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【2/24大阪レポート】ベジフルラボ「白ネギ」

ベジフルラボ レポート
『野菜・果物のホントの話 ~白ネギ~』

昨年、VMCの新企画としてスタートして以来、早くも人気の『ベジフルラボ』
毎回テーマを決めて、その食材の食べ比べや、野菜・果物にまつわる
普段から半信半疑に思っている様々な不思議について、実際に検証します。

ラボとは、研究・実験。
つまり、テーマに仮説を立てて、実験、検証することです。
この過程を楽しく、分かりやすく導いて下さるのが、
シニア野菜ソムリエの西野慎一先生です。

Photo

☆日時 : 2011.2.24(木) 18:30~19:30
☆場所 : 日本野菜ソムリエ協会  協会本部大阪教室
☆講師 : 西野 慎一先生(シニア野菜ソムリエ、ベジフル入門講師)

今回のテーマは『白ネギ』

教室内は、すでに『白ネギ』の香りがプーンプン充満しています!
『暫くしたら慣れてしまって、におわなくなるよ~!はっはっはっ』と西野先生(~ ~)

今回の実験、検証は
 ●『関西の青ネギ、関東の白ネギは本当か』
 ●『加熱するとなぜ甘くなるのか』
 ●『ゼリー状のものは何か』

そもそも、スーパーなどで白ネギを選ぶ時、みなさんは『○○ネギ』といった風に
品種指定で購入されますか? 
一般的にはやはり、『今晩のお鍋に・・・』と、品種というより、お鍋 = 用途で
白ネギを購入される方が多いのが現状でした。
しかしここ数年、トマト鍋やカレー鍋など、鍋つゆの好調な売れ行きに比例して、
鍋用ネギとして白ネギの出荷量が増加。この生産増で、ブランド化など、
新たな品種も増えつつあります。

●『関西の青ネギ、関東の白ネギは本当か』

白ネギの品種は、「加賀群」・「千住群」・「九条群」とその他に大きく分けられます。
白い部分を食べる「加賀群」と「千住群」、いわゆる根深ネギが、主に関東で栽培され、
葉の先端部まで食べられる柔らかい葉ネギと呼ばれる、京都生まれの「九条群」が
主に関西で栽培されています。

白ネギは、ある一定の寒さまで成長し、それ以上は地上葉を枯らして休眠する
性質があります。よって、この冬の間の休眠の深さ、浅さでも分類され、
休眠が深いことで、耐寒性があり、甘いのが「加賀群」と「千住群」。
休眠が浅いのが「九条群」となります。 

昔、江戸の大名をとりこにしたと言われる、抜きたてをたき火で焼いていただく
「殿様ネギ」の異名をもつ「下仁田ネギ」は、「加賀群」の根深ネギ。
その甘さ、寒さに強いなどから、交配(親)に多く含まれます。

昭和50年~平成15年までの5年毎、東京都中央市場と、大阪中央市場本場の
それぞれのネギの入荷推移グラフを見せていただきました。すると、
東京都中央市場でのネギの内訳は、「ネギ」・「わけぎ」・「コネギ」。おや?
対して、大阪中央市場本場での内訳は、「白ネギ」・「青ネギ」・「細ネギ」。

関西では、昔から「青ネギ」の九条ネギや、やっこ、万能ネギの「細ネギ」、
そして「白ネギ」の需要があったので、区別されてきました。が、
関東では、平成元年まで、「白ネギ」と「青ネギ」の分類はありませんでした。

昔は関東で「ネギ」といえば、「白ネギ」のこと。
平成元年からようやく、薬味=青ネギ=「コネギ」として、分類されるようになりました。

実験の前に、4品種の白ネギを実際に持って重さを比べたり、根元を折った直後の
香りを比べたりしている内に、西野先生としばらく質疑応答時間となりました。

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●『加熱するとなぜ甘くなるのか』

さて、次第に慣れてきた!?白ネギの香りに包まれた中、
知りたいような、知りたくないような・・・(~ ~;)、
「生」と調理後の白ネギの食べ比べです。

今回ご用意いただいたのが4品種。

左上から時計回りで、
光の剣(鳥取県産) ・ 西条(愛媛県産)・大分県産Mと2L。
 
まずは、生=調理前の白ネギで、外観、香りや辛味、甘み、食感を
自分の好みを採点。
他の食材と一緒に薬味でならまだしも、そのまんまの白ネギを、シャリ・・・ショリ・・・と
噛みしめ、しつこいですが、毎回思わず『かっ、辛っ!』と苦笑しつつ、食べ比べ。

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辛みもいろいろで、ガツーンとくる辛さ、じわじわ粘り強い辛さ、辛みというより
苦みの強いものなど、強烈な辛みの中でも、品種による違いをあらためて発見!
なんとも貴重な体験でした。

そして、思わず、「甘み」の項目があったこと自体、すっ飛ばしそうでした。
気を取り直して、甘みに集中して味わうと、やはり品種によって、
甘みの違いがあることに気付きました。
上品であっさりとした甘さだったり、のびのある甘さだったり、キメの細やかさ、
舌がマヒしたのか甘みを感じられず、ただただ辛かった・・・など、初めての経験でした。

そして、少し涙目のテーブルのみなさんで(~ ~)、それぞれの糖度を調べました。
  
次に電子レンジで加熱された白ネギを食べ比べ、同じく糖度チェック。
 
結果、自分の舌では、生と調理後の糖度に、あきらかな違いを実感したのに、
糖度計では、意外な数値が。(出席された方のみの資料となります)

そもそも、糖度計は、甘み成分だけを計っているのではなくて、
有機物の分量を計っているのだそうです。
今回の白ネギであれば、甘み成分はもちろんのこと、辛み成分である
繊維質のセルロースなども含まれます。
糖度分だけを取り出して糖度を計るとなると、もっと大きな機械が必要になるそうです。

では、加熱後の白ネギが、なぜ甘く感じられるのか。
その理由は主に2つ。
・温度をかけると、辛み成分がなくなる、又は、辛くならなくなる。
 つまり、辛みの濃度が濃くなるか、うすくなるか。
・加熱によって辛みの濃度を取ったら、甘みが残った

サツマイモの様に、加熱によって、甘み成分が増すというのではなくて、
白ネギの場合は、強烈な辛みに隠れていた、もともと持っている甘みが、
加熱で辛みが薄まることによって、出てきたわけです。
 
●『ゼリー状のものは何か』
 
 白ネギを切ると出てくるゼリー状の粘物質には、いろいろな成分が含まれています。

皆さんもご存じのアリイン。硫化アリルの一種である辛み成分は、もともと無臭
ですが、切ったり、折ったり、かじったりなど、細胞をつぶすことによって、
空気にふれて出てきたアリナーゼという酵素と混ざり、アリシンという強いニオイ
を出します。

他にもプロトペクチンや、甘み成分である加糖、ショ糖などのフラクトースや
グルコース、などが含まれています。

よく聞く、白ネギ+豚肉=アリシン+ビタミンB1が疲労回復やかっけを防ぐ効果は、
実は戦時中に実証されていたお話は興味深かったです。また、同じ白ネギでも
根っこに近い部分や上の方など、場所によって甘さや栄養成分に違いがあることも
初めて知りました。
 
今回もまた、とても貴重なお話を有難うございました。
そして、あの強烈な刺激臭の中、協会の方々の準備は大変だったと察します。
改めまして大変感謝しています。有難うございました

レポート作成者:溝渕 潤子

野菜ソムリエ
ベジフルビューティー・セルフアドバイザー
ジュニア・アスリートフードマイスター