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【福岡】知っておきたい青果物流通のいま

開催日・・・ 2014年 2月6日 19:00~21:00
講師 ・・・・ 株式会社農経新聞社 代表取締役社長 宮澤信一氏
会場 ・・・・ 協会本部 福岡教室

福岡でも雪がちらついたこの日、
福岡教室では、農経新聞社代表取締役社長の宮澤信一氏をお招きし、
最新の青果物流通に関する講演が行われました。

内容は
1、卸売市場の多段階流通の意味は?
   ・卸売市場に関する一般の認識と実際
   ・一般には知られていない卸売業者の役割
   ・一般には知られていない仲卸業者の役割
2、日本の農業生産は農協が支えている?
   農協離れが進む理由として考えられるもの
3、わが国の野菜生産・出荷量
4、食料自給率をどうみたらよいか
5、日本における青果物摂取の実態
6、消費税率アップで食料支出はどう変わる?

の順で、講演されました。

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1、卸売市場の多段階流通の意味は?
  •卸売市場には、「集荷、分荷機能」や「価格形成機能」などがありますが、
  季節によって移動する産地を追って指定野菜などを通年で手に入るようにしたり、
  出荷者の野菜を全量引き受け多様な販売先を見つけるなど、
  一般には知られていない役割を持っています。
  •仲卸業者は、スーパーなどの実需者のオーダー量と不安定な入荷量のバランスを、
  見込み発注やストック(在庫)、他市場からの買い付けなどで調整しています。
  また「代払い」という仕入れ代金を速やかに卸に支払う制度で、
  卸売業者による出荷者への速やかな支払いを支援する機能も持っています。
  •卸・仲卸という「段階がある」ことで、
  出荷者や実需者・生活者に有益となる役目を担っています。
  いたずらに青果物の価格を釣り上げているイメージがありますが、
  実際の営業利益率は、卸0.12%、仲卸0.2%と低いです。

2、日本の農業生産は農協が支えている?
  •全国の農産物の産出額に占める農協の販売高のシェアは年々減少しており、
  その中でもコメや果実は如実に表れています。
  •農協離れが進む理由と考えられるものとして、
  農家の高齢化(共選販売についていけない・共選場までが遠い)、
  選果場の共選料が高い、新規就農者を受け入れない、
  篤農家が自分で販路を開拓、地方銀行などに融資先を変更している、などです。

3、わが国の野菜生産・出荷量
  •野菜の作付面積・収穫量は微減傾向にあるものの、
  収穫されても出荷されない「廃棄率」が低下していることなどで、
  出荷量は減少していません。
  果樹は「廃棄率」は変わらず、結果樹面積、収穫量ともに減少しています。
  •農水省による平成29年度・指定野菜14品目の予測では、最大2割供給過剰になることが示されています。

4、食料自給率をどう見たらよいか
  •農林水産省が発表しているカロリーベースの食料自給率は、
  世界でもほぼ日本だけの概念といえ、他の国では重視どころか、推計すらしていません。
  いろいろなところから発信される「数字」をどう読み解くかが重要です。

5、日本における青果物摂取の実態
  •近年、青果物の摂取量はまったく増えていませんが、トマト、バナナは増加し、
  漬物類は減少するなど個別の内容は大きな変動があります。
  •統計の過程で分類の定義が変動されたり、調査時期が11月なので柑橘類の摂取が多く
  イチゴの摂取が低いなど、様々な情報を織り交ぜてデータを解説していただきました。

6、消費税アップで食料支出はどう変わる?
  •過去10年の統計から、米や魚介類の消費支出額が2割以上減ったのに対し、
  携帯電話などの通信料は1.6倍に増加しており、全体の消費支出は減少傾向でも、
  自分が好きなものや価値を認めたものへの支出は減らしていません。
  •野菜を節約の対象にされない工夫をし、野菜を摂取することの価値が
  生活者に理解されることがこれからの課題になります。

最後に宮澤社長の消費税の見解をお話しされました。
宮澤社長の広い見識と深い思考に感動して、講演は終了しました。

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普段接する機会が少ない「流通」の目線で、
青果物をとりまく社会のお話が伺えたこの講演は、私にとって大変実りあるものになりました。
生産者・流通・小売り・生活者のどれでもない
ニュートラルな立場で意見を持てる「野菜ソムリエ」という存在は稀有であり、
どの立場の方からも信頼されるためには、
日々の知識のブラッシュアップと多角的に情報を読む努力である、と
気づかせていただきました。
お話しいただいた宮澤社長、講演開講に携われた全ての方々に感謝いたしまして、
報告を終わります。

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レポート作成者 くりた ひろみ 

診療放射線技師として大学病院に勤務後、
かねてより興味があった「食」を学ぶ。
食生活アドバイザー、ジュニア野菜ソムリエ取得。
キッズ野菜ソムリエ姉妹の母。
娘達には負けられないと、現在野菜ソムリエ受講中。