紀州の美味 ぶどう山椒&新しょうが
・講座の開催日時 2013年5月29日(水)
・場所 協会本部渋谷B教室
・講師名 山本美智子さん (アクティブ野菜ソムリエ・調味料マイスター)
・講座名 紀州の美味 ぶどう山椒&新しょうが
◆サンショウ
ミカン科の落葉低木で春に黄緑色の花を付け、秋に結実する。
食用・香辛料・薬用などとして古くから用いられている。
古くは『ハジカミ』と呼ばれていた。
・『ハジ』…秋になると実がはじけるという意味
・『カミ』…辛みという意味
山椒には、抗菌作用のほか血圧降下、食欲不振、肥満、手足の冷えなどによいとされる
成分が含まれている。
和歌山県は全国一の山椒の産地で、品種は『ぶどう山椒』を中心に
『朝倉山椒』が栽培され、4月に黄色の花が咲き5月上旬から6月上旬まで出荷される。
◇『ぶどう山椒』とは、
山椒の品種名で粒が大きくぶどうの房のように実がなることから、こう呼ばれている。
一本の枝につく実の数も多く、香り・辛みも強い。
◆ショウガ
ショウガ科ショウガ属。人との関わりが古く、紀元前300~500年頃塩などと一緒
にショウガを使った保存食や漢方薬として使用された記録が残っている。
日本には2~3世紀頃伝わり香辛料・調味料・高級保存食として扱われ、
江戸時代頃から一般的な食用として広まった。
生薬としても用いられてきたショウガは、食欲をそそり胃を健康にする働きがある。
また、体を温める効果・免疫力を高める効果もある。
山椒同様、ショウガも『ハジカミ』と呼ばれる。はしが赤いから、噛むと辛いから
など諸説あるが、
ショウガ→『ハジカミ』 山椒→『和のハジカミ』 と呼ばれていた。
◇『新ショウガ』
6~8月頃収穫した若いショウガ。ピークは7~8月。
和歌山県は生産量全国2位。
他産地との出荷時期が集中しやすく、相場を読むのが大変。
また、和歌山県では、 ハウスでの加温栽培と無加温栽培の両方がなされており、
燃料が高騰するとその影響を受けてしまう。
収穫も長時間かがんでの作業なので非常に重労働。
新ショウガは水分が多く辛みが控えめなので、料理にたっぷり使うことができる。
*右上…『ちりめん山椒と夏野菜の即席漬け』
りんごや大根、夏野菜をちりめん山椒で和えたもの
りんごとちりめん山椒という意外な組み合わせですが、
山椒が良いアクセントとなり、夏にふさわしいさわやかなお漬物でした。
*左上…『新しょうがのご飯』
新しょうがと油揚げ・昆布などを一緒に炊いたご飯。
しょうがが程よく香り、食欲をそそるご飯でした。
*左下…『ぶどう山椒のパウンドケーキ』
和歌山県 かんじゃ山椒園 で販売されているケーキ。
辛みはなく、山椒の香りがいかされた食べやすいケーキでした。
*右下…『山椒香味油』
和歌山県で作られた米油を使用した香味油。
山椒の香りがとても豊かな油。とても食べやすく幅広く使えそうな香味油でした。
《myジンジャーエール作り体験》
新ショウガの絞り汁を使ってジンジャーエールを作りました。
イーストを使い、加熱なしで手軽に作ることができました。
◆感想
和歌山のぶどう山椒は粒が大きくとても香りの高いものでした。
これまでは山椒というと使い道が限られていましたが、今回の講座をうけ、
煮焚物・サラダ・お漬物・お菓子など様々なものに使えるということがわかりました。
新ショウガにおいても、さわやかな香り・瑞々しくシャキシャキとした食感が、
梅雨のこのじめじめした季節を気持ちよく過ごすために積極的に日々の献立に
取り入れていきたい と思いました。
新鮮な実山椒・新ショウガが食べられる期間はとても短いので、
色々な料理に使い旬を満喫したいと思いました。
≪レポート作成≫
清水川絵美さん(アクティブ野菜ソムリエ)
専業農家の家に生まれ育ち、小さな頃から野菜に慣れ親しんで育つ。
大自然に育まれた野菜・果物の魅力をより多くの人に知ってもらえるよう活動中。