【東京1/10】青果物流通の裏側
《講座名》青果物流通の裏側
《日時》2011年1月10日 19:00~21:00
《場所》日本野菜ソムリエ協会A教室
《講師》株式会社まつの 松野貞文社長
-------------------------------------------------------------------------
2011年最初のVMC講座は、当協会の理事で、物流専門企業「株式会社まつの」
松野貞文社長による青果物流通の裏側という大変興味深いお話でスタートしました。
なかなか聞くことのできない流通の現場の声とあって、外の寒風もなんのその、
コート掛けにはずらりとコートが並び、関心の深さを物語っていました。
【ターニングポイント】
「株式会社まつの」のターニングポイントはフリルレタスを日本に広めた事にあります。
当時、雪印種苗が日本で初めてオランダからフリルレタスを仕入れ、製品化して販売を試みましたが、
うまくいかず、「株式会社まつの」に販売を依頼しました。
栄養価、見栄えの良さ、他の野菜とトッピングした時の立ちの良さなど抜群ですが、
広く認知されるまでには、たいへん険しい道のりでした。
【夏を征するもの】
鮮度の良い物をきちんと届けるためには、真夏を征しなければなりません。
標高を高くするか、緯度を上げる必要があり、松野社長は長野県川上村、
菅平高原にバキュームクーラー装置のある集荷センターを完備しました。
これによって芯まで冷やすことができ、日持ちして遠隔地まで発送可能となります。
真夏のたった3ヶ月間しか稼働しない施設のための巨額の投資には疑問視する声も聞かれたようですが、
現在では同業他社から貸してほしいと依頼があり、快く貸し出されているそうで、太っ腹ですね。
【日本初の流通システム】
鮮度の良さも味も抜群の今朝取り野菜や、EOSシステムをいち早く導入して、
夜中の12時の発注でも翌日のランチタイムまでに納品可能にしました。
外食店の厨房が小さくてすみ、客席を増やせ、ストックがいらないというメリットを産み、
また、全国統一の価格・商材・品質での納入が可能になりました。
【過不足の調整】
外食産業では、メニューはお客さまとの契約であり、納品に欠品がでることは絶対に許されないそうです。
反対に、多く出来すぎてしまったときや、規格外のものは受け入れ先を見つける必要があるなど、
需要と供給のバランスは難しく、過不足の調整が最大の課題となっています。
【可視化で記録】
スピードアップのための置き納品では、欠品のクレームがしばしばあったそうです。
受け入れ側の勘違いによるものが多いので、ピッキングセンターをすべて可視化し
記録することで対応策としたところ効果があり、ピック者の意識も向上しました。
【日本の農業の現状】
室温13度に保たれたピッキングセンターで働く多くは、中国人です。
川上村にも中国から5,000人もの研修生がやってきます。
現代の日本の若者に足りない粘り強さ、懸命さで仕事をこなしています。
日本の農業は中国の人々によって支えられているのが現状です。
【日本の農業のこれから】
松野社長は、ご祖父様、お父上様が営んでいられた青果業を子どもの頃からお手伝いされ、
中学生の時には、野菜の店頭販売価格を決めていらっしゃったそうです。
その後、青果物の転送業や競売など青果に関係するあらゆることを経験されました。
すべてを知り尽くしたからこそ、いろいろな問題点に気付き、それを壊していかなければならない、と思われたそうです。
現在、日本の農業は岐路に直面していますが、高品質で、安全な日本の野菜は世界で勝負できるので、
国を開いていくべきと強調されました。
講座の後半は質疑応答の時間では、「核心をついた質問ですね。」
と松野社長をうならせる質問が次々に寄せられ、大盛況。
シリーズ化を望む声も聞かれました。
「私が食べたいと思った野菜を食べてもらいたい。それにはどうすればいいか?を考えてきた。」
ここに、松野社長の思いが凝縮されていて、「株式会社まつの」の発展の原点があるようです。
-------------------------------------------------------------------------
レポート作成者:野菜ソムリエ 宮崎昌子
野菜・果物をまるごと食べて、心も体も元気いっぱいになって欲しい八百屋です。
野菜・果物の情報・豆知識・簡単レシピを織り交ぜたメルマガを毎営業日に発信しています。


