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2011年1月

【12/28大阪レポート】ベジフルラボ サツマイモ 

ベジフルラボ レポート
『野菜・果物のホントの話  ~サツマイモ~』

VMCで新企画としてスタート、早くも人気の『ベジフルラボ』
毎回テーマを決めて、その食材の食べ比べや、野菜・果物にまつわる
普段から半信半疑に思っている様々な不思議について、実際に検証します。

ラボとは、研究・実験。
つまり、テーマに仮説を立てて、実験、検証することです。
この過程を分かりやすく導いて下さるのが、シニア野菜ソムリエの西野慎一先生です。

☆日時 : 2010.12.28(水) 14:00~16:00
☆場所 : 日本野菜ソムリエ協会  協会本部大阪教室
☆講師 : 西野 慎一先生(シニア野菜ソムリエ、ベジフル入門講師)

今回のテーマは『サツマイモ』

Photo_2

中でも、新品種「クイックスィート」(高知県産)も登場!
個人的にはまだ食べたことがないので、とっても楽しみです♪

Photo_3

◆はじめに、『サツマイモ』のお話から。

全国で出荷量ダントツ1位は鹿児島県。
特に関西でよく見かける「なると金時」など徳島県は、意外にも5位。
2~4位の産地品も見掛けないのは、主に焼酎用、澱粉用や加工用などに
使われているからです。
実は現在、サツマイモは68品種!ありますが、青果用として、
一般の生活者が目にするのは、ごく一部だそうです。

サツマイモは、掘り出してから貯蔵され、貯蔵中に、澱粉が糖に変わります。
貯蔵中の腐敗を防止する技術=キュアリングによって、
貯蔵期間が長期化され、一年中、スーパーなどで手に入ることができます。
実はその中でも、見た目がキレイな時期、品質が安定している美味しい時期
があることも教えていただきました。

近年サツマイモの消費量は、加工品は別として、青果用は減少しているそうです。
でもここで見逃せない、ある調査結果が。
2008年、好きな野菜ランキング、総合順位は14位ですが、
男女年代別の女性16歳~29歳では、サツマイモがダントツ1位なんです。
ファッション雑誌などで、この世代向けのアピールも、今後してみては、とのこと。

話は戻り、サツマイモの消費量が増えないおもな理由は、
時間がかかったり、調理が面倒なところ。
そこで、シリコンスチーマーでも大活躍、簡単便利な調理家電の電子レンジ。
この電子レンジで、時短で美味しく食べられる様に開発されたのが
「クイックスィート」
今回、ラボの注目のひとつ、「クイックスィート」は、
蒸した場合と電子レンジとで、本当に、甘さ、美味しさの違いが出るのか!?
3段階の実験で、検証していきます。
  

◆実験1:食べ比べ評価

 まずは、調理前の外観=皮の色、形で判断。
 サツマイモの皮を少し拭き取っていただき、
その鮮やかな紅色も確認。各自、美味しさを予想します。
小話として、形と大きさ、関西と関東で好みの違いがあるのだそうです。

Photo_4

そして、実際に食べ比べてみます。
 調理方法は、【蒸】

今回ご用意していただいたのが、5品種。
左下から時計回りで、
クイックスィート(高知) ・ ベニハルカ ・ベニオトメ ・ 金太郎 ・ ベニアズマ
 (以上4品種は鳥取)

 結果、見た目の色が薄い⇒辛口評価、食べてみると、実は甘~い味に、反省。
 他の方の評価を見ると、美味しさの決め手として、食感も重要です。
いくら甘くても、パサパサしたり、逆にねっとりし過ぎると、減点に。
ほどよいしっとり感、キメの細やかさも、大切な要素の様です。

しかしながら、ここでサツマイモの幅広さ、深さを実感するご意見が。
蒸してそのまま食べなくても、スィーツなどで加工したり、
天ぷらやお味噌汁に入れて塩味を加えたらもっと美味しいかも!とのことです。

◆実験2:糖度の理論値を計測 (調理方法:電子レンジ)

 調理前・生のサツマイモと、調理後の糖度を測定します。

すりおろし作業など、写真を取る間もなく、結構大変でしたが、
生のものは、澱粉粒を除く高級フィルターを使ったり、
調理後のものは、水分割合で計算したりと、実験そのものを堪能できました。
糖度計のラインがぼやけやすく、数値決定にグループ談義も盛り上がります。

 結果、実際食べた甘さの違いと、糖度計の数値に納得。
 調理によって、グンと糖度が上昇する品種も発見。貴重な体験でした。

 ◆実験3:2品種で食べ比べ&糖度の計測

ここで、『ベジフルラボ』における、テーマ設定 ⇒ 実験 ⇒ 検証 します。

テーマは、【電子レンジでの調理はおいしくないの?】

 お外でいただく「石焼きいも」、バツグンに美味しいですよね。
 お家で1時間もかけて炭火焼きもなかなか出来ないので、手っとり早くレンジでチン。
 でも、あのバツグンの美味しさは、なかなか再現されません。
 そんなお悩みを解消すべく開発されたのが「クイックスィート」。
 レンジでも甘くて、ねっとりした食感で喉ごしの良さが売りです。
 食べ比べのお相手は、関東の主要品種で甘さが定評の「ベニアズマ」。
 「クイックスィート」の母体でもあります。

Photo_5

結果、調理による糖度上昇の数値が、「クイックスィート」の方が
倍の数値になった班もあり、自分で実験&検証に、驚きと喜びに沸きました。

・・・とここで終わらないのが、西野先生。
数値で検証できたものの、「そもそもサツマイモは、調理法によって
どうして甘さに変化がでるの?」 という疑問にも、
わかりやすく説明してくださいました。

サツマイモの調理法として、焼く、蒸す、茹でる、圧力鍋、電子レンジと様々。
調理時間、火力、調理温度にも差がでます。
甘さには、サツマイモに含まれる酵素の働きと、糊化温度が関係しているとのこと。
酵素は、糊化温度で働きに違いが出ます。
「クイックスィート」は、電子レンジに合わせて、酵素が低温でも働いて
糖化を進める=迅速調理性という新しい特性を持っています。

今回、それぞれの品種の味、食感、甘さの違いを実際に知り得たことで、
今後、地方でも見かけたら、色々な品種を味わってみたいと強く思いました。

高知県農業振興部の山下様から、「土佐の菜」と題して、
高知県の代表的な野菜やエコシステム栽培のご説明があり、
「クイックスィート」のお土産までいただきました♪

西野先生にサツマイモの甘さについて、実験だけでなく理論でも教えていただき、
お家ではなかなか体験できない、大変有難く、とても貴重な機会でした。
協会の方々の大変な準備も含めまして、改めまして大変感謝しています。
有難うございました!

レポート作成者 : 溝渕 潤子

野菜ソムリエ
ベジフルビューティー・セルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター

【東京1/10】青果物流通の裏側

《講座名》青果物流通の裏側
《日時》2011年1月10日 19:00~21:00
《場所》日本野菜ソムリエ協会A教室
《講師》株式会社まつの 松野貞文社長


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 2011年最初のVMC講座は、当協会の理事で、物流専門企業「株式会社まつの」 
松野貞文社長による青果物流通の裏側という大変興味深いお話でスタートしました。

なかなか聞くことのできない流通の現場の声とあって、外の寒風もなんのその、
コート掛けにはずらりとコートが並び、関心の深さを物語っていました。

【ターニングポイント】
「株式会社まつの」のターニングポイントはフリルレタスを日本に広めた事にあります。
当時、雪印種苗が日本で初めてオランダからフリルレタスを仕入れ、製品化して販売を試みましたが、
うまくいかず、「株式会社まつの」に販売を依頼しました。
栄養価、見栄えの良さ、他の野菜とトッピングした時の立ちの良さなど抜群ですが、
広く認知されるまでには、たいへん険しい道のりでした。

【夏を征するもの】
鮮度の良い物をきちんと届けるためには、真夏を征しなければなりません。
標高を高くするか、緯度を上げる必要があり、松野社長は長野県川上村、
菅平高原にバキュームクーラー装置のある集荷センターを完備しました。
これによって芯まで冷やすことができ、日持ちして遠隔地まで発送可能となります。
真夏のたった3ヶ月間しか稼働しない施設のための巨額の投資には疑問視する声も聞かれたようですが、
現在では同業他社から貸してほしいと依頼があり、快く貸し出されているそうで、太っ腹ですね。

【日本初の流通システム】
鮮度の良さも味も抜群の今朝取り野菜や、EOSシステムをいち早く導入して、
夜中の12時の発注でも翌日のランチタイムまでに納品可能にしました。
外食店の厨房が小さくてすみ、客席を増やせ、ストックがいらないというメリットを産み、
また、全国統一の価格・商材・品質での納入が可能になりました。

【過不足の調整】
外食産業では、メニューはお客さまとの契約であり、納品に欠品がでることは絶対に許されないそうです。
反対に、多く出来すぎてしまったときや、規格外のものは受け入れ先を見つける必要があるなど、
需要と供給のバランスは難しく、過不足の調整が最大の課題となっています。

【可視化で記録】
スピードアップのための置き納品では、欠品のクレームがしばしばあったそうです。
受け入れ側の勘違いによるものが多いので、ピッキングセンターをすべて可視化し
記録することで対応策としたところ効果があり、ピック者の意識も向上しました。

【日本の農業の現状】
室温13度に保たれたピッキングセンターで働く多くは、中国人です。
川上村にも中国から5,000人もの研修生がやってきます。
現代の日本の若者に足りない粘り強さ、懸命さで仕事をこなしています。
日本の農業は中国の人々によって支えられているのが現状です。

【日本の農業のこれから】
松野社長は、ご祖父様、お父上様が営んでいられた青果業を子どもの頃からお手伝いされ、
中学生の時には、野菜の店頭販売価格を決めていらっしゃったそうです。
その後、青果物の転送業や競売など青果に関係するあらゆることを経験されました。
すべてを知り尽くしたからこそ、いろいろな問題点に気付き、それを壊していかなければならない、と思われたそうです。

現在、日本の農業は岐路に直面していますが、高品質で、安全な日本の野菜は世界で勝負できるので、
国を開いていくべきと強調されました。

講座の後半は質疑応答の時間では、「核心をついた質問ですね。」
と松野社長をうならせる質問が次々に寄せられ、大盛況。
シリーズ化を望む声も聞かれました。

「私が食べたいと思った野菜を食べてもらいたい。それにはどうすればいいか?を考えてきた。」
ここに、松野社長の思いが凝縮されていて、「株式会社まつの」の発展の原点があるようです。

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レポート作成者:野菜ソムリエ 宮崎昌子

野菜・果物をまるごと食べて、心も体も元気いっぱいになって欲しい八百屋です。
野菜・果物の情報・豆知識・簡単レシピを織り交ぜたメルマガを毎営業日に発信しています。

【福岡】実るプロジェクトvol.2:「段取力」

「実るプロジェクト」 テーマ「段取力」 レポート
活動日時:2011年1月14日(金)18:30~21:00
講  師:田中稔先生
開催場所:福岡支社

まず野菜ソムリエとしてお仕事を依頼された場合の「仕事の流れ」について。
こちらは実際に放送された料理番組での出演依頼に基づいて、どのようなやり取りを
しながらお仕事を進めていくのかを説明していただきました。

仕事の流れ
・ 内容の把握
・ 期日・ギャラの確認
・ メニュー提案・レシピ製作・試食会・決定・撮影又はデモンストレーション
・ 材料表の書き方
・ 撮影の段取り 仕込みと仕上げ
・ デモンストレーションの段取り 材料見せ・差し替え・器具一覧表の書き方
・ 請求書の書き方

①レシピを決める
レシピ内容の提案のポイント!
多くの方に作っていただけるように、日常で作りやすいレシピを提案する。
旬の食材を使う。
  ↓
選択して決定した食材でどんな料理にするかの具体的な提案を行い、レシピの決定。

②材料のリスト作成し、買出しに行く。
リストはスーパーの陳列順に作成し、買出し時間の手間を省く事ができる。
リスト:野菜→魚介類→肉類→乳製品→調味料その他

③器具リストの作成。イラストで描くと準備し忘れを妨げる。
差し替えの際は鍋(フライパン)が二つ必要な場合もある。
 野菜をのせるバットや調味料、小食材入れのパイレックスも忘れずに準備する。
きちんと梱包し、荷物はコンパクトにまとめましょう!

田中先生の畑で採れた人参を使って3品調理デモンストレーションをしていただきました。

「人参のサラダ」
塩もみした人参はシャキシャキ感があり、素材のやさしい甘味が広がりました。
彩りもとても綺麗です。

Photo_2

 

「人参の明太バター炒め」
プチプチとした明太子がいい食感です。
センス感じる器でお料理が映えています。

Photo_3



「人参とかぼちゃのスープ」

とてもクリーミィでほっと落ち着くスープです。
合わせていただいたパンもとても美味しかったです!

田中先生の明るくて楽しいお話を聞きながら本当にSHOW(ショー)であるかのような調理デモンストレーションでした。

調理デモンストレーションのポイント!

1.お客様を楽しませ、飽きさせないようにすることが大切!
野菜のこと、レシピの応用、食材の代用等の情報も伝える。

2.レシピには必ず「お土産」を伝える。
お客様が知りたい調理のポイントを必ず告げる事が必要です。

3.野菜のカットは時間がかかるものは事前にカットして準備しておく。
見て、知って欲しい切り方は目の前で実演する。

請求書について。

1.プロフィールや名刺を作る。
仕事を受ける体制をきちんと作ること。

2.料金表を作る。
業務内容、レシピ提案、企画等の詳細がのった料金表を必ず提示する。

3.料金の提示は自分でしにくい際は、マネージャーを通し、金額提示する。

<この講習を受講して>
私は今回初めて田中稔先生の講習を受講しました。
終わってみると先生の明るく、楽しいお話であっという間の二時間半でした。
仕事を上手くこなす段取り。
ちょっとした一工夫をする事で、お仕事を綺麗に短時間でする事ができます。
それは毎日の積み重ね、経験ではありますが、改めて、仕事のポイント、
注意点を見直すことができました。
私も同じお仕事をしているので、大変勉強になりました。
デモンストレーションのお料理も全て美味しくて完食!!
料理の手際の良さ、盛り付けのセンスを感じました。
必ず、お客様にお土産として調理のポイントを伝え、お客様が来て良かった!
いい情報を得た!と喜んでいただくことが大切です。
ポイントを絞って伝えることで講師の個性を出し、お客様を喜ばせる!こと。
田中先生の絶え間ないお話は聞き入ってしまいました。
楽しく、そして美味しく素敵な講習会でした。有難うございました。

<レポート作成者> 
野菜ソムリエ 久保ゆりか

【12/15大阪レポート】ベジフルラボ 「イチゴ」

ベジフルラボ レポート
『野菜・果物のホントの話  ~いちご~』

VMCで新企画としてスタートした『ベジフルラボ』
毎回テーマを決めて、その食材の食べ比べや、野菜・果物にまつわる
普段から半信半疑に思っている様々な不思議について、実際に検証! 

ラボとは、研究所、実験という意味です。
テーマがあり、仮説を立てて検証することが、研究、実験です。
その『ベジフルラボ』で導いて下さるのが、
シニア野菜ソムリエの西野慎一先生です。

Photo

☆日時 : 2010.12.15(水) 14:00~15:00
☆場所 : 日本野菜ソムリエ協会  協会本部大阪教室
☆講師 : 西野 慎一先生(シニア野菜ソムリエ、ベジフル入門講師)

今回のテーマは『いちご』

≪実験その1≫で、「いちごの食べ比べ」、
≪実験その2≫では、「糖度を測定」です。
≪実験その1:いちごの食べ比べ≫

今回ご用意して下さった3品種。

左下から時計回りで、
あまおう(福岡)・さちのか(香川)・おおきみ(佐賀)

Photo_2

平成に入ってから21年まで、大阪3市場の『いちご』産地別で、
長崎に次いで、シェアをぐんぐん伸ばしている3県の、
フレッシュないちごが集結。

普段ではなかなか味わえない、贅沢な食べ比べに、
手もなかなか出ない・・・・・合間に・・・・・(~ ~;)
西野先生から、「関西でのいちご産地の推移」の
説明をしてくださいました。

奈良や徳島などの近郊から、
佐賀、福岡など遠隔地に移った背景には、
主に、品種改良による日持ちの向上、予冷技術、
栽培面積の増加、出荷期間の長期化、販売方法の変化、等々の理由があります。
それぞれ具体例を挙げて、ひとつひとつ丁寧に、説明して下さいました。

例えば、ベストな日持ちの状態は、
いかに、追熟しないで果実も果皮も固い状態か、という微調整。
生産者や研究員、携わった方々のご尽力に恐れ入ります。
収穫直後からパッキング、トラック配送、保管における冷蔵状態にも
大きく関わりがあります。

「いちごの旬」の時期について、
昔の露地栽培での5月から、経済的な旬の12月になった経緯など、
販売金額、入荷量、需要、果実から総合的に見て、詳しく説明いただきました。
また、「いちごの品種」についての説明、
さらに、実際にいちごの苗を手に、
花、頂果、成長過程、花と果実の形の関係、間引きとその理由、等々、
まるで農園に来たかのように、詳しく教わりました。

≪食べ比べ≫の結果は、見た目、食後の評価に、グループ別で見ても、
バラつきがありました。みなさんの好みもそれぞれです。
見た目よりも、実際の甘さや食感、香り、硬さなど、
それぞれの違いを実感!

Photo_3

   
≪実験その2:糖度の測定≫ 

ここで、『ベジフルラボ』における
テーマ設定 ⇒ 実験 ⇒ 検証 します。

テーマは、
【いちごの先端が一番甘いっていうけれど、本当にそうなの?】
【いちごの部位別に、糖度の差があるの?】

縦半分、さらに横半分の上下3つにカットされた3品種のいちごを前に、
心を鬼にして「糖度の測定」です。
糖度計にポタリと垂れた雫は、まるで涙の様・・・・・(食べずにごめんなさい~)

Photo_4

結果、数値としてその違いが表明されました。
参加された方のみぞ知り得た、貴重なものとなりました。

Photo_6

食べ比べの際に、部位別をかじって、自身の舌で検証。
さらに、その場で実験して、その微妙な差異を、数値で検証。
普段見聞する定説。その背景、経緯を深く掘り下げて、
わかりやすく教えてくださった西野先生に、感謝の気持ちでいっぱいです。
大変大変貴重な機会をいただきまして、有難うございました。

レポート作成者 : 溝渕 潤子
野菜ソムリエ
ベジフルビューティー・セルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター

【東京12/15】奥田シェフから学ぶ山形庄内在来野菜の魅力

開催日時    :2010年12月15日(水)13:30~15:30
場   所    :【YAMAGATA San-Dan-Delo】サンダンデロ
         (山形アンテナショップ おいしい山形プラザ2階)
ナビゲーター:野菜ソムリエKAORU
シェフ       :奥田政行シェフ(アル・ケッチャーノ オーナーシェフ)
講座名      :【奥田シェフから学ぶ山形庄内在来野菜の魅力】

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なんとこの店でアカデミックレストランが実現してしまいました!
山形庄内の食材にこだわり続ける予約の取れないレストラン「アル・ケッチャーノ」奥田政行オーナーシェフと
ナビゲーター役は全国第一号の野菜ソムリエで多方面でご活躍の野菜ソムリエKAORUさんのコラボです。
「野菜の特徴を引き出す温度・カロリーのない野菜のコクを引き出す方法とは?」奥田シェフより直伝いただきます。
スペシャリティ!!美味しく学べる贅沢な空間をレポートします。

参加総勢36名!事務局より早い段階で募集人数に達し、何とか参加枠を増やしたほどの人気ぶり。
料理も作り、自らその食材の裏にあるストーリーを話し、私達が聞くことによってもっともっと食べたくなる気持ちにさせてくれる
「アカデミックレストランにふさわしいシェフが奥田シェフ」とKAORUさんが紹介。
と、ここでうれしい発表が。
Photo なんと奥田シェフがプロデュースするこのお店も「野菜ソムリエ認定レストラン」へ。
(写真左細田専務理事、中央、銀座店杉浦シェフ、右、奥田シェフ)

では早速始まります。


<山形から届いた在来野菜とスペシャルメニュー>
◆だだちゃ豆のパウダーとレイニーサーモンといくら ~花火の日の細田さんの涙~  』
Photo_2 ・なぜ庄内に?→新潟の農民の移動と共に庄内に茶豆が持込まれる。栽培され、突然変異による良い品種を大切に育て種を残す。
・なぜだだちゃ豆と呼ぶ?  →庄内では「だだちゃ」=〈お父さん〉のこと。
昔、お殿様が枝豆好きで毎日持ち寄らせては「今日はどこのだだちゃ(お父さん)の枝豆かと?」聞いていたことから。
・だだちゃ豆の魅力(魔力)とは→1粒・2粒・・・香りがさざ波のように追いかけってくる。
何にでも味が変われる、独特の食感。奥田シェフ曰く、これらは高級食材の条件とのこと。

ここで【庄内野菜がなぜ多種多様で、在来野菜も多いのか?】奥田シェフよりお話・・
① 四季ハッキリ→特に8月日照が最も長い→植物が色々な突然変異を起こす。
② 庄内(東)は東日本の農業の影響を、酒田(北)は北前船により西日本農業の影響を受けた。
③ 貰ったり、持ち込んだ種からできる良い品種のも全て食べずに種を次の世代へ残した。
④  色々と受け入れて、自分の形にしていく 大らかな気質。

◆POPEYEの赤根ほうれん草とズワイガニのビーゴリー二
Photo_3 ・赤根(根っこ)部分には、メロンと同じ糖度18度!
・甘みが強い理由 →寒い・黒土・井戸水浅い為。
赤根ほうれん草の強い甘みと、紅花を練り込んだ平打ちパスタのほのかな甘みともちっとした食感にズワイガニを絡めシンプルにオリーブオイルだけで味付けしたシンプルな一品。

◆赤ねぎのロッキーハタハタ
Photo_4 ・大阪→北前船で庄内へ(船頭さんに差し入れしたところお礼として種をもらった)
・山形在来野菜 平田赤ねぎはブレイクした日本3大野菜ではないかとの事。

【野菜の特徴を引き出す温度・低カロリーの野菜のコクをを引き出す方法とは】
ずばり「野菜の声を聞く事」!
・奥田シェフ曰く、野菜に愛情を持って接し、具体的には○○さん、○○ちゃん(例えばコマツナさん)と語りかけている。
・野菜をとことん食べ、未発見の新たな香りは?本当に欲しいものは何か?見出す。
・≪72℃≫
→ずばり、野菜の特徴を引き出す温度!!
奥田シェフのこれまでの経験によりほとんどがこの温度で甘さやコクが最も出ると言う。体感温度は湯船で勉強したとか?!
・≪対比法≫でチューニングする。
→野菜を食べ自分の口から感じた「美味しい要素」「印象」「イイところ」の上位3つを挙げ、そのキーワードの対比を組み入れる。
例えば瑞々しいものに⇔パサパサしたものを入れると瑞々しさが際立つ。
対比による組み合わせで同調、調律(チューニング)しながら野菜の美味しさを活かす!
・≪方程式 5:4:1≫の組み合わせ。
→声を聞き分けられるのは3種まで。この方程式を活かす事でシンプルで素材の持ち味を最大限に引き出すことが出来る。
(赤ねぎのロッキーハタハタ・・・ハタハタ5:赤ねぎ4:酸

っぱさ=身離れのいいハタハタと、火を入れ旨みのある甘さに変身した平田赤ねぎ、酸味のアクセントでぐっと味が引き立つ。)

◆世界料理学会発表 藤沢かぶと山伏豚の焼畑仕立て (料理写真はアル・ケッチャーノHPにて)
・温海かぶの突然変異→残されたわずかな種を一軒の農家が愛情込めて育ててきた在来野菜。
・パリッとして、甘みと辛みが特徴→ いい成分と悪い成分混同→悪い成分を消す→食材の良さ活かす。
Photo_5 鶴岡の幻の野菜と言われる藤沢かぶを、KAORUさんが各テーブルへ。 





◆ポッコリほくほく! ズイキのゴルゴンゾ―ラグラタン

Photo_6 ・葉柄も食す里芋品種(カラトリ芋とも呼ばれる)の親芋部分:ズイキを使用。
・70℃、40分加熱 でんぷん→麦芽糖に変化し美味しくなる。
ゴルゴンゾ―ラチーズの味や香りが強すぎず、ズイキのポッコリホクホク感でやさしい気持ちになる。
奥田シェフ曰く。 デザートを創作するためには、建築家になること。「設計図→柱を立て→組み立てていく作業」のように

◆金谷ごぼうアッフォガ‐トとバニラジェラート ~これを食べたら繊維喪失~ 
Photo_7 ・山形市より種子を持ち込み、上山市金谷地区の生産者の方が子孫代々守り続けてきた。
・根の先まで太いが肌は白くなめらか。なんとアク抜き要らず!
テーブルに運ばれてきたと同時に金谷ごぼうの香りが店内を占領し始め、口にすると鼻から抜ける香りが
なんとも上品さを感じた。エスプレッソなどは一切加えずこれがご棒のしぼり汁だけとは驚き!

◆豊栄大根のタルトとアッサムティー
Photo_8 ・地大根からとんだ種子から生えたもの→かつて生産されていた昔の大根に似ている→地元の大学教授の協力を経て、より近い選抜を繰り返す→復活!
そのままだと辛くて繊維質→リンゴのように煮る事で、繊維を良い食感に変え甘さを引き出している。今年デビューで最後の貴重な20本を提供頂きました。

Photo_9 サプライズもありました!
庄内人気質の奥田シェフもピリッと辛い赤トウガラシを目指しているとか・・それは?!
野菜の声を聞く。つまりは「野菜とのコミュニケーション」を大切にしているからこそ、奥田シェフはシンプルでありながら
野菜の力や不思議を信じ、香りや風味、旨味、コクを最大限に引き出す事が出来るのだと確信します。
また、「お互いが信頼し、何をしたら喜んでくれるのか?それは人にも野菜にもあてはまる幸福論のよう」と言います。
生産者の方に感謝を忘れず、たくさんの方に山形の野菜の魅力を味わってもらい、お客様には喜んでいただく。
そしてその喜びを生産者の方にも色々な形で還元する。
この信頼関係も、実は山形庄内在来野菜の大きな魅力に結びついているのではないでしょうか。

「野菜で日本を一緒に楽しくしていきましょう!」奥田シェフの最後のお言葉です。

奥田シェフを始め、現地まで足を運び庄内伝来野菜やシェフの魅力を色々な角度で伝えて頂いた野菜ソムリエKAORUさん。
惜しみなくたくさんの情報を教え頂き、美味しいうえに頭も心も満たされたスペシャルな2時間をありがとうございました。
また、講座開催にあたり事務局の皆様とSan-Dan-Deloの皆様のご尽力とサポートに感謝いたします。

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レポート作成小野北絵 野菜ソムリエ、ベジフルビューティーセルフアドバイザー
野菜ソムリエの道に1歩踏み出した新米です。まだまだ勉強不足ですが。。
野菜・果物で日本を明るく楽しく元気にしていく一員であり続けたいと思います。

【東京】10/29愛知県の柿と大葉のワークショップ~愛すべき柿と大葉の魅力を知ろう~

【講座名】愛知県の柿と大葉のワークショップ~愛すべき柿と大葉の魅力を知ろう~
【日 時】2010年10月29日 19:00~21:00
【場 所】協会本部 渋谷A教室
【講 師】愛知県東京事務所 行政課 主査 鈴木章文さん
     JAあいち経済連 東京営業所 所長 鈴木忍さん 
     野菜ソムリエ 上原恭子さん
     野菜ソムリエ 大橋淑恵さん

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 協会のHPで『柿と大葉のワークショップ』とご案内されているのを見て、まず驚きました。
柿と『大葉』です。大葉は好きですが、つまものとしての役割が多く、なかなか主役にはならない野菜。
大葉に品種があるの?大葉について勉強するなんて、考えたこともなかったので、
どんなお話が聞けるのだろうと楽しみに参加しました。

 講師は10月から愛知県の野菜・果物をPRするお仕事をされている、野菜ソムリエの上原恭子さんです。
 最初にJAあいち経済連 東京営業所の皆様より、地図やグラフなどを使って、愛知県の農業や愛知県産の大葉について
ご説明いただきました。

<愛知県の農業について>
愛知県といえば、自動車などの製造業のイメージが大きいですが、農業も盛んで産出額で見ると全国で
5~6位だそうです。野菜も上位にあり、キャベツ・しそ・ふきは産出額で全国1位のシェア。

果樹も全国11位の産出額があるそうですが、この日のテーマである柿は全国5位のシェアだそうです。
そのほか、花きは全国1位、名古屋コーチンで知られる鶏も上位にあるそうです。

<大葉について>
 平成22年度の生産量は約3,500トンで全国1位。生産者数は220名で豊橋市と豊川市で9割以上を占めるそうです。
周年供給ができるように、1年間に2作または3作をしているとのことです。

 大葉は病虫害が出やすいのですが、極力農薬を抑えるために、防虫ネットや黄色蛍光灯を使って害虫の侵入を防いだり、
誘虫灯や粘着テープを使って害虫を捕獲したりと対策をされているそうです。

 また大葉は温度が高すぎたり、低すぎたりすると病気が出るし、湿度が高いと病気が出るというように、
温度・湿度管理が非常に重要とのことでした。
大葉の流通としては、圃場で摘み取ったあと、内職の方が1束10枚×10束にパック詰めし、その後検品をしながら
20パックずつダンボール詰めして集荷場に配送するそうですが、需要の変化に伴って、
10枚束×1束入りや2束入りの袋入りや、内職の方の手間を省くため、
大きさなどの選別をせずに摘み取ったまま20枚くらいずつ袋にいれたものも出てきているそうです。

品種についてですが、
①  在来種:自家採種し、良い系統を厳選したもの。
②  愛経1号:在来種に比べて、葉が柔らかく香りがよい。病気に強い。暑くても生育がよい。

といったように、品種改良したものも出ているそうです。

<大葉の食べ比べ>
 愛知県の在来種、愛経1号、大葉の新芽、茨城産と4種類の大葉を用意してくださっていました。
手のひらでパンと叩いたり、揉んだりして香りの違いを楽しみ、食べ比べをしました。

<柿について>
豊橋市で栽培が盛んな次郎柿について、5月上旬の出蕾から10月上旬の出荷前までの写真を見ながら、
説明していただきました。次郎柿は雄花を持たない品種なので、種がなく、まわりに他の品種がない限り、
受粉はしないそうです。
蕾が出たら、1枝に1果となるように余分な蕾を落とす作業をされ、大体葉っぱ25枚に柿が1つつくような形になるそうです。

7月上旬には早くも来年の花芽ができるそうです。成り枝が今年の果実を育てつつ、奥では空枝が来年の準備を始めていくのだそうです。
そして、ハウス栽培のものは9月上旬~10月上旬露地栽培のものは10月中旬~11月中旬に収穫されます。

不完全甘柿である筆柿などはセンサーで甘柿か渋柿かを選別し、渋柿だった場合はアルコール、炭酸ガスで脱渋加工をされてから、出荷されるそうです。
その際、元々甘柿だったもの・渋柿だったものの表示は特になく出荷されているとのことです。

<現地視察レポート>
野菜ソムリエの大橋淑恵さんより、愛知県の視察レポートをしていただきました。
選果場や圃場など、たくさんの写真とともにお話を伺い、とても興味深かったのですが、
中でも大橋さんも印象に残ったとおっしゃっていた、圃場での柿の木の高さのお話。

思っていたよりも木の高さが高くなく、生産者の方にお聞きしたら、「木が斜面に立っていることもあり、
生産者の方々の高齢化で高いところは危ないので伸びてきたら剪定して、
ある程度の高さに保っている」
とのことだったそうです。

<柿の食べ比べ>
平核無(奈良県産)、次郎柿(愛知県産)、富有柿(福岡県産)、筆柿(愛知県産)、太秋(福岡県産)の5種類の見た目、
甘み、香り、食感、総合について、それぞれ「好みである」→「好みでない」までの5段階でシートに記入していきます。

<大葉と柿を使ったお料理のデモと試食>
今回はJAあいち経済連のレシピや、豊橋調理師専門学校の学内コンテストのレシピより、
大葉チヂミ・次郎柿のバーニャカウダ・次郎柿とキャベツのあえもの・しそジュースをご用意くださいました。
どれも簡単でさっとできるものなのに、その素材の味が引き立っていて、美味しかったです。
バーニャカウダに使用するアンチョビフィレは上原さんのお手製のものを持ってきてくださっており、絶品でした。

柿はそのまま切って食べるだけでは、なかなか量を食べることができないので、どんどんお料理に活用していってもらいたい、
と上原さんがおっしゃっていました。今回教えていただいたレシピや、お話の中で出た「柿は乳製品と相性がいい」
いうことなども参考にして、お料理に使っていきたいと思います。
また、大葉もつまものだけでなく、今回のチヂミのような、大葉が主役になるようなお料理をしていきたいなと思いました。

今回のワークショップに参加して、初めて大葉と柿について詳しく勉強することができました。
いつ購入してもきれいな色をした大葉ですが、病害虫の被害が出ないように生産者さんが努力されていること。
柿についても圃場で収穫されるまでどのように育っていっているか。
そして、収穫されてから出荷されるまでの流れ、購入してからのお料理のレシピ。
とても勉強になりました。

 最後にはお土産として、たくさんの種類の柿と大葉をいただき、早速レシピを実践できました。

そして最後に、今回愛知県の農業について、勉強できたことも良かったです。
自分の住んでいるところや出身地の農業については、興味を持って勉強することもありますが、
その他の県の農業についてはこういった機会がないと、なかなか勉強することがありません。
またこのような機会があったら是非参加したいですし、自分でも勉強していこうという気持ちになりました。

本当にありがとうございました。

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レポート作成者:野菜ソムリエ 小林真知
野菜・果物の魅力をたくさんの人に伝えるべく、日々勉強中です。普段は事務の仕事をしていますが、
今の私にできる活動を積極的にやっていこうと思っています。

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