする【種子類の薬味】や、
調味料的な存在である【香辛料の薬味】、
梅肉や鰹節、青のりなど、【加工品の薬味】も、それぞれ、活用法なども交えて
詳しく説明していただきました。

◆薬味のチカラ

  薬味の世界が広がり、あらためていろいろな種類、奥深さを再認識しました。
  古くから現代に至るまで、長年にわたりずっと使われ続けてきたそれぞれの薬味は、
  料理を五感で楽しむだけでなく、やはり、その【チカラ】も大きな存在です。

植谷先生に、またわかりやすく、その【チカラ】を分類していただきました。

 ・食欲をそそることによって ⇒ 夏バテ防止に!
  ねぎ・にんにく・たまねぎ・唐辛子・山椒などなど
  それぞれに含まれる辛味や成分は、消化器の粘膜を刺激し、
  中枢神経を通じて、消化器への血流がUP、消化器の分泌もUPし
  食欲がモリモリと湧いてきます。
  
 ・身体を温める・発汗作用に
  例えば、唐辛子には、体の末端を温める作用があります。
  最近では、温め効果に、唐辛子を練り込んだ肌着や靴下も登場しているそうです。
  同じ温め効果でも、体の内臓を温めてくれるのがショウガです。
  唐辛子のひりひりする辛さと違って、ショウガは清涼感のある辛さです。
  しょうが湯などは、風邪の初期症状に効果的です。

  ・抗菌・殺菌効果に
   主にお刺身などで活用されている、しそやわさびには、
   強い殺菌力があり、細菌の増殖を抑制する働きがあります。
   他にも、がん細胞を抑制する働きがある大根や、にんにくにも
   たくさんの効果効能があります。

  その他、【薬味のチカラ】として、特に女性がとっても気になる
「老化防止・アンチエイジング」の働きや、「消化吸収を促進」、
「滋養強壮・疲労回復」や、「脂肪燃焼・ダイエット効果」なども
 説明していただき、私自身も含めて、みなさん、メモを取る手が全く止まらない
ほど、とても熱心に聞き入っておられました。
    
 さらに、薬味の調理法や、使い方も、教えていただきました。
 【薬味】の薬効成分に期待して、摂り過ぎたりすると、時には下痢やおう吐の原因
になるので、注意が必要とのことです。
 また、料理や調理法によって、相性の良さがあるので、
 いろいろ組み合わせて、効果的に活用することがポイントになります。

 最後に、グループ毎に、『我が家のオススメの薬味の使い方』を情報交換しました。
『薬味』がテーマで集まっただけあって、薬味に興味のある方や、既に薬味を活用し、
いろいろブレンドして飲んで楽しんでおられる方もいらっしゃいました。
たくさんの薬味の種類は、それぞれ知れば知るほど、自分の好みがわかったり
楽しみ方が増えるそうです。また同時に、その効果効能で、その日の気分や体調に
合わせて、健康のためにも、続けられるとのこと。
薬味ならではの、大きな役目ですね。

 私個人的には、生姜やニンニク、青しそなど、お弁当の殺菌作用として
 活用することが多かったのですが、アンチエイジングなど、たくさんの種類や
嬉しい効能を教えていただけたので、もっと色々活用していきたい!
と強く思いました。
 
 最後に、高知県農業振興部の方から、高知野菜のご説明もあり、
高知野菜や、今回の薬味などのお土産もいただきました♪

Photo_3

 副題どおり、『飾りじゃないのよ 薬味は ハッハ~~ン♪』と納得!
 頭の中でメロディーとなって、薬味の大きな役目は、とても強く印象に残りました。

植谷先生、たくさんの貴重なお話をどうも有難うございました!
2時間なのにあっという間でした。とっても有意義で楽しいひとときでした。
大変大変お疲れ様でした。
 
レポート作成者 : 溝渕 潤子
野菜ソムリエ
ベジフルビューティーセルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター